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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
龍神編
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51話:魔王の話

Scene真琴

 僕は、青葉君が修行に向かった後、カナタさんや美園さん、アーサーと共に、資料室を訪れていた。龍神様は、カリバーンを直すから資料でも見て待っていてくれと言っていた。僕は、自信の《魔王の襲来》について調べたかった。

「この本……」

そして資料室で見つけた一冊の本。本の題名は、「dæmonium」。

「何て読むの?」

カナタさんが問いかけてきた。

「えっと、なんて読むんでしょうか?」

「おそらくラテン語ですね……。青葉君なら知っているかもしれませんが……」

こういうとき、本当に、彼の博識がうらやましい。だが、おそらく、これは、魔王、悪魔に関係する本なのだろう。


 僕は、本を捲った。そこに書かれていた文章。それは、

「『――』を名に持つもの以外この本を読むことを禁ずる」

ボロボロで見えないが、何かの名を持つもの以外は、見ることを禁じられているらしい。

「読めないね……」

「そうですね」

カナタさんと美園さんは、そう言った。読めない?

「もしかして、この文章が読めていないんですか?」

「えっと、この英語やら日本語やらロシア語やら混じってるこれをどう読むのよ?」

どうやら、僕には、読む資格があるらしい。


 本の内容。それは、かなり昔の伝記らしい。

――或る日。我、魔王を冠す。武神、鬼神、数多の名を冠してきた我に、魔王と言う名が加わったのである。神の名まで持つと言うのに、今更どうしたことか。しかし、本物の神は、我の称号を大層喜び、我に、四つの武器を造った。《黒炎の剱》《漆黒の鎧》《悪魔の羽》《魔王の角》。これを装備した我は、まさに魔王。

――或る日。神が、終わりを告げる。我の力は、小さくし、我が力の顕現だけにした。そして、それは、我の死と共に、誰かに移るであろう。

――これを読む、我と同じ名を冠す者よ。いつか、分かるであろう。我が血を継いでいる人間は、魔王にして悪魔。神より貰いし、その力を大切にしてくれ。我と神の子らよ。


 そう綴られ、本は終わりを迎えていた。驚きのあまり、言葉が出ない。僕の力は、神に造られたものだったのか。本を読み終え、頭をフル回転させて、事態をまとめているとき、空間が揺れた。そして数刻遅れて、

――ズゥドォオオオン!

と言う大きな音が響いた。


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