第30話 超火力魔法を連射してモンスターの群れをすりつぶす
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ここから一章クライマックスに突入します!
(二章完結まで書き溜めがあるので、一章完結してもまだ続きます)
「行くぜぇ、覚悟しな雑魚モンスター共!」
タイムロットさんが、先陣を切ってモンスターの群れに突っ込んでいく。超音速で斧を振り回し、小型モンスターを切り刻んでいく。
「俺たちも続くぜ!」
村の冒険者さん達も、タイムロットさんに続いて突撃していく。銀の光がほとばしり、モンスター達があっという間に両断されていく。
モンスター達が反撃しようとするが、音速近い速度で戦場を駆けまわる冒険者さん達を捕らえられない。普通の人が見たら、モンスター達が勝手にバラバラになっていくようにしか見えないだろう。
群れの奥から、ミノタウロスまで姿を現した。だが、村人の皆さんは問題なく蹴散らしていく。
僕も、”ファイアーボール”を連射し、モンスターを100体単位で潰していく。
「このまま、何事も起きなければ勝てるけど……」
その時だった。1人の村人さんが慌てて走ってくる。
「大変だ、裏門にもモンスターの群れが攻めてきてるぞー! こっちより規模は小さいが、このままじゃ村の中にまで攻め込まれちまう!」
「なんですって!? ……冒険者の皆さんは、裏門へ向かってください! 表門は僕が抑えます!」
「しかし、それでは領主サマが1人で戦うことに……。分かりやした! 領主サマなら大丈夫だと思いますが、万一ピンチになったときは、いつでも呼んでくだせぇ! この命を燃やしつくしても、領主サマのお役に立ちやす!」
冒険者の皆さんが、裏門の方へ駆けだす。
こんなに村の危機が迫っているという時なのに、僕の心配をしてくれる。……僕は本当に、いい領民を持った。
僕は、1人でモンスターの群れに”ファイアーボール”を連射し続ける。
「さっきから、1000体以上倒しているっていうのにまだ終わりが見えない……! 一体どれだけ大規模なモンスターの群れなんだ!」
その時だった。
”ズドオオォン!!”
村の防壁に、1箇所巨大な穴が開いていた。ミノタウロスの群れが、斧で村の防壁を壊したのだ。
「まさか、あの壁を突破するなんて……! 流石に2箇所同時には抑えられないぞ」
「わ、私に任せてください!」
モンスターを吹き飛ばすほどの暴風が戦場に吹き荒れる。ドラゴン形態に戻ったナスターシャが、羽ばたいて飛び上がった。
『こ、これでも喰らってください~!』
ナスターシャが、空から蒼色のブレスを放つ。壁に群がっていたモンスターの群れが、一瞬で蒸発した。
地響きとともにナスターシャが地上に降り立つ。そして、壁に空いた穴を塞ぐように立ちはだかる。
「めめめメルキス村の一員として、ここは一歩もととと通しません!」
気弱なナスターシャが、勇気をふり絞って啖呵を切る。
森の奥から、まだモンスターの群れが現れる。モンスターの群れがナスターシャに突っ込んでいく。
「ごめんなさいごめんなさい! 調子に乗ったことを言ってごめんなさい!」
ナスターシャが丸くなって完全防御姿勢をとる。
「ひいいいぃモンスター怖いですぅ! ……で、でも! ここは通しません!」
ガタガタ震えているが、ナスターシャは逃げようとしない。ドラゴン形態のナスターシャに向かって、スライムが体当たりし、ミノタウロスが斧を振り下ろす。だが、その程度ではレインボードラゴンであるナスターシャの鱗に傷一つ付けることはできない。
「いいぞナスターシャ! そのまま壁の穴を塞いでいてくれ!」
「が、頑張りますぅ……!」
モンスターに囲まれただけで気絶してしまうナスターシャが、あんなに勇気をふり絞ってくれている。
「ありがとうナスターシャ。その努力、絶対に無駄にしない!」









