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58話:恋の呪い
Scene 白羅
彼の高揚。アレは、《蒼刃》の特性が現れたときに、己の精神にまで影響を与えた結果だろう。《蒼刃》。やはり、あの子の、――蒼刃聖の――、兄、なのね。彼は、とんでもないものを背負っていくかもしれない。でも、私は、それを見守る。彼によって、銀の世界の呪縛からは解き放たれた。でも、ね、清二。私、今度は別の呪いにかかっちゃったみたい。あなたと言う存在に恋焦がれる、恋の呪いに。貴方以外を愛せず、貴方から離れたくないという、呪縛に。
「龍神、私……」
「行け。お前が願うのなら。アイツにも言われただろう。自分のために力を使うようにと」
決めた。私は、私は、青葉清二と共に行くことを。




