22話:死古具
その放課後、俺は、生徒会室にいた。
「それじゃあ、昨日の見回りの報告をするわ」
会長の一言で、会議が始まった。
「えっと、僕たちの方は、何も進展はありませんでした」
篠宮は、まだ知らないらしい。昨日の一件を。
「あぁ……。あの男、こっちで見つけて捕まえたわ」
「えっ……?」
篠宮は絶句した。流石に、報告しといてもいいだろう。
「その際、清二君は開花したの」
「開花……ですか?」
副会長の問い。おそらく、どんな古具だったのか聞きたいのだろう。
「古具名は《殺戮の剱》。死古具の一つよ」
死古具?昨日も聞いたが、なんなのだろうか?
《剱、斧、鎚、槍の四つの古具だ。それぞれ、最強にして最凶の覇の力を宿すものだ》
頭の中に声が響く。なるほど。《殺戮の剱》以外にも危険なものがあるのか。
「……剱を狙うのではなく、所持者を狙うのか。だとしたら」
「青葉君、どうかしましたか?」
副会長が俺に問う。
「あ~、報告し忘れてたんですけど、昨日、聖王教会の円卓の騎士とか言うのに会いまして」
「ッ!」
あからさまに顔に出たのは篠宮。
「聖剱使いに会ったの?大丈夫だった?」
「ええ、まあ、アーサーって奴だったんですが、まあ、話すだけ話して消えました」
「青葉君。奴等、何人来てるか言ってたかい?」
真剣な篠宮。一体何があると言うんだ。
「アーサーとガウェインとトリスタンの三人だ」
「急用が出来ました。僕は、帰ります」
篠宮?まさか、一人で、相手をしようって言うのか。
「ちょ、真琴?」
会長の声には、耳も貸さず、走っていってしまった。




