151話:《第五階層:剣製龍殺》
Scene美園
私は、考えていました。この状況で何をすべきかを。何をすれば、どうなるかを。しかし、私には分かりません。何をすればこの状況で一番有効なのか。そして、私の中の何かが囁くのです。
――あの剱を手に入れなさい
そう、囁くのです。私の視界に映っている二本の剱のうち、何かが指しているのは《龍滅の剱》のことでしょう。
辰祓。辰、すなわち龍。龍を祓う一族。それが私の一族です。ドラゴンキラー。ドラゴンスレイヤー。龍滅士。龍殺士。様々な呼ばれ方をする私の一族ですが、その力、根源は、その身に宿る、龍を退治する力。しかし、その血は、薄れ、もはや私に力はないに等しいです。
――そんなことは無いわ。貴方には力があるわ
何を言っているのかしら。あるわけが無いといっているのに。
――恋は、時として、己の本能を呼び起こすわ
恋?それは、私が彼に抱いている恋愛感情のこと?
――そう。そして、貴方は、今、「蒼」のオーラを浴びて、裡なる力に変革が訪れた。さあ、目を醒ましなさい
|《刀工の龍滅刀》《スミス・ドラゴンキラー》
これが、私の「古具」。
――力が、呼応する。
そして、手を伸ばす。無意識のうちに、《龍滅の剱》へと……




