表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Let's Go! ドールプリンセス 2020  作者: 見習いさん
第2章 プリンセスハート編
37/50

第36話 もう一つの城

 ポートフロンティア学園が冬休みに入ったころ、晴斗とプラチナはある場所に向かっている。

「着いたよ」

「ここが、富士山に近い場所か」

そこは、山梨県にある富士五湖だった。説明しよう。山梨県は、南に富士山、西に赤石山脈、北に八ヶ岳、東に奥秩父山地など、標高2,000 m〜3,000mを超す山々に囲まれる。島国の日本において、海に全く面しない数少ない内陸県である。山梨県の面積は全国32位であるが、その8割を山岳地が占めるため可住地面積は全国45位である。周辺地域とは、往来が比較的容易で交通路も整備されている東京都、神奈川県津久井地区、長野県中・南信地方、静岡県大井川以東の三方との交流が、古くから盛んである。又、埼玉県秩父地方との境は奥秩父山塊に隔てられているが、1998年の国道140号雁坂トンネル開通により、山岳部の踏破だけでなく自動車やバスでの直接往来が可能となった。「山梨」の県名は律令制下の甲斐四郡の一つである「山梨郡」に由来し、県名は1871年7月の廃藩置県に際して旧甲斐国一国が甲府県を経て「山梨県」に改称された。山梨郡は県庁所在である甲府が属している郡域であるが県名の改称理由は不明で、明治新政府による幕藩時代との断絶が意図されていた可能性が考えられている。「山梨郡」は、本来は甲斐一国を意味する呼称ではないため、明治時代初期には新県名が浸透せず、政治団体やその機関誌等では県域を指す地域呼称として「峡中」が用いられた。現在では「山梨」が県域全体を指す呼称として定着している。

 すると、湖の水面にある風景が映っている。

「ん?どこかで見たことがあるような…」

「プリンセスドールズによって解放された城だ。闇の力によって支配されていたが、今では元通りになっている」

本栖湖には花の城、精進湖には水の城、西湖には光の城、河口湖には星の城が、それぞれ映っている。

 しかし、山中湖だけは青く澄んだままである。

「もう一つの城を解放しない限り、水面には映らないだろう」

「それは?」

「僕にも分からない」

プラチナによると、そこは未知なる城が闇の力によって支配されているかどうか分からないという。

 そのうえで、

「もう少し調査する必要がある」

とプラチナは述べた。


  翌日、横中に帰ってくると、

「ちょっと見せたいものがある。少しの間待ってておくれ」

プラチナが探し物をするために、書斎へと向かう。

 すると、

「おじゃまします」

つぼみたちが現れた。

「あれ?晴斗くんはいるけど王子さまは?」

「それが…。まだ何かを探している」

つぼみたちが晴斗とともにプラチナを待っていると、

「お待たせ」

とプラチナが戻ってきた。

 「長い間、ロンドンに眠っていた本を発見した。さて、みんなそろったことだし、読むことにしようか」

つぼみたちは、赤い表紙の本を読む。

「プリンセスハート。全部で16個存在しているおとぎの世界の宝物である。もしすべてのプリンセスハートを集めることができたのならば、『空の城』の扉は開くのであろう」

そこに書いてあったのは、空の城という誰も知らない場所だった。

 さらに、

「空の城は、まだ地図に載っていない場所である」

と、書かれていた。

 この事実を知った晴斗とプラチナは、

「山中湖の水面に映っていなかったのは、空の城が復活していなかったからか…」

「プリンセスハートが持っている力で解放される城は全部で16か所あるのだが、17番目の城もあるとは。これは判明するまでもう少し時間がかかりそうだ」

とやりとりする。つぼみも、

「空の城があるなんて、びっくりしたよ」

と驚いた表情で語った。


 すると、バニラとココアがつぼみたちの目の前に現れた。

「やあやあ、ついに空の城が分かったんだね」

「ここで、いにしえから伝わる伝説を紹介しよう」

バニラとココアはつぼみたちに、ある世界の伝説を伝える。

 それは、今から数十年前のこと。この時代の世界では、地震や集中豪雨、台風といった異常気象が相次いだ。説明しよう。地震とは、地下の岩盤には様々な要因により力がかかっており、急激な変形によってこれを解消する現象が地震である。地球の内部で起こる地質現象の一種である。地震に対して、地殻が非常にゆっくりとずれ動く現象を地殻変動と呼ぶ。地震によって変形した岩石の断面を断層といい、地下数 kmから数十 kmの深さにあって地表までは達しないことが多いが、大きな地震の時にはその末端が地表にも現れて地表地震断層となる場合がある。一度断層となった面は強度が低下するため繰り返し地震を引き起こすと考えられている。特にカリフォルニアにあるサンアンドレアス断層は1,000 km以上に及ぶ長大なもので繰り返し地震を起こしており、日本の地震学者に地震と断層の結びつきを知らせたことで有名で、日本では兵庫県南部地震の野島断層、濃尾地震の根尾谷断層、北伊豆地震の丹那断層などが有名である。地震によって生じる振動は高速の地震波となって地中を伝わり、人間が生活している地表でも地震動として感じられる。地震波は波の一種であり、地中を伝わる波と地表を伝わる波に大別される。実体波はさらに、速度が速いP波と、速度が遅いS波に分けられる。地震の始めに感じられることが多い細かい震動はP波、地震の激しい震動は主にS波による。P波とS波は伝わる速度が違うので、P波とS波の到達時間の差である初期微動の時間が震央と観測地点との間の距離に比例する。初期微動が長いほど震源は遠い。初期微動が長くかつ主要動が大きい場合は、震源が遠いにも関わらず振幅が大きいため、大地震の可能性が考えられる。また、P波はS波よりも速いので、P波を検知したときに警報を出せば被害が軽減できることから、緊急地震速報や緊急停止システムで応用されている。地下で断層が動いた時、最初に動いた地点を震源と呼び、地上における震源の真上の地点を震央と呼ぶ。テレビや新聞などで一般的に使用される震源は震央の位置を示している。震源が動いた後もまわりに面状にずれが生じ、震源域と呼ばれるずれた部分全体が地震波を発する。地震波の速度はほぼ一定であり上記のように異種の波がある性質を利用して、地震計で地震波を観測することにより、1地点以上の観測で観測地点から震央までの距離、2地点以上の観測で震央の位置、3地点以上の観測で震源の深さを求めることができる。この算出式は大森房吉が1899年に発表したので、「大森公式」と呼ばれている。この他に地震を含めた地下の諸現象の解明や、核実験の監視などに有用であることから世界的に地震観測網が整備されている。日本は地震災害が多いことから地震計や震度計が数千か所の規模で高密度に設置され、気象庁による迅速な地震情報発表や緊急地震速報などに活用されている。なお、一つの地震の地震波にはいろいろな周期の成分が含まれており、その違いによって被害が異なるほか、近隣の地域でも表層地盤の構造や建物の大きさ・形状によって揺れ方が大きく異なることが知られている。また地震は、震源の深さによって、浅発地震、稍深発地震、深発地震の3つに分類される。前者の境界は60 kmまたは70 kmとされる場合が多く、後者の境界は200 kmまたは300 kmとされる場合が多いが、統一した定義はない。震源が深い地震は同じ規模の浅い地震に比べて地表での揺れは小さい。ただし、地下構造の影響により震央から離れた地点で大きく揺れる異常震域が現れることがある。このほかに地震を特徴付けるものとして、発震機構とよばれる断層の動き方や地震の大きさなどがある。集中豪雨は、学術的には、「大雨」は単に大量の雨が降ること、「豪雨」は空間的・時間的にまとまって災害をもたらすような雨が降ること、「集中豪雨」は空間的・時間的な集中が顕著な豪雨を指すとされるが、区別は明確ではない。似たような言葉として、雨の降る範囲に関係なく短い時間に多くの雨が降る事を指す「短時間強雨」、雨の継続時間に関係なく狭い範囲に多くの雨が降る事を指す「局地豪雨」、予測が困難な突発的な大雨を指す「ゲリラ豪雨」がある。これらは、集中豪雨とされる事例に対しても用いられる場合がある。集中豪雨の概念は各国共通のものではないが、類似語がある。英語には突然の激しい雨、土砂降りを意味する"cloudburst"、"downpour"などの言葉がある。韓国語では日本語がそのまま移入され"집중호우"として用いられている。集中豪雨という用語が初めて公に使用されたのは、1953年8月14日-15日にかけて京都府の木津川上流域で発生した雷雨性の大雨に関する、1953年8月15日の朝日新聞夕刊の報道記事とされている。この報道以降、主に新聞などで使われはじめ、一般語としても気象用語としても定着していった[11][1]。また、用例はあったが普及していなかった「ゲリラ豪雨」という呼称は、集中豪雨が日本国内各地で続発した2008年夏以降一般に広く使用されるようになった。

また、原因不明の伝染病がパンデミックにまで陥るなど、世界は未曾有の事態に見舞われていた。

 しかし、その時だった。

「どうして」

「夢の終わりを祈るのは」

「荒れた大地にも」

「光は射すのに」

「白き光と」

「黒い暗闇」

「輝きは世界に」

「満ち溢れるのに」

「間違ったことを終わらせて」

「愛の意味と希望を」

「私に」

「新しい夢を描こう」

「君と一緒に」

「虹色の光を授けて」

「優しく 安らかに」

「生きたいという希望がある」

「さあ」

「心のメロディー」

「最後の歌を今」

「強き者だけの」

「世の中じゃないから」

「Brand New World」

「愛のメッセージ」

なんと、まばゆい輝きととてつもなく強い力を持っている伝説のプリンセスが、世界の危機を救ったのだ。

 この話を聞いたつぼみは、

「おとぎの世界の儀式は来年の春に開催される。それまでにも、空の城を解放しなくちゃ」

と決意を語る。

 また、カレンも、

「私は未来のおとぎの世界の女王だから、最後まで全力を尽くしたい」

と語気を強めた。

 そして、

「心の輝きを信じて」

つぼみは、カレンたちに向けて結束を呼びかけた。


 一方その頃、アクシアは闇の国にいた。

「ざます、ざます、ざます…。すでに、花・水・木・雷・星・実り・光・雪のプリンセスハートをプリンセスドールズに奪われたでざます」

と嘆いた後、

「そろそろ、行くでざます」

と、アクシアはある計画を実行するのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ