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Let's Go! ドールプリンセス 2020  作者: 見習いさん
第2章 プリンセスハート編
49/50

第48話 心の輝きを信じて

長かった闇の力との戦いは終わりを告げた。神門神社の桜は、すでに大輪の花が咲き誇っていた。

「桜、きれいだね」

「数年ぶりだな、桜が咲いたのは」

神門神社の桜は久しぶりに満開になった。桜の木を見つめるつぼみと晴斗。

 すると、

「僕、つぼみのことが、好きだ」

晴斗がつぼみへの本当の思いを伝えると、つぼみはその返事をすぐに言うことができなかった。

 一方で、アクシアとの戦いで甚大な被害を受けた横中は、今でも不自由な生活が続いている。

「今日から復興が始まるね」

「2021年は、復興元年と言ってもいい」

幸い、横中で災害による死者と行方不明者は一人もいなかった。しかし、仮設住宅で暮らす人も少なくはない。説明しよう。日本での仮設住宅は、避難生活の最初期段階では大抵、被災者は集団で収容避難場所に避難し寝泊りすることになるが、隣人との仕切りといっても、せいぜい高さが数十センチ~1メートル強程度の段ボール一枚や毛布一枚などで隔てられているだけの事が多く、プライバシーが確保できず、睡眠も浅くなり、まともな生活に必要な設備も備わっていない。これが長期に及ぶと疲労が蓄積し健康を害すので、仮設住宅が建設され被災者に提供されることになる。元の住居と全く無関係に部屋が割り振られると、もともとの人と人のつながりやコミュニティが破壊されてしまい、孤立してしまう傾向があるので、行政は部屋の割り振りには被災者が属していたコミュニティ十分に考慮して部屋を割り当てる必要がある。仮設住宅は、収容避難場所と比べればかなり良い環境であるにしても、一般に、数年暮らすほどには十分にプライバシーを確保できず、手狭で十分には快適ではなく、仮設住宅暮らしが長期に及ぶようでは被災者の何割かが体調を崩す。つまり仮設住宅というのは、被災者のためを思えば、基本的には数カ月から1年、せいぜい2年程度の使用にしか耐えないと判断されるので、行政は、仮設住宅が十分に建設・供給されたら、次の段階に入り、被災者に本格的な住宅を供給するための方策を練り始めたり調整を始める必要がある。それでも、横中には連日全国から多くのボランティアが駆けつけており、復興支援の輪は広がっていくばかりだ。


 それから数日後、つぼみはポートフロンティア学園へとやってきた。

「ついに動き出したんだね」

ポートフロンティア学園の校舎の復旧作業はすでに始まっていた。学校関係者の話によると、早ければ年内にも校舎の全面復旧は再開するという。それまではプレハブの仮校舎での授業となる。

 すると、沙奈たちがつぼみを呼んだ。

「つぼみちゃん、始まるよ!」

「みんな!」

「待ってますからね!」

つぼみは、仲間たちのいる講堂へと向かった。


「プリンセスステージ、ライブスタート!」

つぼみたちによる一日限りのスペシャルステージが始まった。

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「ウインクだけはなぜか」

「うまくできない」

「笑顔のまま 毎日を」

「過ごしてる」

「選挙の日などはなんか」

「出かけたくなる」

「正午まで数えると」

「眠ってしまう」

「抱きしめて」

「悲しくなったときは」

「抱きしめて」

「今は」

「もう大丈夫だよ」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「みんなみんな」

「同じ」

「ひとりぼっちじゃない」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

すると、つぼみたちはプリンセスドールズに変身した。

「好きな人といると」

「とても幸せ」

「もし魔法を使えるなら」

「時間止めたい」

「抱きしめて」

「友達同士だから」

「抱きしめて」

「もしも」

「さみしいなら」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れ渡るから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れ渡るから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

オープニングは「Don’t Think Feel!~可能性は無限大~」で華々しく幕を開けた。

 すると、ミラクルレインボーが現れた。

「次は、『がんばれ!Let’s Go! ニッポン』、いっくよー!」

「さあ、もっともっと盛り上がろう!」

次は、夢に向かって頑張る人たちへの応援ソングを歌う。

「今こそ 力を一つに」

「それいけ Fight」

「あっぱれ Light」

「秘めた力 信じて」

「美しく速く進め」

「栄光 つかむために」

「がんばれ Let’s Go!」

「日本のBoys & Girls」

「世界の人々に向けて」

「大きな声で叫ぶよ」

「誰かのピンチ救うため」

「いつも」

「Don’t stop.」

「たとえつまづいたって」

「すぐに立ち直れる」

「令和という時代」

「だからこそ」

「輝く未来 築こう」

「賢い人は頭脳を生かせ」

「勇気のある人 力を生かせ」

「今こそ 力を一つに」

「がんばれ Fight」

「はばたけ Flight」

「描いた夢目指して」

「大輪に咲き誇る桜」

「藍色のダイヤモンド」

「それいけ Fight」

「あっぱれ Light」

「秘めた力 信じて」

「美しく速く進め」

「栄光 つかむために」

「がんばれ Let’s Go!」

「日本のBoys & Girls」

「私たちのバトン」

「あなたにつなぐために」

「夢と希望をもって」

「立ち上がる」

「Going on」

「パスを重ねて点を決めるんだ」

「ゴールのマウスに鍵をかけるんだ」

「今こそ 力を一つに」

「がんばれ Fight」

「はばたけ Flight」

「描いた夢目指して」

「黄金に光る太陽」

「幾千の星の子たち」

「それいけ Fight」

「あっぱれ Light」

「秘めた力 信じて」

「世界で一つだけの道」

「夢に向かって走れ」

「がんばれ Let’s Go!」

「日本のBoys & Girls」

「一人ではやっていけない」

「私たちがいる」

「みんなもここにいる」

「一緒に エールを」

「エールを送ろう」

「がんばれ Fight」

「はばたけ Flight」

「描いた夢目指して」

「黄金に光る太陽」

「幾千の星の子たち」

「それいけ Fight」

「あっぱれ Light」

「秘めた力 信じて」

「世界で一つだけの道」

「夢に向かって走れ」

「がんばれ Let’s Go!」

「日本のBoys & Girls」

「今こそ 力を一つに」

プリンセスドールズが歌い終えると、

「がんばれ、日本!全力応援!」

日本中にエールを送った。

 この後、横中市長がステージに登壇した。

「これより、潮風とアルプスの街特別栄誉賞の授賞式を始めます」

なんと、プリンセスドールズに潮風とアルプスの街特別栄誉賞が贈られることになった。そもそも、潮風とアルプスの街特別栄誉賞とは、横中市の市民栄誉賞である。

「賞状 プリンセスドールズ あなた方は横中市民に勇気や希望を与え続けたことが評価され、この賞を授与いたします」

代表して、ラブリーピンクが賞状と記念品の鏡を受け取った。説明しよう。鏡とは、古くは金属板を磨いた金属鏡が作られた。大量生産されるようになった鏡の多くはガラスの裏面を金属面にしたもので裏面鏡という。裏面鏡は金属面がガラスの内側にあるので傷みにくいが、鏡の裏側で反射する構造になっているため表面での光の反射の影響を受けてしまい像に多少のブレがある。一方、光学器械に使用される鏡は光を正確な位置に反射させる必要があるため金属やガラスの表面で光が反射するようにした表面鏡である。鏡には、鏡台、姿見、壁掛け鏡、卓上立て鏡のような形態がある。化粧のために手鏡を立てかける台、もしくは鏡を取り付けられた台を鏡台と呼び、どちらも多くは化粧品などを納める引き出しが付いている。鏡を取り付けられた鏡台の場合、その鏡は手鏡よりは大きな鏡だが、姿見ほど大きくはない。鏡台は東洋、西洋どちらにもあり、日本では明治以降、徳島県が大産地となって「阿波鏡台」と呼ばれた。大きな鏡を取り付けた洗面化粧台が増え、独立した鏡台の需要は減少している。人が自らの全身を映す大型の鏡を姿見と称する。主に身なりを整えたり、着こなしを確認したりするために使う。多くは縦に長い長方形となっている。個人宅だけでなく、購入を考えている衣服を身体にあてて見るため、衣料品販売店に多く置かれている。カーテンで仕切られた小部屋内に姿見がついたフィッティングルームもある。手に持って使う鏡を手鏡と呼ぶ。

「この賞をいただくことができて本当に光栄です。これからも日々精進してまいりますので、暖かい声援をよろしくお願いいたします」

受賞後、ラブリーピンクは喜びのスピーチを行った。

 そして、プリンセスドールズはこれまでの感謝の気持ちを込めて「心のメロディー~Love & Peace~」を歌う。

「どうして」

「夢の終わりを祈るのは」

「荒れた大地にも」

「光は射すのに」

「白き光と」

「黒い暗闇」

「輝きは世界に」

「満ち溢れるのに」

「間違ったことを終わらせて」

「愛の意味と希望を」

「私に」

「新しい夢を描こう」

「君と一緒に」

「虹色の光を授けて」

「優しく 安らかに」

「生きたいという希望がある」

「さあ」

「心のメロディー」

「最後の歌を今」

「強き者だけの」

「世の中じゃないから」

「Brand New World」

「愛のメッセージ」

「青い瞳の向こうに秘めた」

「壊れそうではかない」

「自分の思い」

「破れた世界と」

「絶望の空」

「悲しみはすべて」

「消えていく」

「間違えたことはもうやらない」

「すべて忘れて」

「静かに眠って」

「新しい夢を作ろう」

「君は主役になれる」

「透明な光をあげたい」

「愛するあなたへ」

「生きようとする」

「仲間がいる」

「ねえ」

「心のメロディー」

「最後の歌を今」

「何かが変わる」

「瞬間が来た」

「Brand New World」

「愛のメッセージ」

「虹色の光を授けて」

「優しく 安らかに」

「生きたいという希望がある」

「さあ」

「心のメロディー」

「最後の歌を今」

「強き者だけの」

「世の中じゃないから」

「Brand New World」

「愛のメッセージ」

「愛する思いから」

「世界は成り立っている」

「傷つき奪い合うことなんか」

「もういらない」

「すべてを引き寄せて」

「戦いはもう終わらせて」

「永遠に続いてる」

「誰かを信じる気持ち」

 フィナーレは、「プリンセスハーモニー~Legend of Princess~」。プリンセスドールズに加えて、晴斗・プラチナ・大将・潮・ねね・リコとロコ・アルファ・ベータ・ガンマもパフォーマンスに参加する。タビビトの指揮とあかりのピアノ伴奏で、合唱が始まった。

「暗くて深い 闇の向こうに」

「一人さびしく たたずんでいた」

「だけどもう 怖がらないで」

「それは迷いを 断ち切ったしるし」

「春風に向かって 旅立っていく」

「さあ 夢の扉を開こう」

「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」

「愛を守るため みんなを守るために」

「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」

「あなたのそばにいる それがプリンセスなんだから」

「砂漠の街に 住んでいても」

「氷で覆われた 場所にいても」

「心はいつだって 一つだから」

「それは つながっているしるし」

「桜が舞う空 勇気を出して」

「さあ 一歩前へと踏み出そう」

「輝く今へと響く みんながつなぐメロディ」

「世界を守るため 宇宙を守るために」

「きらめく夢を目指して 一つになったハーモニー」

「みんなのためにいる それがプリンセスなんだから」

「人はみんなときめいている」

「だから ずっと忘れないで」

「心の輝きを信じて」

「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」

「愛を守るため みんなを守るために」

「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」

「あなたのそばにいる」

「みんなのためにいる」

「それがプリンセスなんだから」

プリンセスドールズたちが歌い終えると、

「アンコールはお断り」

と言って、スペシャルステージの幕が下りてきたその時だった。

「ちょっと君たち、講堂の使用時間はとっくに過ぎているからね!」

ポートフロンティア学園に用務員として再び雇われた西野が突然現れた。

「えー!」

困惑しつつも驚くほど、スペシャルステージの幕が閉じたのであった。


 結局、つぼみは晴斗への思いを伝えられないまま、春休みに突入してしまった。

「晴斗くんに何か言った方がいいのかな…。だけど、今は何も考えられないよ」

もやもやを隠せずにいるつぼみ。

 すると、カレンから電話がかかってきた。

「ねえ、つぼみ。晴斗くんがお家の都合でロンドンに引っ越しちゃうんだって!今、沙奈たちから聞いたばかりだけど、明日の飛行機で行っちゃうよ!」

「えっ!?」

これには、思わずつぼみは言葉を失った。

「伝えなきゃ、本当の思いを…」

つぼみは、晴斗に何かを残すことができないか、考えている。

 そして翌日、晴斗がロンドンに引っ越す日がとうとう迎えた。

「あれ?ポストに何かが入っている。受け取ってみるね」

家から出ようとしたその時、晴斗は送り主のわからない手紙を手に取った。

 実は、その前日の夕方につぼみは晴斗の家のポストにいた。

「私から晴斗くんに伝えたいことがあるから、必ず読んでね」

その手紙を、晴斗やその家族に気付かないようにそっとポストに入れた。

 ロンドン行きの飛行機を待つ羽田空港の待合室で、つぼみからの手紙を読む晴斗。説明しよう。羽田空港は、埋め立てによる拡張により、成田国際空港を超える日本最大の面積を有する空港となり、現在の羽田空港の敷地面積は約1,522ヘクタールである。これは空港を有する大田区全体の面積のおよそ4分の1を占めている。また、日本で数少ない24時間運用が可能な空港の1つであり、深夜から未明の時間帯にかけては国際線や貨物便が発着している。国際線ターミナルビルの開館時間は24時間である。ただし、国内旅客線については、定期便の運航時間帯に合わせ、国内線の各旅客ターミナルビルの開館時間を、第1旅客ターミナル、第2旅客ターミナルとも5:00 - 24:00ごろとしている。羽田空港は、東京23区内にあり利便性が高い反面、騒音問題、増便規制、小型機の乗り入れ禁止などのいわゆる「羽田空港発着枠問題」といった、緊急に解決が必要な問題が存在する。これらの問題を解決するため、現在までに沖合展開事業や再拡張事業、横田空域の調整が行われている。空港騒音に関しては羽田空港一帯のみ騒音規制法第3条第1項の規定に基づき、大田区長が指定する地域から除外されている。羽田空港は成田空港より都心に近く、沿道の警備が容易なため、天皇・皇族や内閣総理大臣などが政府専用機を使用する場合や、国賓や公賓が専用機や特別機で訪日する際はほとんどの場合、羽田空港を使用する。このため、専用施設としてVIP機専用スポットや旅客ターミナルビルとは別棟の中に設けられた貴賓室がある。

 「晴斗くんへ 君が四月からロンドンに留学することを聞いて、私はとても驚いてしまい正直言葉が出ませんでした。せめて直接お別れの言葉を言いたかったのですが、晴斗くんや家族のことを考えるとスケジュールの都合がつかないということで、このような判断に至りました。私の本当の思いとしては、高等部を卒業するまで一緒にいたかったのですが、以前から自身の夢と語っていた海外留学を実現したいという本人の思いを尊重します」

と綴られたうえで、

「だけれども、私と晴斗くんの心はずっとつながっています。これからも、晴斗くんのことを日本から応援しています! つぼみ」

と結んだ。

 この手紙を読んだ晴斗は、

「つぼみ…。本当にありがとう」

と涙を流した。

「ロンドン行き、8時30分発、321便は、ただいま皆様を機内へとご案内中でございます。

ロンドン行き、8時30分発、321便をご利用のお客様は保安検査場をお通りになり、111番搭乗口よりご搭乗ください」

晴斗は、両親とともに飛行機に乗る。

「そろそろ時間だ」

「行きましょう」

「はい」

ロンドン行きのボーイング787の飛行機が動き出したその時、ピュアスイートラブリーが現れた。

「また、どこかで必ず会えるよね!」

つぼみと晴斗との再会を約束して、ピュアスイートラブリーに見送られて晴斗はロンドンへと旅立ったのであった。

本編はここで終わりですが、物語はまだ続きます!

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