27話:二人きりの生徒会
結局、登校の時間のため、説明を放り投げ、登校することになった。
「アーサー、とりあえず、俺が帰ってくるまでは、ここにいろよ!」
「分かってる。言ってこいよ。オレが掃除くらいはやっといてやる」
「そのにやけ顔が恐いんだが、じゃあ、後でな」
そんなやり取りをして、俺は、家を出た。
教室にて、
「おはよう、青葉。いや~最近、生徒会を真面目にやっているらしいじゃないか」
高木だ。ちなみに、昨日の、一時間目をサボった件は、生徒会の急用と会長が便宜を図ってくれたらしい。
「まあな」
放課後がやってきた。さて、アーサーの件をどうするかだ。ぶっちゃけ、言う気はない。生徒会室へと入る。
「どうも~ッス」
「あ、清二君」
「あれ、今日は会長だけですか?」
生徒会室には、会長しか居なかった。
「あ~、真琴が奴等を探すって言って聞かないから、仕方なしに美園を……」
そういうことか。
「しかし、二人っきりだね」
「ええ、そうッスね」
なんだろう、会長が、こっちを見ている。そして、こっちに近寄ってきた。
「ねぇ、清二君」
何か用だろうか?俺の隣まで会長が来た。そして、俺に手を掛け……たところで、俺のスマホの着信音が鳴り響いた。
「す、すいません。ちょっと」
自宅からの着信。何かあったのだろうか。
「もしもし?」
『もしもし、セイジ?ちょっと、あれなことになってるから、早く帰ってきた方がいいぞ』
あれなこと?
「おい、あれなことってなんだよ!ちょっ、おい!」
既に、通話が終了していた。何かいやな予感がする。
「ど、どうかしたの?」
「すみません急用が……」
俺は、それだけ言うと、ダッシュで家に帰った。




