45話:龍神
そして、俺たちは、次の瞬間には、白い部屋に居た。
ここは、どこだ?
「よく来たな。我が城へ……」
声?俺は、声の方に振り向いた。…………龍?!デケェエエエエエエ!いやいや、でか過ぎだろ!何この化けモン!
「そこの小僧。魔王、か?それにそっちは、聖王か。ふむ、もはや感嘆の言葉しか出ないな。古具と聖剱が同時に我の前に現れようとは……」
力と血?何を指して言っているんだ?
「龍神よ、頼みがあります。我が剱、《選定の剱》を直していただきたい」
アーサーが龍神に願いを告げた。
「ほう、カリバーンが折れたか……。ふむ、これが折れるなど想定しておらんかったな。かの、《終わり》の時を刻んだ剱を折るとわ。これは、どうして折れた」
終わりの時を刻む?
「セイジ、……そっちの奴の剱とぶつかったときにな」
「剱とぶつかり……。……!そうか、小僧、お前は、《殺戮の剱》を持つものか」
何で分かったんだ?
「通りで、嫌な波長を感じたわけだ」
嫌な波長って……。
「あ、だが、《選定の剱》を折ったのは、《殺戮の剱》とは限らない。《切断の剱》かも知れない」
あ~、あの時は、どっちでどっちの刃を受けたか覚えてないからな。
「《切断》……?デュランダルをも扱うというのか……?」
な、何か、チョー驚いてる。逆にこっちが驚くわ!
「小僧、《選定の剱》を打ち直すまでの間、修行してかぬか?」
「しゅ、修行?」
修行っつーと、なんか、厳しそうなんだが?
「他の者達も受けていくと良い」
「でも、学校が……」
「安心せい。ここは、時の理から離された空間。ここでの六年が、表での一日に当たる」
なるほど、逆浦島太郎か。……あってるよな。うん、あってる。そう、逆浦島太郎だ。
「ふむ、それでは、小僧、お前は、特別室だ。《銀》の部屋行け。我が子が相手だ」




