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猫王様の千年股旅  作者: ma-no
猫歴50年~

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猫歴95年その3にゃ~


 我が輩は猫である。名前はシラタマだ。何もズルくない。


「この施設でしょ。白魔鉱の産出地でしょ。第三世界の技術でしょ。ウサギ族でしょ。コリスちゃんたちでしょ。シラタマちゃんの子供たちでしょ。モフモフでしょ……」


 いや、独占している物が多いからズルイな。でも、最初のみっつ以降、全てモフモフなんじゃが……みっちゃんにはこれだけやれば満足しそうだな。


 ミテナの猫クラン研修は、猫の国の秘密に触れまくって「よこせ~。よこせ~」とうるさい。なので、「契約魔法を掛けてクランをクビにするぞ」と脅したら、やっと止まった。


「あ~あ。モフモフだけでもくれたらいいのに~」


 まだまだでした。


「ウチで暮らすんにゃから、モフモフだらけにゃろ。あんまりうるさいと、ウチから追い出すからにゃ~」

「ウソウソウソウソ! もう言わないから、モフモフ取り上げないで~~~」

「にゃんでこれが一番効き目がいいんにゃ……」


 でも、大丈夫そう? キャットタワーにはいろんなモフモフが歩いているから、ミテナは絶対に鍵を返したくないんだって。

 とりあえずやっと話を聞く態勢になってくれたので、ようやく戦闘スタイルの確認だ。


「前衛もやりたいのはわかったんにゃけど、どっちにしても魔力量を増やさないとにゃ。ウロ君と同じように、最初は後衛を極めて、そこから前衛にコンバートしようにゃ」

「じゃ、そんにゃ感じで」

「にゃんかやる気落ちてにゃい?」

「だって~。私のプランが丸潰れなんだも~ん」

「はいはいにゃ。ちょっとトイレ行って来るにゃ~」

「待ってよシラタマちゃ~~~ん」


 結局のところ、ミテナは後衛に決定。それでもブーブー言ってうるさいミテナであったとさ。


 男子便所の中までついて来るなよ……



「てか、光魔法以外にはにゃに魔法が得意にゃの?」


 わしがスッキリしたら、研修再開。ミテナが魔法関係の授業ではずっと主席なのは知っているが、わしは個別案件までは知らない。ぶっちゃけ、わしからしたら何が得意でも目クソ鼻クソだもん。


「昔は光魔法だったけど……いまは雷魔法かな? 卒論で頑張ったし」

「雷魔法にゃ~……」

「え? なに? これも使えないとか言わないよね??」

「残念にゃがら、実用性に欠けにゃす」

「なんで!?」


 雷魔法も魔力量が決め手。ダメージを与えるには、もっと訓練をしてからじゃないと使えない魔法なのだ。


「うう……私の努力が……」

「まぁ動物相手にゃら牽制程度には使えるんにゃから、そう落ち込まなくてもいいにゃ~」

「珍しい魔法の使い手だとチヤホヤされる予定だったのに~~~」

「本当に珍しいにゃ。難しいだけの魔法に手を出す人は……」

「酷い!? 雷魔法はシラタマちゃんのせいでもあるんだからね~~~!!」

「それより訓練しようにゃ。にゃ?」


 ミテナはまたお冠になってわしを撫で回すので、他の魔法を見せてもらったらそこそこの威力。この「そこそこ」は、普通のハンターからしたらCランク相当に値するから褒め言葉だ。


「うんにゃ。ほとんどの属性に得手不得手もなく、いい威力にゃ。ハンターギルドに登録したら、いきなりCランクも夢じゃなかったかもにゃ~」

「それはここで訓練したからでしょ?」

「それを差っ引いてってことにゃ。後衛にゃら早く戦闘に参加できるようになるから、頑張ったらすぐに狩りに連れて行けるにゃよ~?」

「ホント? やった……」


 わしがベタ褒めして訓練期間の短縮も匂わせたら、ミテナのやる気復活。わしもその意気に応えるように、訓練に付き合うのであっ……


「なんでサクラちゃん??」

「ちょ~っと、わしもやりたいことあってにゃ~」

「どうせお昼寝するだけでしょ!?」


 しかし教官を変更すると言ったら、ミテナは怒ってわしを撫で回すのであったとさ。



 ミテナの教官は、一旦タッチ交代。本当にわしはやることがあるので、別宅でお昼寝……


「やっぱり……」


 ミテナにバレそうになったので、グリゴリー、ナディヂザ、アリスを離れに呼び出して「にゃ~にゃ~」会議。

 隠れて4人でゴソゴソやっていたら、あっという間に1ヶ月が過ぎた。この間、猫クラン活動以外の他の仕事はちょっとしかやってません。みんな慣れたモノだ。


「ねえ~? 仕事もしないでずっと何してるのよ~」


 ミテナはまだ慣れてない。長年の付き合いだから、もう慣れてもいいと思うのに。


「べっつににゃ~。訓練に戻れにゃ~」

「えぇ~。たまにはシラタマちゃんも見てよ~。サクラちゃんのおかげですっごく強くなったんだよ~?」

「サクラから聞いてるから大丈夫にゃ~」

「見ろって言ってんの!!」


 ミテナが見て見てうるさいから仕方なく見たわしは「にゃ~にゃ~」褒めながら拍手。これでミテナも満足してくれただろうと(きびす)を返したら、尻尾をガシッと掴まれた。


「何その心のこもってない拍手!?」


 どうやらまったく褒められた気がしなかったらしい。確かにわしは、心ここにあらずだったけど。


「心は込めてたにゃ~。もうAランク相当の魔法を使ってたから驚いたにゃ~」

「嘘くさい……てか、シラタマちゃんたち、私に隠れて何してるの?」

「にゃにもしてないにゃ~。お昼寝してるだけにゃ~」

「それも嘘。リータに聞いたら目が泳いでたもん。シラタマちゃんがお昼寝なんかしてたら、絶対怒るはずよ」


 ミテナは理詰めで攻めるが、わしはポーカーフェイスを崩さない。とぼけた顔のままだから崩れっぱなしだけど。

 しかし、元女王の理詰めは強力。このままではわしたちが隠していることがバレてしまいそうだ。


「たぶん、私に何か作ってくれてるのよ。それも双子ちゃんとアリスちゃんが関わっているから、魔道具関連でしょ?」

「サプライズでやってるのに、にゃんで当てるにゃ?」

「ああ!? そういうこと!?」

「そこまで想像できるにゃら、空気読んでくれにゃ~」

「シラタマちゃんが言うから~~~」

「当てるから言うしかないにゃろ~~~」


 ミテナ、やっちゃった。完成前にサプライズプレゼントを当ててしまったので、楽しみは半減。わしのせいにして、プンプン怒りながら完成を待つのであったとさ。



 それから1週間後……


「できたけどいるにゃ?」

「雑っ!?」


 わしだってサプライズなら、驚く場面で贈ろうと思っていたのにミテナが毎日「いつできるの~?」と聞いて来るから、雑な手渡しになっちゃうよ。


「てか、白魔鉱のボール? が、4個? ナニコレ??」


 袋に入っていた物は、ミテナが言ったままの野球ボール大の球体が4個。まったく使い方が思い浮かばないみたいだ。


「よく見たら印があるにゃろ? 稲光してるようにゃのと、太陽というか光ってるようにゃの」

「ああ……うん。つまり2属性の魔道具ってことね」

「ご明察にゃ。とりあえず雷マークを持って、わしが言った呪文を魔力を流しながら唱えてくれにゃ」

「うん!」


 サプライズは大失敗となったけど、魔道具を持ったミテナは満面の笑顔。キラキラした目で呪文を詠唱する。


「……コネクト! わっ! 浮いた!」


 するとボールは浮き上がり、フワフワとミテナの近くを浮遊する。


「……で? ナニコレ??」

「まぁわからないよにゃ。頭の中で、顔の横に来るように念じてみろにゃ」

「念話みたいな感じかしら……あ、来たわね。でも、だから??」

「そのままアソコの的に向かって、1の威力と思いながら雷を撃つイメージをしてみろにゃ」

「あ、そゆこと? 使い勝手の悪い魔法を増幅してくれるんだ~」

「結果を見る前に当てにゃいでくんにゃい?」

「てへ」


 せっかくのサプライズ第二弾も不発。ミテナはてへぺろして、わしの言う通りやったけど、やりすぎ。

 ドーンッ!と、的に使っていた土のキューブを吹き飛ばしたモノだから、遠い目をしてるよ。


「にゃ~! 1の威力って言ったにゃろ~。いくら注ぎ込んだんにゃ~」

「5……なんて威力なのよ!?」

「だから1って言ったんにゃ~」


 やっとサプライズは成功したけど、わしも驚いたから成功したとは言いにくいです。


「ちなみにコレ……何段階まであるの?」

「10にゃ。マックスは撃てて2回にゃから、無駄遣いするにゃよ?」

「凄すぎ……コレ、どうなってんの??」

「よく聞いてくれにゃした。これを思い付いたのはにゃ~」

「長くなりそうだから、素材とか作り方から教えてくれる?」

「一から聞けにゃ~~~」


 ミテナは聞きたくないみたいだけど、わしは一から言っちゃう。

 思い付いたのは、サクラや双子の式神魔法。昔から構想があったんだよ。周りを飛ぶ式神が魔法を使えばカッコイイのではないかと考えていたのだ。


 ただ、式神魔法は浮かせている折り鶴だけでも充分な威力がある。それを数十羽から百羽を扱うのだから、集中力も魔力もいるからここから魔法を使えない。というかいらない。

 なので、数を減らして術者の補助を目的とした魔道具に改良。魔法陣使いのアリスに、浮遊効果、雷の発生、威力の増幅、威力の制限などなど。多くの魔法陣を書いてもらった。


 素材は、白魔鉱。これを野球ボール大にした物を、わしが薄くスライスして皆で手分けして魔法陣を刻み込んだから、かなり大変でした。

 その甲斐あって、威力は上々。雷ボールの最大威力では、30メートルクラスの白い獣も貫いたのだ。


「名付けて、感脳波式遠隔操作型機動砲台……ファン」

「キャットボールね。わかったわ」

「そんにゃこと一言も言ってないにゃ~」

「みんな~~~!!」

「ちょっと! どこ行くにゃ~~~!!」


 せっかく男の子なら喜びそうなカッコイイ名前を考えていたのに、ミテナが言いふらすので、わしたちの作った魔道具は「キャットボール」とか不名誉な名前で呼ばれるのであった。


「にゃんてことしてくれるんにゃ~」

「言いふらす必要もなく、みんなキャットボールって呼んでたよ?」

「だからみっちゃんにだけは、わしの考えた名前で呼んでほしかったんにゃ~~~」


 でも、作っている最中からそんな名前に決まっていたのであったとさ。



 魔道具のことは、もうすでにキャットボールで定着していたから、わしは涙目で続きの説明だ。


「光のキャットボールは……あ、防御用? 光のベールで包まれた」

「そう言いたいところにゃけど、ソードってワードを思い浮かべると剣にもなるにゃ」

「ふ~ん。近接戦もできるように汎用生を持たせてるのか……」

「使い方はみっちゃんの自由にゃ。敵に向けて飛ばして突き刺したり、敵の近くで光の剣を発動させたりにゃ。雷のほうも、敵の上から使うとかにゃ」

「あ、そっか。動かしたらいいだけか」


 ミテナも使い方に気付いたところで、さらに戦闘の幅を広げてあげる。


「光と雷を2個同時に使えれば、遠近、どちらも穴が埋められるにゃ。かなり難しいけどにゃ~」

「そういうことね。だから4個もあったんだ。残りの2個は魔力切れの時に使ったらいいのね」

「うんにゃ。まずは1個で慣れてから、戦闘訓練を始めようにゃ~」

「うん!!」


 こうして新しい武器を手に入れたミテナは、早く猫クラン研修を終えるために、キャットボールの練習に明け暮れるのであった……


「ぐっ……脳が焼き切れそう……」

「にゃんでいきなり言われたこと以外をやってるんにゃ!?」


 ミテナはキャットボールを4個同時に使おうとするので、レフェリーストップするわしであったとさ。


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