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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
聖剱編
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34話:魔王の襲来

それも、違う。あの時、僕は、まだ、

「あの時は、僕は、まだ開花していなかった。僕が開花を果たしたのは、アイシャが殺された、そのときだ。僕の内にある黒い何かが、目を醒ましたんだよ」

まさしく覚醒。開花。おぞましい、とてもおぞましい何かが、こみ上げてきたのだ。そして、今、その力が、もっと強くなっているのが感じられる。

「まさか、上がもみ消したのか……」

「これで分かっただろ。お前等、聖剱使い達が、いかに外道だったかを!」

心の奥で疼く、王なる力。魔王の血。全てが騒ぐ。

――嗚呼、お前は、武神だ。そして、鬼神で、そして、魔王(・・)だ。

そう、僕は魔王。誰が、どう言おうと、僕の本来の姿は、変わらない。変えられない。醜き、魔王なのだ。

「|《魔王の襲来》《サタン・ドライブ》」

僕は、喚ぶ。僕の内に眠っていた、真の古具を。これが、これこそが、

「な、なんだよ。その、姿は……」

ガウェインの驚愕が耳に届く。そう、僕の姿は、今、先ほどまでと異なっていた。黒い炎を放つ地獄の炎を宿した剱。漆黒の、闇より深い黒の鎧。背中から伸びる、蝙蝠に似た羽。頭の兜から伸びるヤギにも似た角。まさしく悪魔。まさしく魔王。これこそが、《魔王の襲来》。古の魔王が持っていた《黒炎の剱》《漆黒の鎧》《悪魔の羽》《魔王の角》の全てを装備したその姿。

「コイツが、古具の力だって言うのかよ……!」

ガウェインは、剱を構えた。

「やべぇ気配はするが、まあ、何とかなるだろ。圧倒的な太陽がある限りな」

太陽は、徐々に天を目指していた。日があればあるほど強くなる。それがガラティーン。

「太陽、か。眩しい、そして、鬱陶しい」

僕の呟きに答えるかのように、天は、暗黒に包まれる。そう、これが、

――《魔王の支配》

魔王となった僕には、この空間そのものを暗黒化することができる。それは、魔王特有の力。これが、魔王の力なのだ。

「さあ、潰れろ」

僕の黒い炎が、奴の剱をへし折った。


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