17話:確認
Scene真琴
僕は、青葉君の家の前に訪れていた。昨日に引き続き、彼の家を訪れたのには、理由がある。彼がこないだ遭った事故について詳しく知りたいのだ。横断歩道に入る寸前のところで、暴風でも吹き荒れたかのようになっていたと言ったが、実はそれだけではなかった。地面には、風の痕以外にも何かで抉ったような痕があった。それに、周りの信号機の下の方やガードレール、トラックにも、何かで切りつけたような痕があった。そう、剣を振り回したかの様な痕跡。それの正体が知りたい。もし、第三者による介入がなかったのであれば、アレは……。
「何だ、今日もか?篠宮」
「やあ、青葉君」
僕は、彼に挨拶をする。整った顔立ち。彼は、僕のことを「イケメン」なんて言うけれど、それは、彼もだ。僕のファンだと言う女の子達に聞いたのだが、彼のファンもそれなりに居るそうだ。僕と人気を二分していて、影では、「三鷹丘二大美男子」なんて呼ばれているらしい。何でも「笑った顔がカッコいい篠宮」と「クールで冷たい瞳の青葉」だそうだ。青葉君に対するファンは、自分で、囲みに行ったりしないらしい。なんでも「影から見ている方が、素のカッコよさが見れる」からだそうだ。うらやましい限りだよ。僕は、毎日、女の子の相手をしなくちゃならないんだから。
「今日は何のようだよ。また、昨日みたいなことするんのか?」
「ううん、今日は、久々に見回りだよ。校門集合だって。というか、メールアドレスくらい交換しようよ」
僕は、スマートフォンを取り出す。
「オーケー」
暫し、僕と彼は、メールアドレスと電話番号の交換を行った。
「よし、っと。ああ、そうだ。今日は、カナタさんと青葉君。美園さんと僕の組み分けらしいから」
「げ、会長と一緒か……」
少し嫌そうな顔をしていた。普段のボケとツッコミの息が合っているから、不仲ではないと思うんだけど、何故、嫌がっているのだろうか。
「カナタさんと一緒だと何か問題でもあるのかい?」
「いや、別に問題はないんだが……」
彼は、溜息をついた。




