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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
彼方編
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94話:試験と龍王の遺産

 今、この家に居る全員が、この食堂に集まっているらしい。俺は、

「どうぞ」

その声と共に、ドアを開けた。

「えっ……」

微かに息を呑む会長が目に入ったが気に留めず、歩き出す。そして、しばらく歩き、紅紗さんの隣まで歩み、足を止め、回れ右をする。

「それでは、紹介するわ。青葉清二君よ」

「はじめまして。自分は、青葉清二といいます。この度は、天龍寺家の専属護衛(ボディガード)として雇われましたので、よろしくお願いいたします」

俺の紹介に、メイドたちからどよめきが聞こえた気がした。男が珍しいのだろうか。

「それで、奥様」

「敬語は使わなくていいわ。堅苦しいから」

この辺が、会長の母だろう。

「では、紅紗さん。俺は、誰の護衛をすれば?」

俺の問いに、

「ええ、貴方には、彼方と秋世の護衛をお願いするわ。でも、その前に、少し試験をさせてもらえないかしら」

試験?

「深紅、ちょっと、腕試しを」

深紅さんが出てきた。

「コイツに試験はいらないと思うが……。まあ、試験をクリアできないやつが多すぎて、男が採用されなさ過ぎるんだが」

そういうことか。つまりは、深紅さんを倒さないと護衛なんか無理ってことか。

「お、お母様。試験って……」

「彼方、貴方は見ていなさい。貴方を護衛するかもしれない娘なのだから」

こういう無茶振りも会長の家族って感じだよな。ああ、仕方ない。俺は、念のため持ってきていたデュランダルの入ったバッグを廊下から持ってくる。

「さて、やりましょうか、深紅さん」

俺の取り出した《切断の剱》を見て、秋文が声を上げる。

「うおぉお!剣だ!かっけぇ!」

おそらく深紅さんは、強い。白羅以上(潜在的な力で言えば白羅の方が強いかも)。

「全力で行った方がよさそうっすね!」

「お、おい、何かやばい気がするんだが」

来い、《聖覇にして殺戮切断の剱》。

「なっ、剱の形状が変化した?!」

「《聖覇にして殺戮切断の剱》」

「ヤバッ!|《龍王の遺産》《ドラゴン・グリッター》!」

一瞬にして、深紅さんの周りに鎧が生まれた。古具だ。それもなかなかに危険そうな。鎧しか顕現していないということは、重いのに動かなくてもいい攻撃手段があるということ。つまり、何か遠隔攻撃がある。ここは、出し惜しみなんてしていられない。

――《蒼き力》よ!

「さあ、生まれろ。《蒼天の覇者の剱》」


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