46話:白銀世界
俺は、言われたとおりに、銀の部屋と言われる部屋の前まで来た。そして、ドアを開け、――停止した。
そこに広がっていたのは、白銀の世界。一面に降り積もった雪。銀世界とはこのこと。気がついたら、俺の背後にドアは無く、三百六十度、視界全てが白色に占められていた。いや、違う。一箇所、金と銀の中間色、プラチナブロンドの髪が視界に入った。
そして、美しさのあまり、俺の思考は止まる。持っていたゴルフバッグは、地面へと……、雪の中へと落ちた。もはや、雪とか寒いとか、そう言う思考は、微塵も無くなる。
「来たの?」
その美しき声に耳は虜になる。すでに、もう、目は虜になっている。
一言、一言で表すなら、好みにドストライク!
「貴方が、《聖》《覇》を司る剣士?」
「あ、ああ、そうだ」
俺の言葉、少女は、笑う。
「私は、龍神の娘。白羅よ」
手が差し出される。俺は、それを恐る恐る、まるで、高価なツボでも触るかのように、握った。
「緊張してるのかしら?貴方、名前は?」
「あ、青葉、清二」
緊張しすぎて、声が裏返りかけた。
「蒼刃」
凛とした声が耳に届いた。少し悩むような動作をしてから、
「清二って呼ばせてもらうわ。《あおば》と言う名前は、少し、ね」
「ああ、構わない」
彼女の外見は、銀。金。その中間とも言えるような髪色。プラチナブロンド、と言うのだろうか。綺麗過ぎるその髪。そして、長いまつげ。目を強調する二重。大きな目で瞳の色は、深い紅色。背は低く、小柄というより、子供。胸は平ら。その体型は、完成された美少女のようで、とても美しい。色の白い肌は、さわり心地のよさそうだ。実際、握っている手は、とてもさわり心地がいい。ずっと握っていたいくらいの手だ。




