第33話 実りの城で収穫祭!
季節は食欲の秋、つまり、実りの秋になったのだ。それなのに、
「大変だ!食料の値段が急激に上がっている!」
なぜか食べ物の値段が高騰しているのだ。
「今すぐ畑に行こう!」
「分かった!」
つぼみたちは、関東平野のどこかにある畑へと向かう。
そこには、野菜畑が広がっていた。
「ここは、実りの城へと通じる穴だ」
「中へ入ろう」
つぼみたちが穴の中に入ると、そこには荒れ果てた畑が辺り一面に広がっていた。
「さあ、行くよ!」
「うん!」
つぼみ、沙奈、アリスはプリンセスミラーで、蘭はプリンセスムーンスターで、琴音はエースミュージックポッドで、カレンはミラクルポルテパレットで、ドールプリンセスに変身する。
「カラフル・ワンダー・ユニバース!ドレスアップ!」
虹色の光がカレンを包む。
「虹の光のプリンセス・ミラクルレインボー、見参!」
そして、ミラクルレインボーが、
「ピュアロイヤルメイクドレッサー、ワンダフルチャージ!」
を唱え、ピュアロイヤルメイクドレッサーに向けてミラクルハープアローの矢を放つ。
「友情!」
「勇気!」
「知性!」
「美しさ!」
「プリンセス・ワンダフル・マジカル!ロイヤルドレスアップ!」
金と銀の光がつぼみたちを包む。
「ロイヤルドレス・シャイニングフォーム、ここにて見参!」
「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」
ロイヤルドレスアップされたプリンセスドールズが現れると、
「へへっ、待たせたな!本日の魔女、行くぜ!誘惑の魔女だ!」
デルタとともに、プリンアラモードをイメージした誘惑の魔女が現れた。
「ほーれ、やっちゃえ!」
魔女は、手に持っているスプーンを使って、プリンセスドールズに襲いかかる。
「弱点、見っけ!」
しかし、その時だった。チララが魔女の頭部にあるホイップクリームをなめたのだ。
「バニラの香りがする、しかし…」
説明しよう。バニラは、原産地はメキシコ、中央アメリカといわれている。現在の主たる栽培地はアフリカ大陸東南沖のマダガスカル、中南米、東南アジアのインドネシアなど。日本国内でも栽培されている。蔓は樹木やその他のものに絡んで成長していく。長いときは60 mを超える。種子は香料の原料となるが、収穫した豆には香りはない。ここから発酵・乾燥を繰り返すキュアリングを行う事によって初めて独特の甘い香りがするようになる。鞘の中には非常に微細な黒色の種子が無数に含まれている。キュアリングを経た種子鞘が「バニラ・ビーンズ」として、またその成分を抽出し溶剤に溶かしこんだバニラ・エッセンスやバニラ・オイルが、アイスクリームを始めケーキ、スイーツ全般の様々なものに利用されている。日本国内でも観葉植物として苗が流通することがあり、植物の入手自体はそれほど難しくない。しかし栽培には冬期に高い温度を必要とすることと、大きな株にならなければ開花しないこともあり、個人栽培で開花・結実させるのは難しい。バニラの花の寿命は短く、普通は1日しか開花していない。バニラの花は虫媒花である。原産地の中央アメリカでは Melipona beecheii などのハリナシバチが花粉を運ぶ。自然界において総状花序単位の受粉率は1%程度である。受粉した花は約6週間で長さ30cmほどの長細い果実になる。
チララが魔女の匂いを確認した。
「このカスタードプリン、どうやら糖質が高いようだ」
説明しよう。カスタードプリンとは、由来には、イギリス航海者の考案説と腸詰の派生説がある。イベリア半島やラテンアメリカではスペイン語及びポルトガル語でフランと呼ばれる。アメリカ合衆国では英語の名称よりもスペイン語のフランやフランス語のクレーム・カラメルで知られていることが多い。ベトナムにはフランス統治時代に伝来し、バン・フラン またはケム・カラメンと呼ばれる。フランスのフラン・オ・ズーは「卵のフラン」の意である。プリン型に牛乳と砂糖を混ぜた卵液を流し込んで加熱しカスタードを凝固させたものである。溶き卵に水分を加えて加熱して固めるという点で、製法は茶碗蒸しとよく似ている。また、フレンチトーストとも類似点がある。一方、卵を主原料とせずゼラチンなどのゲル化剤を用いてゼリー状に固めるプリンもある。一般的には甘味として、カラメルソースを用いることが多く、柔らかな舌触りとカラメルのほろ苦さの混ざった甘さが特徴である。予めプリン型の底にカラメルソースを入れておき、型を伏せた状態で皿へと移し食卓に供するのであるが、カラメルを別添としたものもあり、容器に入れたまま食べることを前提としたものもある。ブランド牛乳を用いたり、牛乳瓶に似た形の容器を使って加熱し、瓶のままスプーンで食べるものもある。洋菓子屋やコンビニエンスストアでも人気が高い商品で、贈答品まで幅広く商品バリエーションがある。台湾では、市販のケミカルプリンに1000ccという巨大なサイズのものがある。日本でもバケツプリンと呼ばれる特大サイズのプリンが販売されている。プリンの硬さと弾力の嗜好には時代により変化がある。なお、柔らかく調整し飲料として商品化したものも発売されている。
チララは魔女のプリンを酷評したうえで、
「今だ!」
とプリンセスドールズに指示を送った。
ミラクルレインボーは、アレキサンドライトのマジカルストーンをピュアロイヤルメイクドレッサーにセットする。
「ピュアロイヤルメイクドレッサー、ハートフル・スイート・チャージ!」
すると、プリンセスドールズの周りが光輝き、
「暗くて深い 闇の向こうに」
「一人さびしく たたずんでいた」
「だけどもう 怖がらないで」
「それは迷いを 断ち切ったしるし」
「春風に向かって 旅立っていく」
「さあ 夢の扉を開こう」
「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」
「愛を守るため みんなを守るために」
「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」
「あなたのそばにいる それがプリンセスなんだから」
「砂漠の街に 住んでいても」
「氷で覆われた 場所にいても」
「心はいつだって 一つだから」
「それは つながっているしるし」
「桜が舞う空 勇気を出して」
「さあ 一歩前へと踏み出そう」
「輝く今へと響く みんながつなぐメロディ」
「世界を守るため 宇宙を守るために」
「きらめく夢を目指して 一つになったハーモニー」
「みんなのためにいる それがプリンセスなんだから」
「人はみんなときめいている」
「だから ずっと忘れないで」
「心の輝きを信じて」
「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」
「愛を守るため みんなを守るために」
「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」
「あなたのそばにいる」
「みんなのためにいる」
「それがプリンセスなんだから」
プリンセスハーモニーを歌い終えた途端、
「ロイヤルドレス・ハートフルフォーム、ここにて見参!」
シャイニングフォームからハートフルフォームにフォームチェンジしたプリンセスドールズが現れた。
「今こそ、みんなの力を一つにするとき」
プリンセスドールズは、ピュアロイヤルメイクドレッサーのタッチペンから変化したマイクを手に取り、ミラクルハープアローをハープ状に構えると、
「プリンセスステージ、ライブスタート!」
ピュアロイヤルメイクドレッサーでロイヤルドレスアップしたプリンセスドールズによる魔女の浄化がはじまった。
「どうして」
「夢の終わりを祈るのは」
「荒れた大地にも」
「光は射すのに」
「白き光と」
「黒い暗闇」
「輝きは世界に」
「満ち溢れるのに」
「間違ったことを終わらせて」
「愛の意味と希望を」
「私に」
「新しい夢を描こう」
「君と一緒に」
「虹色の光を授けて」
「優しく 安らかに」
「生きたいという希望がある」
「さあ」
「心のメロディー」
「最後の歌を今」
「強き者だけの」
「世の中じゃないから」
「Brand New World」
「愛のメッセージ」
「今こそ、力を一つにするとき!プリンセス・ハートフル・シンフォニー!」
プリンセスドールズが反時計回りにぐるぐる回ってフォーメーションを形成して、魔女にマイクを向ける。すると、プリンセスドールズが、
「アンコールはお断り」
と言って、魔女は光でできた立方体に包まれる。その輝きで魔女は消えていった。
「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」
プリンセスドールズが勝利宣言をすると、
「覚えとけよ!」
デルタはこう嘆いてどこかへと去っていった。
すると、
「これは…。実りのプリンセスハート!淡いピンク色をイメージしたピーチ色に輝くプリンセスハートだ!」
チララはプリンセスハートの回収に成功する。
「さあ、今こそ、心の扉を!」
「開け、実りの城!」
つぼみとチララが呪文を唱えると、実りの城が闇の力から解放された。
すると、実りの城のプリンセスが現れた。
「みなさん、私を助けてくれてありがとうございます。お礼として、収穫祭を開きましょう」
「ありがとうございます!」
実りの城のプリンセスの計らいで、収穫を祝うパーティーを開くことに。
「春野菜はいかが?」
カブ、じゃがいも、キュウリ、イチゴ、キャベツ、タケノコといった春野菜の料理が左のテーブルに並んでいる。説明しよう。カブは世界中で栽培されているが、分類上はアフガニスタン原産のアジア系と、中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系との2変種に分かれる。原産地についてはヨーロッパもしくは中央アジア起源の一元説や二元説がある。歴史は古く、中国では詩経に記載され、ヨーロッパ系も古代ギリシャの史料にみられる。ただし、ヨーロッパで広く普及したのは16世紀からで、飼料用途が多かった。 東ヨーロッパなど寒冷な地では冬場の貴重な食料源や救荒植物として活用された。日本では、古事記の「吉備の菘菜」がカブのことと見られる他、日本書紀に持統天皇が栽培を推奨したと記されている。京野菜など西日本で見られる中国伝来のアジア系とともに、東日本でヨーロッパ系が在来種として確認され、シベリア経由と見られている。肥大した球形の根を可食部として利用するが、この部分は、発生学上は「胚軸」と呼ばれる部位で、本当の根はその下に伸びたひげ状の部位に相当し、通常は食用とせずに切り捨てる人が多いが、毒があるわけではない。漬物用や薬味用などではこの胚軸が大根のように長く伸びる。一方で野沢菜はここがほとんど肥大しない。 胚軸及び根は多くの場合白色だが、赤色で赤蕪と呼ばれるものもあり、東日本に多いとされる一方、「黄河紅丸」など、最近中国から導入された品種もある。根の部分の栄養素はダイコンとほぼ同じである。葉にはカロテン、ビタミンC、食物繊維が豊富に含まれている。アブラナ科に共通する苦味や辛味はあるが、カブはなかでも甘味が強く、寒い時期ほど甘味は強まる。キュウリは、かつては熟した実も食用とされたが、甘みが薄いためにあまり好まれず、現在では未熟な実を食用とするようになった。インド北部、ヒマラヤ山麓原産。日本では平安時代から栽培される。漢字表記で使われる胡瓜の「胡」という字は中国から見た西方諸民族を指し、シルクロードを渡って来たことを意味している。「キュウリ」の呼称は、漢字で「木瓜」または「黄瓜」と書いていたことに由来する。上記の通り現代では未熟な緑色の実を食べる事からあまり知られていないが、熟した実は黄色くなる。今と異なり古い時代はこれを食べていた。尚、現代では「木瓜」はパパイアを指す。イチゴは、狭義には、オランダイチゴ属の栽培種オランダイチゴを意味する。イチゴとして流通しているものは、ほぼ全てオランダイチゴ系である。広義にはオランダイチゴ属全体を指す。英語圏でのストロベリーはこの範囲である。バラ科オランダイチゴ属の半落葉性草本であり、北半球の温帯に広く分布している他、ハワイ諸島やチリ中南部にも分布している。さらに最広義には、同じバラ亜科で似た実をつける、キイチゴ属やヘビイチゴ属を含める。これらを、ノイチゴ、と総称することもある。オランダイチゴ属の二倍体の種にも、この総称に含まれているものがある。漢字表記の場合は、現代の中国語では、オランダイチゴ属は「草莓 拼音: cǎoméi ツァオメイ」とされる。明治時代から広く日本国内各地で生産されるようになったオランダイチゴ属は、日本語では「苺」と表記される場合が多い。
「夏野菜もおいしいぜ!」
右側のテーブルには、トマト、トウモロコシ、かぼちゃ、たまねぎ、パイナップル、ブルーベリーといった夏野菜の料理が並んでいる。説明しよう。トウモロコシは、熱帯アメリカ原産である。数多くの品種があり、食用や飼料用の作物として畑で広く栽培されている。多くは粳性であるが、ごく少数ながら糯性のものもある。大型のイネ科の一年草で、茎は単一で直立し、葉は互生して下部は鞘となって茎を包む。イネ科としては幅の広い葉をつける。一生のうちに付く葉の数や背丈は品種によってほぼ決まっており、早生品種ほど背丈は低く葉の数も少ない。熱帯起源のため、薄い二酸化炭素を濃縮する為のC4回路を持つC4型光合成植物である。多日照でやや高温の環境を好む。大型の作物であるため、育成期間中を通して10アールあたり350 - 500トンの水を必要とする。発芽から3か月程度で雄花と雌花が別々に生じる。雄小穂は茎の先端から葉より高く伸び出した円錐花序で、雌花だけがついた小穂を密につけ、ススキの穂のような姿になる。雌小穂は茎の上方の葉腋に出た円柱状の穂状花序で、雌花は包葉に包まれていて、上端から絹糸と呼ばれる長い雌しべの花柱だけが、ひげ状に長く束になって伸びだして顔を出す。トウモロコシのひげはこの雌しべにあたる。花粉は風媒され、受粉すると雌花の付け根が膨らみ、可食部が形成される。イネ科では珍しく、種子が熟すと穎の中から顔を出す。種子の色は黄・白・赤茶・紫・青・濃青など。栽培・繁殖は、種子を春蒔きして行われる。作物としての旬は夏で、日本では6 - 9月頃に出荷され、特に7月頃に多く出回る。パイナップルは、葉は地下茎から叢生して剣状で硬く、ふちにとげのある品種とない品種がある。増殖させるときの苗は葉の付け根の腋芽が発達した吸芽を用いる。苗を植えて12-18カ月すると株の中心部から花穂が現れる。60cmから長いものでは100cmに至る花軸が伸び、先端部分に円筒形の花序が付き、約150個の花が咲く。花序にらせん状に密生する花はがく、花びらとも3枚で、単子葉植物の典型的な姿である。花びらは肉質であり、色は白を基調とし、先端部分が薄紫色を帯びる。開花後、受粉の有無によらず、約6カ月で結実する。結実後、子房に由来する真の果実と個々の花の基部にある花托、さらに花序の軸までが融合して肥大化し、いわゆる「パイナップル」となる。 花序の先端の成長点は開花後も成長を続けて葉をつけた冠芽になり、これを挿し木しても繁殖できるが、吸芽を用いるよりも開花までの時間がかかるため、経済栽培における繁殖用には用いられていない。ブルーベリーは、栽培品種の成木の樹高は1.5-3mである。春に白色の釣鐘状の花を咲かせ、花後に0.5-1.5cmほどの青紫色の小果実が生る。北米大陸でのみ栽培される野生種に近い品種は数十cm程度の低木である。果実は北アメリカでは古くから食用とされてきたが、20世紀に入り果樹としての品種改良が進み、ハイブッシュ系、ラビットアイ系、ハーフハイブッシュ系、ローブッシュ系の交配により多くの品種が作出された。ブルーベリーは6系統あるが食用として重要なのは3系統である。細かい品種は数百種にも及ぶ。
「秋野菜もあるよ!」
真ん中のテーブルには、ナス、ニンジン、ピーマン、さつまいも、ほうれん草、栗といった秋野菜の料理が並んでいる。説明しよう。ナスは、原産地はインドの東部が有力である。その後、ビルマを経由して中国へ渡ったと考えられている。中国では茄もしくは茄子の名で広く栽培され、日本でも1000年以上に渡り、栽培されている。温帯では一年生植物であるが、熱帯では多年生植物となる。平城京の長屋王邸宅跡から出土した木簡に『進物 加須津毛瓜 加須津韓奈須比』との記述があり、高位の者への進物にナスの粕漬けが使われていたことが判明した。また、正倉院文書には「天平六年茄子十一斛、直一貫三百五十六文」をはじめとして多数の「茄子」の記述がみられる。これらのことから、日本では奈良時代すでにナスの栽培が行われていたことがわかる。実の味から「中酸実」が語源とされる。夏に実がなるので「夏実」と読んだが、それが訛って「なすび」と呼ばれたとする説もある。室町時代頃に宮廷の女官が女房言葉として「おなす」と呼び、その呼称が定着した。元は貴重な野菜であったが、江戸時代頃より広く栽培されるようになり、以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜となった。葉とヘタには棘があり、葉には毛が生えている。世界の各地で独自の品種が育てられている。賀茂茄子などの一部、例外もあるが、日本においては南方ほど長実または大長実で、北方ほど小実品種となる。本州の中間地では中間的な中長品種が栽培されてきた。これは寒い地域では栽培期間が短く大きな実を収穫する事が難しい上に、冬季の保存食として小さい実のほうが漬物に加工しやすいからである。しかし食文化の均一化やF1品種の登場により野菜炒めや焼き茄子など、様々な料理に利用しやすい中長品種が全国的に流通している。日本で栽培される栽培品種のほとんどは果皮が紫色又は黒紫色である。しかしヨーロッパやアメリカ等では白・黄緑色・明るい紫、さらに縞模様の品種も広く栽培される。果肉は密度が低くスポンジ状である。ヘタの部分には鋭いトゲが生えている場合がある。新鮮な物ほど鋭く、鮮度を見分ける方法の一つとなるが、触った際にトゲが刺さり怪我をすることがある。収穫の作業性向上や実に傷がつくという理由から棘の無い品種も開発されている。品種によって様々な食べ方がある。栄養的にはさほど見るべきものはないが、東洋医学では体温を下げる効果があるとされている。和漢三才図会ではヘタにしゃっくり止めの効果があるとされるが、俗信の域を出ない。また皮の色素ナスニンは抗酸化作用があるアントシアニンの一種である。中には、「赤ナス」のような観賞用として生け花などにも利用されているものもある。赤ナスは食用のナスの台木としても用いられる。ニンジンは原産地のアフガニスタン周辺で東西に分岐し、世界各地に伝播した。オランダを通りイギリスへと西方へ伝来しながら改良が行われた西洋系、中国を経て東方へと伝わった東洋系の2種類に分類できる。東洋系は細長く、西洋系は太く短いが、ともに古くから薬や食用としての栽培が行われてきた。日本への伝来は16世紀で、この頃は葉も根と同様に食用としていたが、明治時代以降では一般に根のみを食べるようになった。現在でも地域によっては、間引きのため抜去された株が葉を食べる商品として出荷されることがある。日本で江戸時代に栽培されていた品種は東洋系が主流だったが、栽培の難しさから生産量が減少し、西洋系品種が主流になっている。 なお、一般に薬草として用いられているオタネニンジンはウコギ科の植物であり、植物分類学上ニンジンとは異なる植物である。ピーマンは、日本の店頭で食用として販売されるものは、明治初頭にアメリカから伝わったイスパニア種を品種改良した中形で緑色のものが多いが、近年はカラーピーマンも出回っている。緑色は未成熟の果実のためであり、成熟すると一般的なものは赤色のほか黄色、橙色に変わるものもある。北米では大形の成熟した様々な色のものが流通する。その他に、未成熟で白色や、黒色、紫色のものもある。加熱すると緑色に変化し、熟すると橙色、赤色に変わる。サツマイモは、花はピンク色でアサガオに似るが、鈍感な短日性であるため本州などの温帯地域では開花しにくく、品種や栽培条件によってまれに開花する程度である。また、花の数が少なく受粉しにくい上に、受粉後の寒さで枯れてしまうことが多いため、品種改良では種子を効率よく採るためにアサガオなど数種類の近縁植物に接木して、台木から送られる養分や植物ホルモン等の働きによって開花を促進する技術が使われる。1955年に西山市三がメキシコで祖先に当たる二倍体の野生種を見つけ、イポメア・トリフィーダと名付けた。後に他の学者達によって中南米が原産地とされた。若い葉と茎を利用する専用の品種もあり、主食や野菜として食用にされる。原産地は南アメリカ大陸、ペルー熱帯地方とされる。大航海時代にイタリアのクリストファー・コロンブスが1498年にベネズエラを訪れて以降、1519年にはポルトガルのフェルディナンド・マゼランがスペイン船隊を率いて南端のマゼラン海峡を発見し、16世紀に頻繁に南アメリカ大陸にやってきたスペイン人あるいはポルトガル人により東南アジアに導入された。ルソン島から中国を経て1597年に宮古島へ伝わり、17世紀の初め頃に琉球、九州、その後は八丈島、本州と伝わった。アジアにおいては外来植物である。中国から伝来した由来により、特に九州では唐芋とも呼ばれる場合が多い。ニュージーランドへは10世紀頃に伝播し、「クマラ」の名称で広く消費されている。西洋人の来航前に既にポリネシア域内では広く栽培されていたため、古代ポリネシア人は南米までの航海を行っていたのではないかと推測されている。イギリスではエリザベス朝の頃に、その甘さから好意的に受け入れられた。イギリス人はこの芋をペルーでの塊茎を意味する言葉 batata から patate と呼んだ。18世紀末に甘くないジャガイモが一般化するにつれ、サツマイモはsweet potatoと呼ばれるようになった。栗は、落葉性高木で、高さ17m、幹の直径は80cm、あるいはそれ以上になる。樹皮は灰色で厚く、縦に深い裂け目を生じる。葉は長楕円形か長楕円状披針形、やや薄くてぱりぱりしている。表はつやがあり、裏はやや色が薄い。周囲には鋭く突き出した小さな鋸歯が並ぶ。雌雄異花で、いずれも5月から6月に開花する。雄花は穂状で斜めに立ち上がり、全体にクリーム色を帯びた白で、個々の花は小さいものの、白い花穂が束になって咲くので葉の緑を背景によく目立つ。香りも強く、当たり一帯に漂う。非常によく昆虫が集まる。ブナ科植物は風媒花で花が地味のものが多いが、クリやシイは虫媒花となっている。一般に雌花は3個の子房を含み、受精した子房のみが肥大して果実となり、不受精のものはしいなとなる。9月から10月頃に実が成熟すると自然にいがのある殻斗が裂開して中から堅い果実が1 - 3個ずつ現れる。果実は単に「クリ(栗)」、または「クリノミ」と呼ばれ、普通は他のブナ科植物の果実であるドングリとは区別される。また、毬状の殻斗に包まれていることからこの状態が毬果と呼ばれることもあるが、中にあるクリノミ自体が種子ではなく果実であるため誤りである。
「キノコ料理もありますよ」
さらに、シイタケやマツタケといったキノコ料理も並んでいる。説明しよう。シイタケは日本、中国、韓国などで食用に栽培されるほか、東南アジアの高山帯や、ニュージーランドにも分布する。日本においては従来精進料理に欠かせないものであり、食卓に上る機会も多く、また旨み成分がダシともなるため、数あるキノコの中でも知名度、人気ともに高いものの一つである。英語でもそのままshiitakeで、フランス語ではle shiitakeで受け入れられている。マツタケは、その子実体はマツタケオールによる独特の強い香りを持ち、日本においては食用キノコの最高級品に位置付けられている。発生時期には地域差があり、高緯度の冷涼な地域での発生は、8月末頃から始まり九州などの比較的温暖な地域では、11月末頃まで発生する。梅雨頃に生える季節外れのマツタケはサマツとも呼ばれ共に食用にされる。なお、マツタケの仲間にはよく似たキノコが多数確認されている。
「デザートもいっぱいかるから、食べてね」
そして、もも、りんご、オレンジ、ブドウ、バナナを使ったスイーツまで。説明しよう。ブドウは、葉は両側に切れ込みのある15 - 20センチメートルほどの大きさで、穂状の花をつける。野生種は雌雄異株であるが、栽培ブドウは1つの花に雄しべと雌しべがあり、自家受粉する自家結実性であるため、他の木がなくとも1本で実をつける。果実は果柄を通じて房状になり、果皮は緑色または濃紫色で、内部は淡緑色である。主に熟した果実を食用とするが、果実は子房が肥大化した、いわゆる真果である。外果皮が果皮となり、中果皮と内果皮は果肉となる。果実のタイプとしては漿果に属する。大きさは2 - 8センチメートル程度の物が一般的である。ブドウの果実は枝に近い部分から熟していくため、房の上の部分ほど甘みが強くなり、房の下に行くに従い甘味も弱くなる。皮の紫色は主にアントシアニンによるものである。甘味成分としてはブドウ糖と果糖がほぼ等量含まれている。また、酸味成分として酒石酸とリンゴ酸が、これもほぼ等量含まれる。ブドウ属の植物は数十種あり、北アメリカ、東アジアに多く、インド、中東、南アフリカにも自生種がある。日本の山野に分布する、ヤマブドウ、エビヅル、サンカクヅルもブドウ属の植物である。現在、ワイン用、干しぶどう用または生食用に栽培されているブドウは、ペルシアやカフカスが原産のヴィニフェラ種と、北アメリカ原産のラブルスカ種である。栽培されるブドウには生食用ブドウと加工用ブドウがあり、加工用品種は醸造・干しブドウ・ジュースなどに利用される。生食用はテーブルグレープ、酒造用はワイングレープと呼ばれている。
「それじゃあ、いただきます!」
「いただきます」
「どうぞ、召し上がれ」
つぼみたちは、農作物を使った料理に舌鼓するのであった。




