60話:泊まり明け
翌日。俺の体調は最悪だった。俺を含めた生徒会メンバーは、全員、生徒会室に泊まった。と言うか気づいたら寝てた、が正解だろう。
「ぁあ、気分悪ィ~」
「僕も同感だよ」
俺と篠宮は、女子達よりも先に仕度が終わったので、コンビニに朝食を買いに来ていた。
「あ~、何が良いんだ?」
「さあ、女性の食の好みは人それぞれだから」
とりあえず、おにぎりやパン類を適当に買った。
「さて、とっとと食べて教室に行きましょう」
会長の元気な言葉をげんなり聞き流し、適当に胃袋におにぎりを流し込む。さて、時間は、まだ六時。教室に行きましょう何て会長は言っていたが、俺は、筋トレをすることにした。
「白羅ぁ~。いつもの行ってくるから、いつもの頼む」
「分かったわ」
そんなやり取りを交わし、俺は、外へと駆け出して行った。
筋トレとして、町内一周してみたが、雪道よりも随分走りやすい。しかし、雪道より地面が硬く、少し、走り方にコツがいるかもしれない。
さて、七時。俺は、ようやく登校した。
「おはよう、高木」
「お、おう、青葉。おはよう」
何だ?何か戸惑ってる?
「青葉、お前、髪伸びたな。昨日よりちょっと長くないか?」
「そうか?」
まあ、随分前に白羅に切ってもらった以来切ってないからな。そういえば、白羅だが、彼女は、本日、このクラスに編入予定だ。年も十六歳なので、普通に入学できる年齢だった。
「まあいいや。そういえば、二日連続編入生なのは知ってるよな」
知ってる前提で聞いてくるのは、まあ、俺が生徒会役員だからだろう。
「どんな娘か分かるか?」
「守秘義務ってしってっか?」
「だよなぁ~。生徒会役員も知らないよな……」
ん?何か別の意味に取られたがまあいいか。
「しっかし、ドンだけ調べても分からないんだよ」




