156話:《第五階層:蒼天神話》
Scene清二
俺は、今、仲間の強さと言うものが感じられていた。世界を「蒼」に塗り替え、感じられたもの。それは、
アリスの約束
会長の思い
副会長の恋慕
篠宮の心強さ
煉巫と愛情
白羅の決心
それら全てを心強くこの身に受け止め、力に変える。|《蒼刻―蒼天》《ブルー・エデン》は、己を世界に解き放ち、他人の思いと願いと希望を力に変える。そして、神の力を昇華させる。古具は本来の姿を取り戻し、聖剱は威力が上がり、神奏の龍を宿し者は龍の力を引き上げる。俺は、それら全てを己の力へ還元させる。
――「蒼」に染まった世界が姿を取り戻す――
「行くぜ、糞爺」
神速で、爺さんの後ろに回る。そして、剱を振り落とす。
「ぬん!」
爺さんは、槍で剱を弾こうとする。それを、会長の羽衣が押さえる。槍が切り裂いたが、突如槍が地面に減り込むほど下がる。それを機に、俺の剱と白羅の蹴りが入る。しかし爺さんは、槍を捨て、剱を右手で受け止め、白羅の蹴りを右足で押さえ込む。だが、煉巫が即座に《緋王朱雀》と《炎を纏う剱》で切り込む。それを左手の指で二本とも白羽取りした。
「ぬぅ、やるのぅ、小僧供がっ!」
そして、爺さんの死角から、もっとも頼りになる騎士様が、駆けてくるのが俺には見える。へっ、行けよ、アーサー。
「《Collbrande.E.X.》ァア!」
死角を衝いた一撃で爺さんにコールブランドが刺さる。
「なっ、に……。ま、まさか、また、この剱に殺されることになろうとは……」
龍神が最初にカリバーンを見たときに言っていた。終わりの時を刻んだ剱と言っていた。それは、神とコイツが戦った時にカリバーンでコイツを切ったということだろう。




