表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫王様の千年股旅  作者: ma-no
猫歴50年~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

148/191

猫歴84年その4にゃ~


 我が輩は猫である。名前はシラタマだ。子供の教育は難しい。鬼の子はもっと難しい。


 グレタの最適な教育方針は、抑制よりも発散だったと思い知らされた子供を持つ猫クランメンバーは大反省。オニタは真っ先に走って行ってグレタに土下座をして謝っていたので、わしもそこに入る。


「本当に申し訳にゃい! グレタを不自由にさせていたのは、家長のわしの落ち度にゃ。すまなかったにゃ~」

「いや、じいちゃんのせいじゃない。父親の俺が不甲斐ないからだ! 悪かった!!」


 2人して必死に謝っていたら、グレタは頬を掻きながら優しく声を掛ける。


「えっと……そんなに謝られても困る。オレも散々酷いこと言ってたし」

「それはグレタ特有の病気みたいにゃモノだから、グレタには一切落ち度はないにゃ。わしたちが気付かないとダメだったんにゃ」

「つっても、オレも怒りのせいで説明できなかったしな~……痛み分けってことでいんじゃね?」

「そういうワケにはいかん! 父さんを殴ってくれ!!」

「それでいいなら……」

「殴るんにゃ……」


 グレタも反省してるからもうここで終わろうとしたけど、オニタが変なことを言うので終われず。グレタはマジで手加減抜きで殴っているからいい話が台無しだ。

 それでもグレタはすでに限界だったので、10発ぐらいで倒れたから今日はお開き。翌日はグレタの筋肉痛が酷くて動けなかったから、猫クラン研修は2日後に再開する。


「とりあえずグレタは、もう怒りの気持ちは落ち着いたってことだにゃ?」

「おう。頭のモヤみたいな物も取れたからスッキリだ」

「頭のモヤにゃ~……例えばわしが悪口言ったらどうにゃ? このデカ女とかにゃ」

「それぐらいで怒るワケないだろ。ジジイは悪口の才能ねぇな~」


 確かにわしは悪口は苦手だけど、言いたいことはある。


「口が悪いのは直せにゃい?」

「悪いところあったか?」

「ジジイってのにゃ」

「ジジイはジジイだろ」

「そうにゃけど~。ジイジとかあるにゃろ~?」

「ハズイ。ダッセ」


 言葉遣いは直らないっぽい。これ以上訂正したらまた怒りが溜まりそうだから、猫クラン研修に移行だ。


「昨日の説明は覚えてるにゃ?」

「あぁ~……うっすらとぐらいだな」

「じゃあ、もう一回説明しておくにゃ。最初は体力と魔力の底上げから始めて、それが終わったら戦闘訓練になるからにゃ。わしの教えは甘いから、頑張るんにゃよ~?」

「厳しくしろよ」

「初めて返事の前にツッコまれたにゃ!?」


 グレタには冷たくツッコまれてしまったが、猫クラン研修はスタート。すでに走っていたウロはグレタに何度も追い抜かれて涙目だ。

 ここまで差があるなら、次のステップ。グレタには早くも重力魔道具を支給して体をイジメる。ウロが追い抜いたら追いかけ出したので、ウロは必死の形相で走っていたからいい傾向だろう。


 この日は魔法も数個教えて体力の限界が来たら終了。翌日も魔力向上と体力向上だ。

 そうしてお昼休憩が終わって、2人とも真面目に訓練しているからわしはお昼寝でもしてやろうかと考えていたら、グレタが急に雄叫びを上げた。


「グルアアァァ!!」

「にゃ? ウロ君! 逃げろにゃ~~~!!」


 驚いてそちらを見たら、前を走っていたウロを追いながらグレタが腕をブンブン振っていたので、わしは叫んだ。


「え? シラタマさんはアソコにいたような……」

「にゃ……にゃはは」


 けど、次の瞬間には2人の間に割って入ったので、逃げる必要ないね。

 それでもグレタはわしを殺そうと殴りまくるので、全て肉球キャッチ。そうしていたら訓練をしていた猫クランメンバーが集まって来て、リータが代表して質問する。


「今回はどうしたのですか?」

「にゃんか急にキレたにゃ~。もしかしたら、走ってるだけでは怒りが発散されないのかもしれないにゃ~」

「なるほど……何が怒りの原因かは調べないといけませんね」


 グレタの猫クラン研修は原因追及と平行して行うことに決定。でもその前に、リータたちが猫クラン組手を始めるのであった。そこまでやらなくていいのに……



 今回のグレタの怒りは、およそ20分で発散。前回より格段に短縮しているから、怒りを溜めていた期間が関係しているのだと思われる。

 ボコボコにされたグレタは、普通に話すことができるようになったから研修を再開。ひとまず2回目にキレた時と同じ生活習慣をして様子見だ。


「グルアアァァ!!」

「72時間ってところかにゃ?」

「早すぎるでおじゃる~」

(おきな)、麻呂がやっていいでおじゃるか?」


 その現場をわしはナディヂザとグリゴリーと一緒に見ていたら、双子はやる気満々。男には女性を殴らせたくないので、グリゴリーの案は却下だ。


「シゲオ~? サンドバッグになってくれにゃ~。インホワでもいいにゃよ~?」

「「イヤに決まってるにゃろ!!」」


 かといって、オニヒメに瓜二つのグリゴリーをサンドバッグにするのも見てられないからインホワ親子を呼んだら怒鳴られました。そりゃ嫌か。

 ここは父親のオニタが手を上げたので、サンドバッグに。ナディヂザには殴る係をさせてみる。


「ブハッ! もう頭はしっかりしてるって!」

「まだ10分しか経ってないでおじゃる~。まだまだ怒りは発散できてないでごじゃる~」

「いたっ! 大丈夫って言ってるだろ! オヤジもジジイもアネキを止めてくれ~~~!!」


 その結果はバーサク時間は半分に短縮。ナディヂザは殴ることをやめないので、わかってやってるんじゃなかろうか?

 これも72時間を経過したら、同じようにサンドバッグ係と殴る係に分けて試してみたら10分ほどでバーサクが解除された。


「いてぇ!? だからもう治ってるっつってんだろ!!」

「念の為でおじゃる~」

「てか、お前、アニキじゃね? ジジイ! アニキが殴ってるぞ!!」

(わらわ)はお姉ちゃんでごじゃる~」


 前回と同じ結果になったということは、殴ったり殴られたりしたほうが怒りのバロメーターの下がり方はいいのだろう。

 その前に、グリゴリーを隔離。グリゴリーはナディヂザの服を着ているみたいだけど、顔が一緒だから脱がすのも触るのも難しい。女だったら曾孫にセクハラしたことになるもん。


 オニタに聞いてもわからなかったので、コリスに確認してもらったら、グレタの言う通り入れ替わっていたので「メッ」と双子は叱りました。



「んじゃ、次の実験はにゃ~……」

「まだやんのかよ……」


 次の日は違う実験。もう戦闘訓練も入れると言ったら、グレタは満面の笑みだ。


「おじい様~。なんで私がここに呼ばれてるのですか~」


 それとは逆で、アリスは文句タラタラだ。


「アリスちゃんは、近接戦闘サボっていた罰にゃ~」

「ギクッ!」

「あ、本当にサボってたんにゃ」


 アリスがあまりにもお粗末なポコポコパンチを放っていたから適当に言ってみたら、教えてくれたので有り難い。

 いちおう詳しく聞いてみたら、サクラはやれと言っていたのに後衛職だからいらないと思って、近接戦闘の訓練の日はサボってたんだってさ。


「んじゃ、わしが型を見せるから、良く見て覚えてくれにゃ」

「ジジイはケンカできんのか?」

「ネコパンチしか見たことがありませんよ?」

「いいから見てろにゃ~」


 グレタとアリスが言う通り、わしの戦闘方法は剣術と魔法。それは人型の時であって、猫型の時は素手だ。……それを見せたところで参考にならないから、人型でやるよ?

 腰を落としてパンチ。腕を回して手刀。からの抜き手。足技だってお手の物。回し蹴りに後ろ蹴り。ハイキックから飛んで、胴回し回転蹴りだ。


 わしは舞うようにパンチキックと繰り出して、シメは両手を獣の口のようにした突き。その風圧で、グレタとアリスは髪の毛や服を揺らした。


「という感じにゃ」


 わしが丸い拳を左手の肉球で受けて感想を聞いてみたら……


「なんかチョコマカしてたな」

「ププ。手足が短すぎてよくわかりませんでした~。プププププ」

「にゃ……」


 まったく伝わらず。これでもエルフ族やケンフから中国拳法を教えてもらって免許皆伝をもらったんじゃぞ!?


「おじい様は王様だから、融通してくれただけでは?」

「ちゃんとやったにゃ~。武闘大会でもダントツの1位だったにゃ~」

「ちなみにネコパンチでワンパンとかじゃないですよね?」

「中国拳法のカッコイイ技で、一発で倒したにゃ~」

「それはワンパンと言っても……いや、ニャンパン??」


 いくら苦情を言おうとアリスには通じず。わしもワンパンが気になっていたけど、ニャンパンも意味がわかりません。

 2人にもわしの中国拳法が通じていないのでは、メイバイ先生にチェンジ。メイバイもケンフから中国拳法を習っていたから、カッコイイ型を見せてくれたよ。


「カッケー……」

「おじい様とぜんぜん違いましたね」

「シ、シラタマ殿は……プッ」

「そんにゃ昔から変だと思ってたにゃ!? だったらそのとき言ってにゃ~~~」

「「「あははははは」」」


 どうやらメイバイたちも、わしの中国拳法は中国拳法に見えなかったらしい。だからコソコソ何かに例えて笑っていたそうだ……


 手足が短くて悪かったですね~~~!!



 メイバイ先生のおかげである程度の型は身に付いたから、アリスとグレタはそのまま組手だ。


「へ? 戦うのですか??」

「うんにゃ。アリスは攻撃は手加減して、グレタの攻撃は全て受けてくれにゃ」

「なんですかその不条理なルールは! マンチカンって言ったこと怒ってるのですか!?」

「マンチカンってにゃに?」

「あ……いまのナシ。おじい様、怒らないで~」

「怒る要素がないんにゃけど……サクラさんにゃ~? アリスが訓練サボってたにゃよ~~~??」


 別にマンチカンは悪口に聞こえないからどうでもいいけど、アリスが渋っているからお母様を召喚。サクラが叱ってくれたので、グレタと防御無視の殴り合いの開幕だ。


「あ……ぜんぜん痛くない」

「ぬかせ! うらぁ!!」


 でも、実力差は歴然。グレタが本気でパンチキックしてるのに、アリスは痛みを感じず。逆にアリスも習った型でグレタにパンチキックしたらダメージが蓄積されていたけど、なんかフニャフニャしたパンチだな。


「ほらほら~? アリスちゃん、型が乱れてるにゃよ~? しっかり腰を入れて打つにゃ~」

「まだ怒ってるの!? おじい様の、エキゾチックショートヘア~~~!!」


 わしは普通にアドバイスしただけなのに、アリスは怒鳴り返したので意味がわからない。


「エキゾチック……にゃに? わしの毛がにゃんなの??」

「ブッ! アハハハハ!!」

「メイバイさん? にゃにがおかしいにゃ??」


 聞き返したらメイバイがひっくり返って笑うから、本当に意味がわからない。何度も質問したら「死ぬからやめて」と笑うので、他の人に聞きに行くわしであった。


「にゃあにゃあ? エキゾチックショートヘアーってにゃに??」

「「「「「ブハッ! アハハハハハハハハハ」」」」」

「「「「「にゃ~??」」」」」


 すると非モフモフ組がブッ倒れて笑うので、モフモフ組と集まって「これ、悪口じゃね?」と真相に気付くのであったとさ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ