第28話 開いて!心の扉
プリンセスドールズとチララが横中プリンセスガーデンの穴の中に入った先には、荒れ果ててしまった場所が広がっていた。
「あれは…もしかして…?」
「かつて花の城があった場所だ。ここは、おとぎの世界の人々に育てられたたくさんの花で鮮やかに彩られていた。だけれども、今は闇の力によって支配されている」
「みんなで取り戻さなくちゃ」
プリンセスドールズが決意を語っていると、
「何かが現れた!」
突如として、魔獣らしきモンスターがアクシアとともに現れた。
「花園の魔獣ちゃん、やっておしまい!」
説明しよう。魔女というモンスターは、ネメシス財団が生み出してきた魔獣よりも強力なエネルギーを持っている。
「この魔女を倒さない限り、プリンセスハートは渡さないでざます!」
魔女は茨やつたを使って、プリンセスドールズに襲いかかる。
「どうしよう…」
「このままでは…」
「世界に花が咲かなくなってしまう!」
魔女に悪戦苦闘するプリンセスドールズ。
しかし、
「ねえ、見て!」
その時だった。ミラクルレインボーが持っていたアレキサンドライトのマジカルストーンが虹色に光りだした。
「ミラクルレインボー、キミこそ正真正銘の未来の光の女神だ!今すぐこれをピュアロイヤルメイクドレッサーに利用するんだ!」
「うん!」
チララからの助言を受けたミラクルレインボーは、アレキサンドライトのマジカルストーンをピュアロイヤルメイクドレッサーにセットする。
「ピュアロイヤルメイクドレッサー、ハートフル・スイート・チャージ!」
すると、プリンセスドールズの周りが光輝き、
「暗くて深い 闇の向こうに」
「一人さびしく たたずんでいた」
「だけどもう 怖がらないで」
「それは迷いを 断ち切ったしるし」
「春風に向かって 旅立っていく」
「さあ 夢の扉を開こう」
「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」
「愛を守るため みんなを守るために」
「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」
「あなたのそばにいる それがプリンセスなんだから」
「砂漠の街に 住んでいても」
「氷で覆われた 場所にいても」
「心はいつだって 一つだから」
「それは つながっているしるし」
「桜が舞う空 勇気を出して」
「さあ 一歩前へと踏み出そう」
「輝く今へと響く みんながつなぐメロディ」
「世界を守るため 宇宙を守るために」
「きらめく夢を目指して 一つになったハーモニー」
「みんなのためにいる それがプリンセスなんだから」
「人はみんなときめいている」
「だから ずっと忘れないで」
「心の輝きを信じて」
「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」
「愛を守るため みんなを守るために」
「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」
「あなたのそばにいる」
「みんなのためにいる」
「それがプリンセスなんだから」
プリンセスハーモニーを歌い終えた途端、
「ロイヤルドレス・ハートフルフォーム、ここにて見参!」
シャイニングフォームからハートフルフォームにフォームチェンジしたプリンセスドールズが現れた。
「今こそ、みんなの力を一つにするとき」
プリンセスドールズは、ピュアロイヤルメイクドレッサーのタッチペンから変化したマイクを手に取り、ミラクルハープアローをハープ状に構えると、
「プリンセスステージ、ライブスタート!」
ピュアロイヤルメイクドレッサーでロイヤルドレスアップしたプリンセスドールズによる魔女の浄化がはじまった。
「どうして」
「夢の終わりを祈るのは」
「荒れた大地にも」
「光は射すのに」
「白き光と」
「黒い暗闇」
「輝きは世界に」
「満ち溢れるのに」
「間違ったことを終わらせて」
「愛の意味と希望を」
「私に」
「新しい夢を描こう」
「君と一緒に」
「虹色の光を授けて」
「優しく 安らかに」
「生きたいという希望がある」
「さあ」
「心のメロディー」
「最後の歌を今」
「強き者だけの」
「世の中じゃないから」
「Brand New World」
「愛のメッセージ」
「今こそ、力を一つにするとき!プリンセス・ハートフル・シンフォニー!」
プリンセスドールズが反時計回りにぐるぐる回ってフォーメーションを形成して、魔女にマイクを向ける。すると、プリンセスドールズが、
「アンコールはお断り」
と言って、魔女は光でできた立方体に包まれる。その輝きで魔女は消えていった。
「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」
プリンセスドールズが勝利宣言をすると、
「プリンセスドールズ、覚えておくでざます!」
アクシアはこう嘆いてどこかへと去っていった。
すると、
「これは…。花のプリンセスハート!ピンクに輝くプリンセスハートだ!」
チララはプリンセスハートの回収に成功する。
「さあ、今こそ、心の扉を!」
「開け、花の城!」
つぼみとチララが呪文を唱えると、花の城が闇の力から解放された。
「すごく暖かい!」
「気持ちいい雰囲気!」
「たんぽぽやパンジーも咲いている!」
「一年中春の世界だからね」
説明しよう。たんぽぽは、属名のタラクサクム属は、ギリシャ語を起源とする「苦痛を癒やす」という意味に基づく。別説には、アラビア語で「苦い草」に基づくともいわれている。和名「タンポポ」の由来は諸説ある。花後の姿が綿球のタンポに似ているので、「タンポ穂」とよばれたとする説である。花茎を切り出して、その両側を細く切り裂いて水に浸けると反り返り、鼓の形になるので、タン・ポン・ポンという音の連想からという説である。タンポポが鼓を意味する小児語であったことから、江戸時代にツヅミグサと呼ばれていたものが、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったとする説がある。日本語では古くはフヂナ、タナと呼ばれていた。地方によっては、ツヅミグサ、フチナなどの方言名がある。英語名のダンディライオンは、フランス語で「ライオンの歯」を意味するダン=ド=リオンに由来し、これはギザギザした葉がライオンの牙を連想させることによる。また綿毛の球状の部分を指し、崩れるように散っていく様から、英名ブローボールスともいう。現代のフランス語ではピサンリというが、piss-en-litで「ベッドの中のおしっこ」という意味である。これはタンポポに利尿作用があると考えられているためである。中国の「蒲公英」は、モウコタンポポである。パンジーは、スミレもしくはサンシキスミレから分化したものと考えられ、サンシキスミレの亜種 Viola tricolor hortensis とされることがある。しかし、園芸上用いられる変種は交雑と交配が進んだものであり、学名を Viola × wittrockiana としてあらわしている。「パンジー」という名前は、このパンジーの他にもこれに似ている野生のスミレ属の花を指すときにも使われている。ただし、ヨーロッパではハーツィーズと呼ばれる事もある。また、ハエドクソウ科ミゾホオズキ属のパンジーモンキーフラワーのように、全く関係のない植物も花の形や花弁の模様が似ているためパンジーと呼ばれることもある。小型のパンジーをビオラということもあるが、学名の「ビオラ」はスミレ属のことである。
つぼみたちに向けて、チララは花の城について解説をする。
その時、花の城のプリンセスが現れた。
「この世界を救ってくれて、ありがとうございます。お礼として、フラワーカーニバルを開きましょう」
「はい!」
「分かりました」
花の城のプリンセスは、城の復興を記念してフラワーカーニバルを急きょ開催することに。
「菊やダリア、ガーベラも満開です」
「水仙や菜の花も!」
「あじさい、桃の花や梅の花まで!」
説明しよう。菊は、キク科キク属の植物である。秋に咲く花であるが、短日性植物で、電照などを用いた作型の分化により、周年供給されている。食用にする「もってのほか」などの品種もある。花言葉は「高貴」である。観賞園芸的には和菊、生産園芸的には洋菊が中心に栽培されている。また、切花としては温室での電照栽培で周年出荷されている。バラ、カーネーションとともに生産高の多い花卉となっている。日本において菊は、元々は外来種であり、薬草や観賞用植物として中国から伝来した。平安時代に用いられ始めて、宮中では菊の節句とも呼ばれる重陽の節句が明治時代まで行われ、現在でも皇室園遊会として行われている。日本で菊の栽培が盛んになったのは、栽培のプロセスが冬に芽をとり、春に植え、夏に成長させ、秋に観賞するといった具合で、イネの栽培と類似していることが影響しているとの説もある。現在では各地に愛好会ができる一方で、秋には、それらが主催の品評会が開かれている。物品への意匠として用いられることも多く、鎌倉時代に後鳥羽上皇が身の回りのものに施したことにより天皇及び皇室の紋となったといわれ、鎌倉時代には蒔絵や衣装の文様として流行した。日本の南北朝時代以降には天皇より下賜されることにより公家や武家の間で家紋として使用されるようになった。江戸時代には品種改良が行われた。世界的には、フランス、ポーランド、クロアチア等の一部のヨーロッパ諸国において白菊が墓参に用いられ、中国、韓国でも葬儀の際に菊が用いられることが多い。日本でも古くから仏花や献花として菊が使用されてきた。キクの花弁が放射状に並んだ形状に由来する慣習的な呼び名があり、アンモナイトの化石を「菊石」と呼ぶほか、また陶芸やそば打ちでの材料の練り方に「菊練り」がある。ガーベラは、温帯な地域及び、熱帯アジアやアフリカなどに分布し、野生で約40種が存在する。花のもちが良く、フラワーアレンジメントでも比較的多く用いられる。花色はピンク、赤、白、黄色、緑、オレンジなど豊富にある。水仙は、多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせるものが多い。草丈は、品種・環境によるが、15 - 50cm程度である。茎は、黒い外皮に包まれた鱗茎の内部にある。そのため切断しない限り人の目に触れることはない。葉身は、若干厚みがあり扁平で細長く、つや消しのような表面をしている。葉の間からつぼみをつけた花茎が伸び、伸びきるとつぼみが横向きになり、成熟するとつぼみを覆っていた包を破って花が開く。典型的なスイセンの花の場合、雌蕊は1本、雄蕊は6本である。6枚に分かれた花びらと、中心に筒状の花びらを持つが、6枚に分かれている花びらのうち、外側3枚は萼であり、内側3枚のみが花弁である。二つをあわせて花被片と呼ぶ。一方、中心にある筒状の部分は副花冠という。花被片・副花冠の形状と花の着き方により、品種を区分する。あじさいは、6月から7月にかけて開花し、白、青、紫または赤色の萼が大きく発達した装飾花をもつ。ガクアジサイではこれが花序の周辺部を縁取るように並び、園芸では「額咲き」と呼ばれる。ガクアジサイから変化し、花序が球形ですべて装飾花となったアジサイは、「手まり咲き」と呼ばれる。日本、ヨーロッパ、アメリカなどで観賞用に広く栽培され、多くの品種が作り出されている。原産地は日本で、ヨーロッパで品種改良されたものはセイヨウアジサイと呼ばれる。なお、後述の通り本種は有毒植物であるため、園芸や切り花として利用する際には取り扱いに注意が必要である。花言葉は「辛抱強い愛情」「一家団欒」「家族の結びつき」など。モモは、3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつける。「桃の花」は春の季語。桃が咲き始める時期は七十二候において、中国では桃始華、日本は桃始笑と呼ばれ、それぞれ啓蟄の初候、次候に当たる。淡い紅色であるものが多いが、白色から濃紅色まで様々な色のものがある。五弁または多重弁で、多くのおしべを持つ。花柄は非常に短く、枝に直接着生しているように見える。観賞用の品種は源平桃・枝垂れ桃など。庭木として、あるいは華道で切り花として用いられる。梅は、バラ科サクラ属の落葉高木、またはその果実のこと。花芽はモモと異なり、一節につき1個となるため、モモに比べ、開花時の華やかな印象は薄い。毎年2月から4月に5枚の花弁のある1センチメートルから3センチメートルほどの花を葉に先立って咲かせる。花の色は白、またはピンクから赤である。葉は互生で先がとがった卵形で、周囲が鋸歯状。樹木全体と花は主に鑑賞用、実は食用とされ、枝や樹皮は染色に使われる。
つぼみたちは、花の城の伝統行事であるフラワーカーニバルを満喫するのであった。
一方その頃、怪盗トリオのメンバーだったデルタが、
「ついに来たぜ!闇の国が!」
とアクシアの居場所を突き止めるのであった。




