33話:惨殺祭
Scene真琴
僕は、懸命に奴等の手がかりを探していた。復讐のために。もはや、僕は、復讐に取り付かれた魔王だった。黒いローブの男を捜して、探して、そして、見つけた。ガウェインだ。僕は、青葉君の知識力を見習い、日中は、奴等を探し、夜は、伝承を読み漁っていた。ガラティーンは、ガウェインが使っていたとされる剱。日の出ているときに力が強くなる剱だ。この間の
「篠宮、日が出ている間は、こいつの相手は、骨が折れるぞ」
という青葉君の言葉は、これを意味していたのだろう。しかし、僕は、日が出ていようがいまいが、奴を殺す。それが、僕の復讐だ。
「おう、金髪の坊主。お前のこと、調べさせてもらったぜ」
ガウェウィンは、こちらに気づいている。そして、話しかけてきた。
「十年前、イギリスで、ランスロットが起こした《惨殺祭》の最後の被害者、なんだろ?《惨殺祭》は、合計二千人と一人を殺している。その最後の一人の名は《アイシャ・リーザ》。お前の幼馴染だ。そして、《惨殺祭》唯一の生き残りは、《篠宮真琴》」
《惨殺祭》。そう、本来、ランスロットが追放された理由は、アーサーの妻と駆け落ちしたから。しかし、聖王教会のランスロットは快楽殺人鬼だった。だからこそ、追放されたのだ。史実を再現しているわけではないから、起こる出来事も違うのだろうが、まあ、それは関係ない。
「その通りだ。お前等のせいでアイシャは……」
「違ぇよ。ランスロットが、」
「お前等が、ランスロットを止めればよかっただろ!」
怒りが頂点に達した。僕は、先日、《全力解放》を使い、あと四日は、力が使えない、はずだった。しかし、僕の全身に溢れているのは、古具の力。
「おいおい、そんなこと言ったってよお。そもそも、お前らが古具使いだったのが悪いんだろ?」
「古具使い?殺された二千人の中に古具使いは、いない!」
「……は?おいおい、ちょっと待てよ!そいつは話が違う!殺された二千人の中に古具使いは、テメェだけだったってのかよ!」




