第27話 探せ!プリンセスハート
いよいよ今回から第二章突入!
東京でオリンピックとパラリンピックが開催されて無事に幕を閉じ、夏休みが終わり、いよいよ二学期に突入した。
「みなさんにとって夏休みは、どのようなものでしたか。充実した40日間を過ごすことはできたでしょうか。みなさんが過ごした休み期間中の経験が、今日から始まる2学期、そして、これからの人生にも役立つことでしょう。2学期は一番長い学期です。それだけに計画を立て、目標に向かって邁進できると思います。1年生のみなさん、新しい教科でわからないところが出来てしまった人は、先生にどんどん質問して、それを克服してください。3年生は進学や就職など、将来のことを考えなくてはなりません。そのための準備や心構えも必要です。先生やご家族の方とも、よく相談してください。2年生は中だるみにならないよう、幅広い学習を心掛けましょう。まだまだ暑い日が続きますが、体調を崩さないようにして下さい。2学期には文化祭という大きな行事があります。日々新たな思いで、夏休み気分を払拭し、一致団結して頑張って下さい」
つぼみたちは、ポートフロンティア学園の二学期始業式を終えた後、プラチナの家に向かった。
「おじゃまします」
「いらっしゃい。どうぞ、こちらへ」
中に入ると、そこには見慣れないネコが二匹いる。
「紹介しよう。おとぎの世界からやってきたバニラとココアだ」
「よろしく」
「どうも」
その正体は、おとぎの世界から横中にやってきたバニラとココアだった。説明しよう。クリーム色のネコがバニラで、チョコレート色のネコがココアである。
「こんにちは」
「こちらこそ」
チララは、バニラとココアにあいさつをした。実は、チララとバニラとココアは、昔から面識があるのだ。
「どうしてここに来たの?」
つぼみは、バニラとココアになぜおとぎの世界から人間界に来たのかを尋ねる。すると、
「来年の春、おとぎの世界で大事な儀式が開かれるからだよ。来年は、五年に一度だけおとぎの世界の儀式がある年だからね」
「儀式の成功を収めるには、プリンセスドールズの協力が欠かせないんだよ」
バニラとココアは、こうフィードバックした。
それから、バニラとココアはつぼみたちにこう説明する。
「でもその前に、キミたちにやらなければならないことがあるんだ。それは、プリンセスハートを集めることだよ。これは、世界の輝きを取り戻すために必要だからね」
「そもそも、プリンセスハートって、何?」
「プリンセスとしての心そのもの。おとぎの世界では今、女王さまがいるプリズムパレス以外の城が闇の力によって支配されている。しかも、ネメシス財団が築き上げてきたイノセントワールドはまだまだ続いている。マジカルストーンがすべてそろったとしても、日本とおとぎの世界以外の輝きはまだ失われたままだよ」
バニラとココアは、つぼみたちに理解を示したうえで、
「闇の力の野望を食い止めることができるのは、プリンセスドールズしかいない」
「ここからが、本当の戦いなんだよ」
と強調した。
その時、
「ゴゴゴゴゴゴゴ…」
「緊急地震速報です。強い揺れに警戒して下さい」
と地震が発生した。
「みんな、隠れて!」
「うん!」
つぼみたちが机の下に隠れると、そこに、
「ざます、ざます…」
と謎の魔女が現れた。
「おやまあ、何て可愛らしい少女たちなんでしょう。しかも、プリンセスドールズという組織でざますか?」
「そうだけれど…」
「なら、わたくしの名前を申し上げるのでざます。わたくしは、アクシアでざます。闇の力によって支配された女王でございます」
その正体は、人間界から遠く離れた闇の王国の女王であるアクシアだった。
すると、
「ざます、ざます…。たあー!!!」
アクシアは、謎の呪文を唱えた。
「せいぜい覚悟するのでざます。それでは、さようでございます」
アクシアはつぼみたちの元からどこかへと去っていった。
「あの闇の力の女王、ネメシス財団よりも強そう…」
つぼみは、不安を感じつつ新たなる戦いを覚悟した。
その時、
「大変だ!」
と突然チララが現れた。
「世界中で咲いている花が枯れてしまっている!今すぐ横中プリンセスガーデンに急いでくれ!」
「うん!」
つぼみたちは、横中プリンセスガーデンへと急行する。
そこにたどり着くと、赤・白・黄色に青・ピンクといった色とりどりのバラが咲いていた。説明しよう。バラ属の成形は、灌木、低木、または木本性のつる植物で、葉や茎に棘を持つものが多い。葉は1回奇数羽状複葉である。花は5枚の花びらと多数の雄蘂を持つ。北半球の温帯域に広く自生しているが、チベット周辺、中国の雲南省からミャンマーにかけて、主産地でここから中近東、ヨーロッパへ、また極東から北アメリカへと伝播した。南半球にはバラは自生しない。
「ここは、なぜか花が咲いている!」
「その理由は、アクシアの影響を受けないからだ」
つぼみたちにチララが横中プリンセスガーデンになぜ花が咲き続けているかについて語ると、
「みんな、あれを見てくれ」
つぼみたちを大きな花壇の前に案内したチララは、つぼみたちにあるものを見せる。
「人間界からおとぎの世界へと通じるワープホールだ。その向こうに何があるかわからないけれど、とにかく入ってくれ!」
説明しよう。アクシアの力によって、人間界とおとぎの世界がつながる穴が世界中にできてしまったのだ。
「さあ、行くよ!」
「うん!」
つぼみ、沙奈、アリスはプリンセスミラーで、蘭はプリンセスムーンスターで、琴音はエースミュージックポッドで、カレンはミラクルポルテパレットで、ドールプリンセスに変身する。
「カラフル・ワンダー・ユニバース!ドレスアップ!」
虹色の光がカレンを包む。
「虹の光のプリンセス・ミラクルレインボー、見参!」
そして、ミラクルレインボーが、
「ピュアロイヤルメイクドレッサー、ワンダフルチャージ!」
を唱え、ピュアロイヤルメイクドレッサーに向けてミラクルハープアローの矢を放つ。
「友情!」
「勇気!」
「知性!」
「美しさ!」
「プリンセス・ワンダフル・マジカル!ロイヤルドレスアップ!」
金と銀の光がつぼみたちを包む。
「ロイヤルドレス・シャイニングフォーム、ここにて見参!」
「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」
ロイヤルドレスアップされたプリンセスドールズが現れると、
「さあ、行こう!」
「うん!」
プリンセスドールズとチララは穴の中に潜入するのであった。
一方その頃、晴斗とプラチナは、プラチナの家にいる。
「オランダのチューリップやハワイのハイビスカスまで、すべて枯れてしまっている!」
「ひまわりや、今見ごろを迎えているコスモスも!」
説明しよう。チューリップには後述のチューリップ相場に代表されるように多様な園芸品種が存在する。外観は、花弁の先端が丸いもの・尖ったもの・フリル状のものもある。咲き方は一重から八重で、一つの球根から複数の花がつくもの、すぼまった状態で開花するものや花弁が外側へ反り返り全開して開花するものなどである。花色も青以外の赤・黄・オレンジ・白・緑・紫などの単色や複数の色のものなど、数百品種のチューリップが存在する。青バラと同様に多くの育種家によって青いチューリップの開発が進められているが、花弁全体が青い品種は発表されていない。チューリップの花を上から覗くと、花弁の根元に青い部分が存在する。その部分には青い色素が見られ、その青い部分を増やすことで青いチューリップを作る研究がされている。大きな球根を採取する場合は開花から約2日後に花部を切断する。また、深く植えつけると分球が少なくなるがその分、肥大は良くなる。繁殖は主に分球で、実生からは開花までに5年以上かかる。他のユリ科の植物と同様、両性花であり、雌雄異熟によって自家受粉を防いでいる。実生は品種改良の際に行われる。人気のある花だけに花形・花色、草姿、葉の模様、ブルームの有無、香り、早晩性、耐暑性・耐湿性、多花性、繁殖力、切花では切花寿命や無花粉化、花茎の硬さなど改良されるべき性質が多く、特に日本の高温多湿に強い品種が望まれる。ただし、野生種をはじめ交配に使える素材も多いため、時間は掛かるが品種改良は比較的容易である。開花前に裁縫に用いる針等を用いてチューリップの花の根元部分を貫通させ傷つけるとエチレンが発生し、開花期間を長引かせることができ、開花後に同様のことを行うと開花期間が短縮することがチューリップのみで確認されている。コスモスは、一年生の草本である。茎は高さ2-3mになり、よく枝を出す。葉は対生で二回羽状複葉である。細かく裂け、小葉はほぼ糸状になる。頭花は径6-10cm、周囲の舌状花は白から淡紅色または濃紅色である。中央の筒状花は黄色で、葯は黄褐色である。通常は、舌状花は8個である。開花期は秋で、短日植物の代表としても知られる。秋に桃色・白・赤などの花を咲かせる。花は本来一重咲きだが、舌状花が丸まったものや、八重咲きなどの品種が作り出されている。本来は短日植物だが、6月から咲く早生品種もある。ひまわりは、原産地は北アメリカである。高さ3mくらいまで生長し、夏から秋にかなり大きな黄色の花を咲かせる。また、ヒマワリの花の色の濃い部分はやや赤みがかった黄色をしている。花弁は大きな1つの花のように見えるが、実際は頭状花序と呼ばれ、多数の花が集まって1つの花の形を形成している。これは、キク科の植物に見られる特徴である。外輪に黄色い花びらをつけた花を「舌状花」、内側の花びらがない花を「筒状花」と区別して呼ぶ場合がある。和名の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことから。ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけである。若いヒマワリの茎の上部の葉は太陽に正対になるように動き、朝には東を向いていたのが夕方には西を向く。日没後はまもなく起きあがり、夜明け前にはふたたび東に向く。この運動はつぼみを付ける頃まで続くが、つぼみが大きくなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなる。その過程で日中の西への動きがだんだん小さくなるにもかかわらず夜間に東へ戻る動きは変わらないため、完全に開いた花は基本的に東を向いたままほとんど動かない。なお、これは茎頂に一つだけ花をつける品種が遮るもののない日光を受けた場合のことであり、多数の花をつけるものや日光を遮るものがある場所では必ずしもこうはならない。種は長卵形でやや平たい。種皮色は油料用品種が黒色であり、食用や観賞用品種には長軸方向に黒と白の縞模様がある。
晴斗とプラチナは、世界中の花が枯れかけている現状に危機感を露にしつつ、
「プリンセスハートがあれば、なんとかできるはず」
「それをプリンセスドールズが手にすることを祈ろう」
と、期待するのであった。




