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22 その魔法は

「モフモフさん、怪我をしている人を治すから集めて。この人達は巻き込まれた人達でしょう。俺の責任でもあるんだ」


「どういう事?」


 ラヴィアンローズの様子を見て、モフモフうさぎも倒れている人をそっと抱えて、ダッジの側に連れて来ながら言った。手伝おうとしたダッジは、無理しなくて良いとモフモフうさぎが座らせた。


「谷の奥でさ、トカゲ……竜になる前のでっかいトカゲに襲われて死にそうになっていた男を助けたんだけどさ、そいつがモンスタートレインを起こしたんだよ。何気に足が速くて、逃げ回るし他のプレイヤーの居る方にワザワザ行ってモンスターを擦りつけたりするんだ。それでいつの間にか物凄いモンスターの数になってしまって、もう止めようもなくて後ろから付いて来たんだ。踏み潰された木とか草とか、花は元に戻して来たけど……良い事だと思って冒険者を復活するのも良し悪しが、今回は超悪い事が起きてしまってみんなに迷惑をかけてしまって」


「ハンマーボキッか……」


「そうそう、なんか嫌味な奴だなって思っていたけど」


「そこに転がって話を聞いている死体の事だ」


「リスポーンせずに何をしてるんだろう。聞いてるよね、ポッキリ折れたハンマー君」


 倒れたままのハンマーボキッは、ラヴィアンローズが言った通り、一応死んでしまった後にリスポーンせずにその場に留まっていた。倒れた目からちょうど谷の方が見えていて、キラキラ光るアイテムの数々がそこらに大量に落ちているのを見た。今は草木が生い茂る森に変貌してしまったけれど、何処にアイテムが落ちていたかをその目でしっかり覚えてこれからリスポーンして戻って来ようとした時に……


⌘ この者に流れし命を我は再び結ぶアナヴィオスィ ⌘


 目を閉じたラヴィアンローズの凛とした詠唱が集まったダッジ達に向かって唱えられた。


(えっ、見えない。後ろで何をしてるんだ? ええっ、この呪文って俺が復活した時に聞こえたやつじゃん)


 座ったダッジを中心に金色の魔方陣が地面から浮かび上がった。前よりも強く光る魔法陣が一つ所に集まった冒険者達を光で包み込み、そのまま3mほど上に移動すると回転して渦を描いてフッと消えた。


「おおお」 「嘘だろっ」 「治った、足が元に戻った」 「ダメージが無くなってる」 「全回復の魔法か?」 「復活ー!」 「アナヴィオスィって、回復系魔法の最終到達魔法って書いてる。魔法系統図の1番最後に載ってるじゃん」


 最後に言ったのは、光系の魔法使いで、自身が所属していたパーティではヒーラーを受け持っていた "讃岐ドン" だ。魔法スクロールを開いて、ラヴィアンローズが唱えたアナヴィオスィという魔法を探してみたら、ハイエンドの魔法である事が分かってビックリしていた。


「なんで使えるの? こんな魔法を」


 立ち上がった讃岐ドンが、感動した目でラヴィアンローズを見た。

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