37話:日常
朝。アーサーとの死闘から幾日過ぎただろうか。まあ、それなりに過ぎた日曜日。俺は、家でだらけていた。
「アーサー」
「どうしたのセイジ」
俺は、アーサーを呼んだ。
「どうしたの、じゃねぇよ。何で、俺の部屋でくつろいでんだ?」
そう、コイツは、俺の部屋で、薄着で、カーペットの上に寝転がり、漫画を読んでいる。ちなみに、母は、現在、どこかに出かけている途中だ。
「ふぇあ?」
欠伸交じりにこちらを振り向く。タンクトップのシャツのせいで、腋やら何やらが見えている。が、まあ、スルーだ。断固としてスルーだ。
「だって、わたしの部屋、漫画置いてないし」
「だったら、持ってって良いから、向こうで読め」
ちなみに、今、アーサーが読んでいるのは、俺の右の本棚の方に置いてある漫画である。日に日に、ラノベ勢に押され、スペースが減っているのは、気のせいに違いない。
「え~、面倒だし、こっちで読む」
まったく、コイツは……。しかも、これで居て、頭いいっぽいのがむかつく。俺の宿題をスラスラやってくれやがった(字で俺のじゃないとバレ、弁明に手間取った)。英語が得意なのは、外人だからいいとして、他の教科までできるのは、おかしいと思うんだが。
「仕方ないか……」
俺は、呟き、外へ出た。




