80話:紅き夜―夕暮れに顕れる《紅の魔物》―
ルール説明
主催者:不死鳥
参加者:青葉清二
報酬:不死鳥の血
失敗:青葉清二の周りの人間が一人死亡
ヒント:不死鳥は、あくまで、鳥
ヒントより導き出された答え:不死鳥は、悪魔で、鳥。よって、不死鳥は、悪魔フェネクスである。フェネクスは、二十の悪霊を操るので、二十全てを倒して、不死鳥にたどり着くのが、正解である。
討伐悪霊数:一
俺は、もしものために備え、《切断の剱》を持ち、外へ出た。もうじき、二日目の陽が沈む。すなわち、それは、もうじき二日目も終わりと言うことだ。そうなれば、残りは二日。状況的に、一日十体近くの悪霊を討伐して、不死鳥までたどり着かなくてはならない。だとすれば、今日中にできるだけ数を減らすのが得策だ。
敵は、どこに居る。不協和音を奏でる壊れた悪霊達を俺は、聞き分け、探す。すると、不意に、学校近くから、不気味な大声が、複数聞こえてくる。
「ヴォゲラアアァア!」
「ゲアジャヤラエ!」
「ズボラオオオアダ!」
「ォァィゥウウッ!」
「ギチュエラヴィイ!」
「ヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァ!」
どこの魔窟だよ!
「ど、どこの魔窟よ!」
俺の思考を代弁したような声が聞こえた。この声、会長?あれは、会長と副会長、篠宮の生徒会か。ん?その奥で気絶しているのは、亞璃栖か?と、そんな場合ではなかった。今は、この状況を何とかするのが先だ。
「行くぜ、《聖覇にして殺戮切断の剱》!」
俺は、真デュランダルを形成し、斬りかかる。おそらく六体いる悪霊の一体を切り伏せた。
「清二君!」
「青葉君ですか」
「青葉君!」
三者三様の声を受けながら、生徒会メンバーの前で、真デュランダルを使うのは初めてだなぁ、何て考えていた。
「お久ぶりッス!」
俺は、生徒会メンバーに挨拶し、悪霊に向きかえる。そして、
「ヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァ!」
と一際大きな音が発せられた。そして、悪霊が同調するように集まり、巨大な悪霊の塊が出来上がる。それは、まさしく、――《紅の魔物》。




