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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
不死鳥編
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79話:紅き夜―不死鳥の悪魔と悪霊達―

 朝、アーサーからのメールにたたき起こされた。今日の陽も紅色だった。

「《火の鳥》の情報はなし。ただ、変わった女の情報あり?」

メールにはそう書かれていた。

「公園で、不気味な声で喚く女。通学路に現れる美女。学校に現れては消える女幽霊」

全てが、おかしな女。いや、不気味といっても差し支えない。

「不気味な、声?」

ここが引っかかる。

「フェネクスは、鳥のときは、美しい声で詩を綴る。人のときは、おぞましい声で言を喚く。そう言う存在」

つまり、この各所で目撃されている不気味な女性こそ、あの不死鳥に違いない。

「ソロモンのフェネクスと言えば、」

そう、何かあった気がするのだ。しかし、今は、それどころではない。手当たり次第に探すのが最良か。


 俺は、柊公園に来ていた。アーサーと決闘をした公園だ。ここで、フェネクスの目撃情報があったらしい。

「居た、アレか?」

黒い服を着て、生気の無い目で歪な音声を再生し続ける、まるで機械のような女。アレが、フェネクス?いや、違う。

「グギャゴゲェエヰヴェ」

黒服の女は、こちらに向かって、刃物を投げてきた。

――シッ

俺の眼前を刃物が横切った。あれは、まるで鎌。鎖鎌と言うやつに近い。

「危ねぇ!」

俺は、鎌を往なしながら、反撃に出る。

「《殺戮の剱》!」

そして、振るう。空間が震える。

「――ヴァアアギャアアグアアア」

そして、引き裂かれた。まるで実体のない気体が分かたれるように。

「零体?」

そう、あれは、幽霊。


 二十の悪霊を指揮する悪魔。フェネクス。そう、つまり、これは、四日以内に二十の悪霊を屠り、フェネクスにたどり着く。そう言ったルールなのだ。


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