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Let's Go! ドールプリンセス 2020  作者: 見習いさん
第1章 ネメシス財団編
8/50

第7話 プリンセスの聖地でティーパーティー!最後のロイヤルクリスタル!

 ある日の放課後、つぼみは横中プリンセスガーデンにいた。

「すごくきれいな花ね!」

つぼみが、美しく色とりどりに咲いている花たちを眺めていると、

「咲いた 咲いた」

「チューリップの花が」

「並んだ 並んだ」

「赤 白 黄色」

「どの花見ても」

「綺麗だな」

「揺れる 揺れる」

「チューリップの花が」

「風に揺れて」

「にこにこ 笑う」

「どの花見ても」

「可愛いな」

「風に揺れる」

「チューリップの花に」

「飛ぶよ 飛ぶよ」

「ちょうちょが とぶよ」

「ちょうちょと花と」

「遊んでる」

突然怪しい歌声が聞こえてきた。


 「あなたは誰なの!?」

「私よ、私」

すると、謎の女がつぼみの目の前に現れる。

 「近頃新しくできたプリンセスの聖地とされる横中プリンセスガーデンで心を込めて精一杯おもてなしさせていただきます。しかしながら、その前に私のことを紹介いたしますね。私のお名前は、ヴァーナロッサム・イースターでございます」

黒いマントと仮面をとった謎の女の正体は、ネメシス財団の幹部であるイースターだった。

「蝶のように舞い、ハチのように刺す。それこそ私のモットーでございます。どちらの輝きが本物なのか、ここで確かめましょう」

「分かったよ」

イースターからの勝負を、つぼみは引き受けた。

「さあ、変身よ」

つぼみは、プリンセスミラーでラブリーピンクに変身する。

「ピンク・ジュエル・パワー!ドレスアップ!」

つぼみをピンクの光が包む。

「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!プリンセスステージ、レッツスタート!」


 ラブリーピンクが現れると、

「さあ、ティーパーティーを始めましょう。あなたをもてなす準備ができましたから」

イースターはラブリーピンクを連れて、ある場所へと向かう。

「ちょうちょ ちょうちょ」

「菜の葉にとまれ」

「菜の葉に飽いたら 桜にとまれ」

「桜の花の 花から花へ」

「止まれよ 遊べ 遊べよ 止まれ」

「起きよ 起きよ」

「ねぐらのすずめ」

「朝日の光の さしこぬ先に」

「ねぐらを出でて 梢に止まり」

「遊べよ すずめ 歌えよ すずめ」

向かった先は、さまざまなスイーツが並べられたテーブルがあるカフェテリアスペースだ。

「本日のメニューはこちらでございます。ピンクのストロベリーショートケーキ、ショコラミントアイスクリーム・ソーダシャーベットミックス、蜂蜜風味のカスタードプリン・キャラメルソースがけ、ガトーショコラにブルーベリーソースを添えて、完熟リンゴのアップルパイ、レインボーパルフェ、輝くジュエルのフルーツタルト、湖に浮かぶスワンのシュークリーム、紅茶のマフィン、おまじないフォーチュンクッキー、おめかしカップケーキ、ベルギー生チョコレート、シナモンチュロス、フルーツたっぷりゼリー、イチゴ大福、ホイップとカスタードのミルクレープ、メロンのパンケーキ、水色のムース、シロクマのかき氷、12色のグミ、スイートケーキポップ、天使と悪魔のロールケーキ、チョコバナナミルフィーユ、ファンシードーナツ、それにカラフルマカロンです。だけれども、そう簡単に召し上がることはできません」

「えっ、そんな!」

イースターに厳しい条件を突き付けられたことに戸惑うラブリーピンク。

「ロイヤルローズヒップティーはいかがでしょうか?ミルク・レモン・ストレートと種類はありますが?」

イースターによって、プリンセスガーデンで開かれたティーパーティーの準備は整ったかのように見えた。

 だが、その時だった。

「ちょっと待て!」

「何でしょう、この青いチワワちゃんは…」

突如としてチララがイースターの目の前に現れた。

「チワワじゃないよ、チララだよ!ボクはいつもこのような食べ物に飢えている。だから、ボクは我慢強くないんだ!」

「このチンチラちゃん、しゃべっていますね…」

チララがイースターのそばからマカロンがある皿の元へ向かうと、バニラのマカロンを加えて、

「これをお見舞いしよう!」

「何ということでしょう、チンチラちゃんが攻撃を仕掛けてきましたとは…」

チララはイースターに向かって体当たりする。

「さあ、今がチャンスだ!」

「うん!」

ラブリーピンクに指示を送る。


 「心の輝きを信じて。絶対、大丈夫だよ」

ラブリーピンクは、ルビーのマジカルストーンをプリンセスミラーにセット。その力をプリンセスバトンロッドに授けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ラブリーピンクによるイースターの撃退が始まった。

「Tell me 私に」

「愛の本当の意味を」

「答えてくれるのなら」

「きっと変わるはず」

「たとえ遠く離れても」

「会えなくなってしまっても」

「心の中でつながっている」

「君に向けて I love you」

「向かい風に吹かれても」

「君を感じて I feel you」

「私だけのLove Song」

「ルビーの輝きでパワーアップ!乙女の愛!ルビー・スイート・ハート!」

プリンセスバトンロッドでマゼンタのハートを描き、イースターに向かって放つ。イースターは混乱状態に陥った。

「まだ行くよ」

「何かしら?」

今度は、ローズクォーツのマジカルストーンをセットして、イースターが持っている闇の力の浄化に挑む。

「きれいごとは完全に」

「耳を向けないで」

「ずっと心の中に」

「正義があるよ」

「君が語る言葉に」

「なぜか 勇気が」

「湧いてくる」

「It’s all right.」

「一人じゃない」

「仲間がいる」

「喜び抱きしめて」

「It’s all right.」

「La la la…」

「It’s all right.」

「その先の未来へ」

「見果てぬ世界へ」

「歩いていこう」

「It’s all right.」

「ローズクォーツの輝きでパワーアップ!乙女の愛!ローズクォーツ・スイート・ハート!」

プリンセスバトンロッドでパステルピンクのハートを描き、イースターに向かって放つ。すると、イースターはみるみる力を失っていき、ペンダントとして身に着けていた闇の石が粉々に砕けた。

「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

とチララは闇の石から出てきたマジカルストーンの気配を察知した。マジカルストーンが落ちていく方に行くと、

「キャッチ!」

とチララがマジカルストーンを回収することに成功した。それをつぼみのプリンセスミラーに認識して、

「ちゅちゅ!これは、ロイヤルクリスタル・ピンク!強い力を持つプリンセスジュエルだ!これでロイヤルクリスタルはすべて揃った!」

「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

ラブリーピンクが勝利宣言する一方で、

「それでは、これにてティーパーティーはお開きとさせていただきます。本日は長い間ありがとうございました」

イースターが倒れようとしたところを現場に駆け付けた警察にとらえられ、そのまま現行犯で逮捕された。


 それから、つぼみとチララは改めてティーパーティーを行う。

「四天王がいなくなったことだし、ロイヤルクリスタルをすべて取り戻したことだし」

「ティーパーティーを再開しよう」

「では、いただきます」

「いただきます」

「私がロイヤルローズヒップティーで」

「ボクは星空ソーダを飲むよ」

つぼみがピンクのストロベリーショートケーキを食べると、

「すごくおいしい!ピンクのホイップクリーム、どうやってできたのかな?」

説明しよう。このピンクのホイップクリームは、泡立てた生クリームにイチゴのジャムを加えて混ぜたものである。

「このマカロン、プリンセスドールズのイメージカラーと同じだ!」

マカロンが大好物であるチララは何かに気づいた。そう、マカロンの風味がフランボワーズ・ミント・シトロン。ブルーベリー・カシス・バニラの六種類となっているのだ。

「一体、誰が作っているのだろう?」

つぼみがこう疑問を感じると、

「ぴかっと閃いた!ボクのものがカラフルマカロンとすれば、つぼみのものがピンクのストロベリーショートケーキ、沙奈のものがショコラミントアイスクリームとソーダシャーベットミックス、アリスのものが蜂蜜風味のカスタードプリン・キャラメルソースがけ、蘭のものが、ガトーショコラにブルーベリーソースを添えて、琴音のものが完熟リンゴのアップルパイ、カレンのものがレインボーパルフェ、晴斗のものがチョコバナナミルフィーユ、プラチナとチャミィのものがファンシードーナツ、お姉ちゃんのものが食後のキャンディというものなのか!これで分かった!」

チララはこれらのスイーツに隠された謎を解明した。

 そんな中、つぼみのスマートフォンにカレンから一通のメールが届く。

「大変だよ、つぼみ!もうすぐネメシス財団の発表会が始まってしまう!今すぐ横中スタジアムにきて!」

これを読んだつぼみは、

「行くしかない!」

と力強く言って、野球専用の大型スタジアムである横中スタジアムへと急行する。


 そこにたどり着くと、カレンたちとチャミィの姿があった。

「一体何を発表するの!?」

「まだ知らない。マスコミ各社には、『ネメシス財団の発表会が横中スタジアムで開催される』とファックスで伝えただけだからね」

チャミィはつぼみたちに発表会が開かれる経緯について語る。

 するとそこに、ドクターの姿が選手入場口から現れた。

「世界中のすべての皆さん、長い間待たせたな。これより、我々ネメシス財団の発表会を始めるとしよう」

国内外問わず多くのマスコミがここに集結し、テレビの生中継やインターネット生配信が行われるなど注目度の高さがうかがえる中で、ネメシス財団の発表会の幕が上がった。

 「プリンセスドールズ、お前たちに大切なことを教えてやろう」

するといきなり、ドクターが重大発表を行う。

「我が本当の名前は、ネメシス・オメガ。我こそがネメシス財団の生みの親で最高責任者だ。それまでは諸般の事情により偽名で名乗るべく我の名をドクターと呼んでいた。そう、ドクターという名前は仮の名前だったのだ」

なんと、ドクターの本名がネメシス財団のボスであることからネメシス・オメガであることが判明した。

 そして、

「今日は何しに来たのか?」

「あなたと戦いに来たの!あなたの幹部たち全員を倒したのだから!」

オメガとつぼみがこう交わすと、

「さあ、戦いの時だ。機は熟した。三度目の正直を必ず成し遂げて見せる」

「あなたの好きにはさせないよ」

「準備はできたか?」

「はい!」

二人はこうやりとりをした。こうして、プリンセスドールズとオメガとの仁義なき戦いの火蓋が切られたのであった。

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