31話:共鳴
力がみなぎる。
「聖王教会円卓の騎士、アーサーと《聖王の剱》、《選定の剱》、参るッ!」
俺の右手に、力が収束される。柄が出来上がり、鍔が現れ、そこから、漆黒の刃が現れる。光を微塵も跳ね返さない漆黒の刃は、小刻みに振動している。振動剣、ヴァイブロブレードの一種だろう。しかも、それだけではない。全力解放のおかげか、黒色のオーラすらでている。
「セイッ」
一閃。俺の剱が、風とともに周りを切り裂いた。かなり距離が離れている木々を切り倒した。
「くっ……」
もう一閃、しようとしたところで、下から切り上げてきた。
――キィイン!
甲高い金属音が鳴り響く。こちらの削りながら切る剱を刃で防いでいる。おそらくダイヤモンドすら切れるであろう、この剱を悠々と防ぐ硬度。ただの剱ではない。
「硬いな」
「そう簡単に折れるわけがないでしょうがッ!」
カリバーンが横から迫ってくる。俺は、それを、俺は体を逸らして避ける。
――リィイン!
もう一度、剱がぶつかる。硬度は互角。やってるうちにどちらも削れるだろう。しかし、相手は、二本。これは、分が悪すぎる。もっとどうにかならないか……。
《共鳴だ、少年。何かが、共鳴している》
突如、《殺戮の剱》から声が響く。
「共鳴……?一体、何と共鳴してるんだよ!」
――リィイン!
俺の声は、三度目のぶつかり合いにかき消された。共鳴だと?一体何と?
――キィイン!
ヤバイ、思考している間に、押され始めた。
「フッ、オレの勝ちかな」
「まだ、勝負はついてないぜ!」
しかし、エクスカリバーによって、俺は、《殺戮の剱》ごと吹き飛ばされる。
――カラン!
音がした。どうやら俺が引き飛ばされたのは、アーサーのバッグや俺の通学用のバッグを置いておいた場所らしい。そして、アーサーのゴルフバッグから《デュランダル》がぶつかった衝撃で飛び出したらしい。
《これだ……》
は?突如、《殺戮の剱》からの声。これ?一体、何が……
《少年、その手で掴め。あの剱を》




