77話:紅き夜―不死鳥の《悪魔》―
その日、登った太陽は、紅色をしていた。紅の太陽は、煌々と俺を照らす。
「それじゃ、あたしは、学校行ってくる~」
盛大に寝坊した俺とエリナは、もはや諦めて、朝食ではなく昼食を食した。
「行ってらっしゃい」
「ん~」
しかし、時間が無い中、今日の朝を無駄にしたのは大きい。誰の命が奪われるのかが分からないのも気がかりだ。
「まずは、ヒントの意味、だよな」
不死の鳥は、あくまで、鳥。この意味だ。
「不死の鳥は、そのまま、不死鳥を示す」
後は、
「あくまで、鳥。……」
あくまで鳥?まてよ。あくまで、と言っているのに、鳥を否定していない?不死の『鳥』は、鳥であるのだ。だとしたら、『あくまで』が、ポイントだ。
「あくまで?…………悪魔、で?」
悪魔がヒントか?だが、悪魔と不死鳥が繋がらない。俺の知識じゃまかないきれない、か。さて、誰に相談するかな。エリナはアホで話にならない。アーサーは、高木への聞き込み待ち。白羅は、不死鳥に関する知識は、持っていないだろう。生徒会は、もっとだ。だとするなら、聞くのは、誰に?
勿論、決まっていた。文明の利器、インターネットだ。
「『不死鳥』『悪魔』」
俺は検索ワードを打ち込む。すると、様々なホームページが表示された。しかし、
――ジジッ、ジィー。キュルル、ボスン
そのような音と共に、ハードが吹き飛んだ。
「おい、ポンコツ!」
ダメだ。ブルースクリーンでてやがる。使えねぇ~。一応、ブルースクリーンと言うものを説明するならば、OSが修復不可能なレベルのダメージを負ったとき、「もう俺はだめだ。諦めろ」みたいな感じで表示される真っ青な画面のことだ。ついでに顔も真っ青になるかもしれないが……。
「はぁ、素直に、頭脳で考えるか」
と言っても、資料も無しって言うのは、相当きつい。
「不死鳥と悪魔。不死鳥の悪魔?」
違う。何かしっくり来ない。
「不死鳥は、あくまで、鳥。悪魔で鳥……」
悪魔で、鳥
「まさか、不死鳥が、悪魔だって言うのか?」
いや、でも、そんな話、聞いたことが……
「ソロモンの七十二柱」
俺の脳裏に過ぎった単語。
「確か、三十七柱目に、フェネクスと言う悪魔がいた」
それが、フェニックスだとしたら、ヒントが繋がった。




