表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《覇》の古具使い  作者: 桃姫
彼方編
93/159

92話:天龍寺家

 長期休暇まで後二週間をきっている。しかし、俺は、学園を休んでいた。理由は、簡単だ。会長の下へ行かなくては行けなくなったから。

「ここが、天龍寺家」

とても広大な土地と大きな家。まるで、ラノベやギャルゲに出てくるお嬢様キャラの家のようだ。俺は、今日からここの家のボディガードをすることになっている。


 今、天龍寺家の当主は、深紅さんだ。だが、深紅さんは、未婚の上、もう、すでに両親(会長の祖父母にあたる)は亡くなっている。なので、今、天龍寺家に暮らしているのは、会長の家族と深紅さんだけだ。


 そして、俺は、招き入れられた食堂の大きさに驚愕する。俺の部屋を三つ並べたくらいの大きさだ。

「いらっしゃいませ、貴方が妹が選んだボディガードさん?」

三十代くらいの美しい方が、俺に問う。おそらく、会長の母親だろう。

「はい、そうです」

「ふむ、見た目は悪くないんじゃない?」

こちらは四十代くらいのおじさん。おっさんじゃなくおじさんだ。おそらく会長の父親。

「ええ、そうね。早速だけど、部屋は、こちらが割り当てておいたから、そこを使って頂戴。案内は、そうね、ちょっと、誰か、この方を案内してあげて」

廊下にいたメイドに声をかけた。メイドは居れど、執事は居らず。そして、メイドの一人が、俺を先導し、部屋へ案内してくれる。


 廊下で、メイドと二人きりになった。

「えっと、青葉さんでしたっけ?」

「え、あ、はい」

メイドに声をかけられ、少し慌てる。

「あの、どうやって、この家へ?男の方が、採用されることって珍しいので」

そうなのか。どうりで執事がいないわけだ。

「自分は、」

「あ、敬語は使わなくてもよろしいです。この家の方は、あまり、敬語を好かないので」

敬語を使っている人に、敬語を使わなくてもいいといわれた。何この矛盾。

「俺は、深紅さんに見込まれて」

「深紅様に?余計珍しいですね。顔を気に入ったのでしょうか?」

まじまじと見つめられる。

「青葉さん、恋人は?」

「いませんけど?」

「そうですか」

今、一瞬。このメイドがにやりと笑った気がした。気のせいか。次に見たときには、先ほどまでの普通の顔だ。

「ここが部屋です」

「あっ、ありがとう」

俺は、こうして部屋へと案内されたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ