65話:第五
「第五鬼人種?!」
先に声をあげたのは、白羅の方。
「第五鬼人種って言うのは、私の第六龍人種の?」
「下位種ですね。いえ、正確には、稀少度で第一から第六まで分類されておりますが……」
つまり上位も下位もなく、稀少度で決まってるのか?
「まあ、第一から四までは、大差がないと言われていますが、第五鬼人種と第六龍人種は、破格の強さだと窺っております」
なるほどな。
「えっと、また、話が逸れてしまいましたね。話を戻しますが、私が、ここに来たのは、他でもありません」
一泊空け、懇願の表情で、
「私の仲間達を助けていただきたいのです」
再び言われた助けるという言葉。
「何から助けるんだ?」
俺の問いに、真剣な表情でラクシアは言った。
「|《血塗られた剱》《ダインスレイフ》を使う異教徒を退けて欲しいのです」
ダインスレイフ……?
「どこかで聞いた気がするな」
ダインスレイフ?まあいいか。
「それで、どこまで行くんだ?」
「はい、青森県と岩手県の境にある森にの中です」
と、遠い……。
「結構遠いな……」
「いえ、大丈夫です。私の力を使えば、一人だけなら一瞬で転移できます」
転移?龍神の力みたいなものか?
「では、聖慈様、行きますよ!」
え、ちょっ、おい――




