第25話 マジカルストーンの魔法~パール編~
横中プリンセスガーデンでは、カレンも加わってつぼみと晴斗のティーパーティーが続いている。
「ラブリーピンクが春なのであるならば、アクアブルーのモチーフは?」
「夏!」
「あたり!」
説明しよう。日本における「夏」の定義は、中国暦の「夏」の定義の強い影響を受けた上、近代においてグレゴリオ暦に付随する欧米の文化的影響も受けて複雑な様相を呈している。 中国暦以外の暦法を知らなかった前近代の時期には、中国暦の「夏」の定義を日本人もそのまま受け入れざるを得なかった。しかし、海洋性気候であり、肝心の夏至の時期には梅雨により日射が遮られる日本では、前述の昼間の長さと気温のズレは中国より著しく大きくなる。日本列島においては、気温のピークは立秋の時期にずれこむため、気温がピークになる頃には、夏が終わって秋が始まってしまっているという現象が生じることになる。このギャップが、現在でも「暦の上では…夏ですが…」というフレーズが天気予報などで頻繁に用いられる原因となっている。近代に入り、グレゴリオ暦を採用してからは、この矛盾からは建前上は解放された。しかし、日本人は曲がりなりにも中国暦の定義に千年以上馴染んできたため、欧米型の定義では季節の到来があまりにも遅すぎ、日本においては、6月・7月・8月の3か月を夏であるとすることが一般的である。日本においては気象学においても、この独自の定義が用いられている。 気象庁では最高気温が25℃以上の日を夏日、30℃以上の日を真夏日と呼んでいる。気象庁は地球温暖化やヒートアイランドなどの影響で最高気温が35℃以上になる日が増えているという背景から、2007年より新たに35℃以上の日を猛暑日という呼称を使う事に決めた。比較的寒冷である北海道・東北北部以外では、このような日は毎年7・8月を中心に6月から9月頃にかけて生じるため、この時期のあたりが夏の範囲に入ることになろう。つぼみがカレンにクイズを出すと、
「さて、話の続きでもしようか」
つぼみたちは、プリンセスドールズとマジカルストーンの話を続ける。
アリスが変身するシトラスイエロー。花の力を持つイエローのプリンセスジュエルのドールプリンセスである。説明しよう。黄色とは、基本色名の一つであり、色の三原色の一つである。ヒマワリの花弁のような色。英語では yellow と言う。暖色の一つ。波長 570〜585 nm の単色光は黄色であり、長波長側は橙色に、短波長側は黄緑色に近付く。RGBで示すと赤と緑の中間の色である。黄は同義語である。現代日本語では一般に「黄色」、「黄色い」と呼ぶ。これは小学校学習指導要領で使われ、母語として最初に学ぶ色名の一つである。しかし JIS 基本色名やマンセル色体系における公式名称は一般に黄色ではなく黄である。複合語内の形態素としては、黄緑、黄身、黄信号など、「黄」が少なくない。
シトリンのマジカルストーンでは、オレンジ色の花を咲かせる。説明しよう。オレンジは、原産地はインドのアッサム地方。日本に導入されたのは明治時代。現在の主産地はアメリカ、ブラジル、スペイン、イタリア、メキシコなど。日本での栽培はネーブルオレンジを除いてそれほど多くなく、国内流通品の大部分はアメリカのカリフォルニア産である。ネーブルオレンジは広島県、和歌山県、静岡県などで年間6,000トン前後生産されている。果皮、果肉共にオレンジ色で多汁質である。適度な甘味・酸味をもち、香り高い。生食用のほか、ジュースの原料として利用され、またカモなどの肉の料理にソースとして用いられる。なお果皮はオレンジピールやキュラソーの原料としても使われる。中東では、花弁を蒸留して得られる液体「オレンジフラワーウォーター」を菓子や飲み物の香りづけに用いる。果皮と袋が密着して離れにくいのが特徴である。
「花が咲いて 鳥も鳴いたら」
「あたたかな季節がはじまる」
「たんぽぽの綿毛が」
「飛んでいかないうちに」
「風が吹いて 月も光ると」
「一日の終わり」
「光に照らされていく」
「黄色の菊が」
「はちみつ色の日々」
「私の人生は」
「甘くてほんのり」
「味を感じるの」
「Honey Days」
「It’s a Wonderful Life」
「花が咲く 太陽浴びて」
「新しい日 始まる」
「東に差し込んでくる」
「希望の光」
「はちみつ色の日々」
「今の気持ち」
「なんてハニカムなんだろう」
「はちみつ色の日々」
「私の人生は」
「甘くてほんのり」
「味を感じるの」
「Honey Days」
「It’s a Wonderful Life」
トパーズのマジカルストーンでは、レモン色の花を咲かせる。説明しよう。トパーズとは、語源ははっきりしておらず、ギリシャ語で『探し求める』を意味する『topazos』からという文献もあれば、サンスクリット語で『火』を意味する『tapas』からという文献もある。産出地である紅海の島の周辺が霧深く、島を探すのが困難だったからとされる。但し、古くは、トパゾスはペリドットを意味し、『ペリドット』と現在のトパーズが混同されていた。フッ素やアルミニウムを含み、様々な色を呈するが、宝石としては淡褐色のものが上質とされる。加熱や放射線照射などで色が変わる。結晶の上下方向に劈開性があり、強い衝撃を与えると内部亀裂が発生することがある。屈折率は 1.619 - 1.627。11月の誕生石である。石言葉は「誠実・友情・潔白」など。レモンとは、原産地はヒマラヤ東部である。樹高は3mほどになる。枝には棘がある。葉には厚みがあり菱形、もしくは楕円形で縁は鋸歯状。紫色の蕾を付け、白ないしピンクで強い香りのする5花弁の花を咲かせる。果実は開花後約半年で成熟。果実は紡錘形で、先端に乳頭と呼ばれる突起がある。最初は緑色をしているが、熟すと黄色になり、ライムにもよく似ている。果実のじょうのうは硬めで10部屋程度に分かれている。レモンと名は付いていても他の柑橘類と交雑した品種では栽培環境で果実の形が変わり易く球形に近いものや、熟すと赤みを帯びた黄色になるものもある。
「人生は一度きり」
「得意なことより」
「好きなことがいい」
「だけど」
「遊びもいいけど」
「学びもきちんとね」
「時にはきっと苦しい」
「命って尊い」
「すべてを受け止めて」
「歩みを止めない」
「そう 人生は一筆書き」
「真っ白なキャンバスに」
「どんなふうに描こうかな」
「パパとママと先生も」
「おじいちゃんおばあちゃんも」
「そして 子供たちも」
「みんな同じ」
「世界の中に」
「暮らしているよ」
「個性を生かしながら…」
「人生は一度きり」
「空はいつもお見通し」
「人生は一方通行」
「みんな One Chance」
「生かして One Chance」
「乙女の勇気!ハニー・フローラル・セラピー!」
シトラスイエローの魔法は、人々の心を明るくさせるという力を持っているにとどまらず傷を癒す効果もあるという。
「カレン、そういえば、ダークミラージュって知っている?」
「知らないよ」
「蘭がネメシス財団によって操られていた姿なんだよ」
つぼみは、カレンにダークミラージュについて語る。
「さて、次はトウィンクルパープルについて語ろうか」
今度は、ダークミラージュが転生した姿であるトウィンクルパープルについて語る。
トウィンクルパープルは、星と月の力を持つパープル&シルバーのドールプリンセスである。説明しよう。紫は、純色の一種。青と赤の間色であり、典型的な紫は菫よりやや赤寄り。紫色は同義語。英語ではパープルといい、菫色、バイオレットを紫に含む場合もある。古英語ではパーピュアといい、紋章学で用いる。虹の七色のうち、光の波長が最も短い。これより波長が短いものを紫外線という。銀色とは、白色ないし明るい灰色で金属光沢を持つ、物体表面の光学的状態である。英語ではシルバーと訳す。色としては白や灰色だが、金属光沢、つまり、強い指向性を持つことで銀色となる。ただし、完全な指向性を持てばそれは鏡面となる。色だけの性質ではないので、色空間や表色系だけで完全に表すことはできないが、HTMLで用いられるウェブカラーにおいて"silver"は#C0C0C0として定義されており、これは明るい灰色である。一方、実際の金属銀の可視光線反射率は98%で、太陽光や蛍光灯などを当てればほぼ白を呈する。JIS慣用色名としても定義されている。右図では、金属光沢をグラデーションでイメージしている。近似色は白および灰色である。
アメジストのマジカルストーンでは、菫色の星を放つ。説明しよう。アメジストの硬度は7。比重は2.65。組成は SiO2。素焼きの陶板にこすりつけると白い条痕が残る。ハンマーなどで割ると貝殻状の断口が残る。光沢はガラス光沢で、色は淡いライラック色から、濃紫色まで幅広い色合いがある。紫外線に曝露すると退色する。照射する光のスペクトル組成によって、見た目の色を大きく変化させる紫水晶は、「カラーチェンジアメシスト」もしくは「カラーチェンジタイプアメシスト」と称されている。 また、加熱すると色の変色が起こり、宝石名としてはシトリンとなる。菫色は、スミレは日本で古くから親しまれていた花である。『万葉集』では菫摘みを詠った短歌などが収められている。いつごろから色名として使われるようになったかは定かではないが、少なくとも平安時代には、装束の重の色目として「菫菜」と「壷菫」というのがあった。菫菜は表が紫で裏が薄紫、壷菫は表が紫、裏が薄めの青となるような衣装の生地の配色であり、重色目のように紫の配色のたとえとして菫の名が出されたことは 確かである。菫色という言葉が盛んに使われるようになったのは近代以降である。欧文における菫色の訳語として使われるようになった。一方、西洋における「バイオレット」は、やや赤みを帯びた紫に対して、青みを帯びた紫として使われることが多い。もともと古代ローマでは、赤みのかった紫をラテン語"purpura"、赤と青ほぼ等分のものを"viola"、青みがかった色を"hyacinthus"といった。そのうちhyacinthusは紫をあらわす一般的な色名としては使われなくなり、特にpurpuraの染色が貴重なものであったため、purpuraの方が紫の代表名となり、英語ではこれが語源のpurpleが標準色名となった。そしてviolaの方は青みの紫を示すものとして使われ、英語では語形変化してvioletとして使われている。なお、虹の7色のうち最短波長の色である紫は、青みを帯びた紫であることからニュートンが"violet"と定義したため、現在でも英語で虹の紫を指すときはpurpleを使わずvioletという語が使われる。同様に色彩工学では、可視光線のスペクトルの短波長側の極限を青紫とし、色座標において青紫と赤を結ぶ線を純紫軌跡と呼ぶ。ちなみに、紫外線はUltraVioletである。
「きっと誰かが願い事を」
「行ってくれるのなら」
「私が叶えてくれる」
「ジオラマに見える街」
「今でも好きだから」
「そう これまでも」
「これからも信じたい」
「本当のこと」
「祈りたい 信じたい」
「夢がある 願いがある」
「夜空に思いを込めて」
「Heartful Wish」
ダイヤモンドのマジカルストーンでは、ラベンダー色の星とともに銀色の月で敵をまぶしい光に包みこむ。説明しよう。ダイヤモンドとは、炭素の同素体の1つであり、実験で確かめられている中では天然で最も硬い物質である。日本語で金剛石ともいう。ダイヤとも略される。結晶構造は多くが八面体で、十二面体や六面体もある。宝石や研磨材として利用されている。ダイヤモンドの結晶の原子に不対電子が存在しないため、電気を通さない。
地球内部の非常に高温高圧な環境で生成されるダイヤモンドは定まった形で産出されず、また、角張っているわけではないが、そのカットされた宝飾品の形から、菱形、トランプの絵柄、野球の内野、記号を指してダイヤモンドとも言われている。ダイヤモンドという名前は、ギリシア語の αδάμαςに由来する。イタリア語・スペイン語・ポルトガル語では diamánte、フランス語では diamant、ポーランド語では diáment、漢語表現では金剛石という。ロシア語では диама́нтというよりは алма́зという方が普通であるが、これは特に磨かれていないダイヤモンド原石のことを指す場合がある。磨かれたものについては бриллиа́нтで総称されるのが普通。4月の誕生石である。石言葉は「永遠の絆・純潔・不屈」など。ラベンダーとは、伝統的にハーブとして古代エジプト、ギリシャ、ローマ、アラビア、ヨーロッパなどで薬や調理に利用され、芳香植物としてその香りが活用されてきた。ラベンダーの栽培は1930年代に本格的に行われるようになるが、それ以前は野生種の刈り取りがほとんどだった。日本におけるラベンダーの初期の記述としては、江戸文政期の西洋薬物書に「ラーヘンデル」「ラーヘンデル油」の名で詳細な説明がある。幕末期には一部ではあるが、精油が輸入され、栽培も行われていたと考えられている。昭和期には香料原料として、北海道富良野地方などで栽培されて精油が生産され、1970年にピークを迎えたが、合成香料の台頭で衰退した。現在では富良野などでラベンダー畑が観光資源となっている。現代でもL. angustifoliaやL. latifolia、L. x intermediaなどが精油を採るために栽培され、精油は香料として用いられたり、アロマセラピーとしてリラクセーション等に利用されている。ちなみに、ラベンダー色は薄紫色を意味する。ラヴァンドラ属は、半木本性植物で、低木のような草本、小低木、亜小低木である。多年生のものとそうでないものがある。ヨーロッパ南部を中心に39種が知られ、高さは2メートル以下である。原産地は地中海沿岸、インド、カナリア諸島、北アフリカ、中東などである。春に紫や白、ピンク色の花を咲かせる様々な種がある。中でも紫色の花が最もポピュラーである。多くの種は、花、葉、茎は細かい毛でおおわれており、その間に精油を出す腺がある。揮発性の油を多く含むため、草食動物はほとんど食べないが、芳香で蜂などを引き寄せる。ユーカリと同じように夏の熱さなどで自然発火し、野火を呼ぶ。種子は野火の後に発芽する性質がある。ラヴァンドラ属には、ラベンダー特有の香りがない種も一部存在する。園芸用としても愛好されている。主にラベンダーと呼ばれるL. angustifoliaだけでなく、その近縁種や交雑種もラベンダーと呼ばれることがあるため、ラベンダーの名で販売される苗やラベンダー油がL. angustifolia のものとは限らない。
「発車のベルと」
「同時に出会う二人」
「でもすれ違ってしまう」
「早く会いたい」
「だけど知らない」
「だから だから unknown unknown」
「なぜそんなに会いたい?」
「あなたの思い」
「ねえ 目を合わせて」
「振り向かずに」
「そうそうそう 気になりそう」
「私の脳内は」
「あなたのことだらけ」
「さあさあさあ 勇気を出して」
「本当のことを」
「伝えに行こう」
「恋するリフレイン」
「ねえねえねえ 教えてよ」
「あなたの気持ち」
「すぐすぐすぐ 行かなきゃ」
「あなたの元へ」
「恋するリフレイン」
「そうそうそう 気になりそう」
「私の脳内は」
「あなたのことだらけ」
「さあさあさあ 勇気を出して」
「本当のことを」
「伝えに行こう」
「恋するリフレイン」
「乙女の輝き!トウィンクル・ナビゲーション!」
トウィンクルパープルの魔法は、人々の心に輝きを取り戻しつつ、正しい方向に向かう力を持っているという。
このほかにも、マジカルストーンはたくさんある。
「黄緑のマジカルストーンに、透明なマジカルストーン、月光に光るマジカルストーン…」
説明しよう。ペリドットは、含有する鉄分の作用によって、緑色を示す。ペリドットは、夜間照明の下でも昼間と変わらない鮮やかな緑色を維持したため、ローマ人からは「夜会のエメラルド」と呼ばれていた。後にペリドットは十字軍によって紅海に浮かぶセントジョンズ島から持ち帰られ、中世の教会の装飾に使われた。200カラット以上ある大きなペリドットが、ケルン大聖堂にある東方の三博士の3つの聖堂を飾っている。オパールは、主に火成岩または堆積岩のすき間に、ケイ酸分を含んだ熱水が充填することで含水ケイ酸鉱物としてできる。そのほかにも、埋没した貝の貝殻や樹木などがケイ酸分と交代することで生成されたり、温泉の沈殿物として生成されるなど、各種の産状がある。特に、樹木の化石を交代したものは珪化木と呼ばれる。オーストラリアでは、恐竜や哺乳類の歯などの化石がアパタイトからケイ酸分に入れ替わり、オパール化して発掘されたこともある。なお、微化石の一種にプラントオパールと呼ばれるものがあるが、これは植物が生きているうちに組織内に形成した非晶質のケイ酸分であり、風化しにくいため、年代当時の地層中にある植物を同定することにも用いられる。ムーンストーンは、主な産地はインド、スリランカ、ミャンマーである。そもそもの語源は、透明度の高い長石類にカボション・カットを施すことによって得られる青色や白色の光沢を月光に見立てたことによる。特に青色のシラー効果をもつものを「ブルームーンストーン」と呼んでいる。元来、スリランカで稀に産出する淡い青色のムーンストーンをブルームーンストーンと呼んでいたが、その後、インドなどで産出される長石もブルームーンストーンと呼ばれるようになったため、特にスリランカ産の青色のシラーがでる美しいムーンストーンを「ロイヤルブルームーンストーン」と呼び、オーストリアのアデュラー山脈で産出されているものは、透明感が高く青く美しい光を放つため「アデュラリアンムーンストーン」と呼ばれている。古代からムーンストーンには、悪霊を祓い、予知能力を高め、ストレスを和らげ、愛をもたらすと信じられていた。6月の誕生石であり、蟹座の守護石でもある。 また、ムーンストーンの石言葉は「恋の予感」、「純粋な恋」とされるが、ホワイト・ムーンストーンの場合は「計画」とされる。ペリステライトやラブラドライトなどと混同されている場合もある。特にホワイトラブラドライトが「レインボームーンストーン」と呼称されるケースがあるが、ラブラドライトはプラジオクレースである。ペリドット、オパール、ムーンストーン…。まだまだ世間に知られていないマジカルストーンはたくさんある。
すると、
「シトラスイエローが秋であるのなら」
「トウィンクルパープルは冬であるよ!」
説明しよう。秋は、日本では夏の暑さがやわらぎ過ごしやすい季節である。日中は暑いが、朝晩に肌寒さを覚えたり、吹いてくる風に爽やかさを感じたりする。夏の蝉は次第に鳴りをひそめ、赤とんぼの群れや、虫の声が耳にとまるようになる。夏休みが終わって新学期が始まり、運動会や文化祭がある。稲が黄金に色付き、栗、梨、葡萄などとりどりの果実が店頭を飾る。台風がしばしば日本を襲い、秋雨が長く続くこともあるが、晴れた空は高く澄み渡り俗に「天高く馬肥ゆる秋」ともいわれる。夜が長くなり、月や星を賞でたり、読書や夜なべにいそしんだりする。朝寒夜寒が段々とつのって、昼夜の温度差が大きくなり、野の草には露が置き、木々は紅葉してくる。色付いた葉が散りはじめると、重ね着が増え、暖房が入り、秋も終わりに近づく。冬は、秋と春にはさまれた季節。二十四節気や旧暦のように、一年中で最も太陽の高度が低く夜が長い期間を指すこともある。北半球では冬至後の1月-2月頃に気温が低いことが多く、南半球では夏至後の7月‐8月頃に当たる。日本の気象庁では一日の日最低気温が0℃以下の日を冬日、また、日最高気温が0℃以下の日を真冬日と呼んでいる。このような日は1月を中心に前後の毎年12月から翌年3月頃にかけて発生するため、日本においてはこの時期あたりが冬の範囲に入るシトラスイエローとトウィンクルパープルのモチーフを晴斗とカレンが明かすと、
「四人そろうと、季節になるね!」
ラブリーピンク・アクアブルー・シトラスイエロー・トウィンクルパープルを並べると、四季の並びになるのだ。そもそも、四季というのは、地球は太陽の周りを公転しているが、地軸を約23.4である°傾けた状態で公転している。そのため南北の半球ごとに太陽の高さが一番高い位置にあるときと一番低い位置にあるときを生じる。夏至には太陽の高さは北半球で一番高く、南半球では一番低くなる。反対に冬至には太陽の高さは北半球で一番低く、南半球では一番高くなる。地球はほぼ球体であるから地球上での位置と公転軌道上の位置によって日照角度と日照時間に違いが出てくる。日照角度とは太陽光が地表に照射する角度のことである。同一の光量の場合、照射角が90°に近いほど面積あたりの受光量は大きくなる。つまり太陽が高く昇るときほど地表は強く暖められる。また、地軸の傾きは日照時間も変化させる。夏至には昼間の時間が最大に、冬至には最小になる。その差は高緯度ほど大きくなる。なお、気温の上下変動は太陽の高さよりも若干遅れて生じるため、真夏は夏至から1か月から2か月、真冬は冬至から1か月から2か月程度の期間となる。世界には四季の変化が顕著で分かりやすい地域と、四季の変化が分かりにくい地域がある。気候の変化は緯度や海陸分布の影響を大きく受けるためである。中緯度にある温帯や冷帯では、1年の中の気温の変化域が生物活動の変化と対応している部分が多いため、季節変化が感じられやすい。四季が顕著ではっきりと区別できるのは、中緯度にあって、かつ気団の勢力変化が大きい地域である。例えば、日本は概ね北緯25度から45度に位置し、小笠原気団、シベリア気団、オホーツク海気団、揚子江気団という複数の気団の影響を受ける。一方、砂漠地帯、熱帯地方、極地などでは一般的に四季の変化が少ない。赤道を挟む熱帯の地域は年間を通して極端に高いため、また極地を含む寒帯の地域は気温が年間を通して極端に低いため、1年の中で気温が上下しても生物の活動等に及ぼす変化があまり大きくない。熱帯地域では四季は感じられにくいほか、高緯度の地域では生物の活動に好適な温暖な期間が短い。住民にとっても植生の変化や動物の活動などの季節変化が比較的少なく感じられ、移行期間としての春や秋が区別しがたく、夏が無い、あるいは冬が無いとされたりする。赤道付近では日照時間の変化が小さい上、年間を通して太陽高度が高く、かつ熱帯では気温差の小さい均質な気団が横たわっているため、ほとんど無いに等しい。いわゆる常夏の状態だが、四季とは関係の薄い雨季と乾季という季節の変化がみられる地域もある。極地域、特に北極圏や南極圏では夏には白夜、冬に極夜となり日照時間の変化は非常に激しいが、年間を通して太陽高度が低いため、日照時間で考えるほど気温の変化は大きくない。また、緯度が高くなるにつれて、内陸にあるほど気温変化が大きく海洋に近いほど小さい、という海陸分布の影響を強く受ける傾向がある。以上は文化的・気候学的な定義であり、天文学的には太陽高度の変化をもとに、地域に関係なく四季を定義している
「スイーツも食べたことだし」
「ある場所に行こう!」
「うん!」
つぼみたちは、横中プリンセスガーデンを後にする。
「新たなる光輝く」
「高志の国で」
「清く 正しく 高らかに」
「青空に映える」
「白銀山脈」
「横中で一歩踏む」
「若者たちよ」
「誇り高く 希望をもって」
「ああ 青春の日々 行かむ」
「たくましき命輝く」
「港の街で」
「強く 優しく しなやかに」
「群青に映える」
「透き通る海」
「少年たち 少女たち」
「いざその時」
「大いなる夢を持って」
「ああ 横中の我が母校」
つぼみたちは、ポートフロンティア学園の校歌を歌いながら、ある場所へと向かうのであった。




