148話:《第五階層:蒼紅白鐘》
長い、とても永い、そんな階段をゆっくり時間をかけて登る。煉巫の回復能力で俺の右肩の傷は癒えた。それに、聖の魂の《蒼き力》も回復したようだ。これなら、
何だ、あの鐘は。大きな鐘。それを囲うように木の枠が組まれている。
「これは、《夢見櫓》!」
アリスが真っ先に声を上げる。
「ほう、ここまで来たか。小僧供」
爺さんが、口を開いた。よく見ると、囲いの木枠の両端に|《炎を纏う剱》《レヴァンティン》と|《龍滅の剱》《アスカロン》が刺してある。
「よく来た、我が塔へ!」
我が塔、だと?ここは、
「今や、この地に眠りし、塔は我が手中に落ちた。ここから、世界を制圧できる」
爺さんの言葉を聞きながら、俺は、ありったけの《蒼き力》を集める。
「さあ、残る障害は貴様等だけ」
爺さんは、槍を手に出現させる。
「さあ、今すぐ、死ね!」
両端の剱から炎と光が鐘を包むように木枠を進む。
「これは、」
何かやばいものを感じ取り、《蒼き力》を解き放つ。聖のも、神に頼んで手に入れたさっきの力も同時に。
|《蒼刻―燦天》《ブルー・スカイ》
|《蒼刻―淵爛》《ブルー・アビス》
二つの力は、合わさり、究極の《蒼刻》となる。
|《蒼刻―蒼天》《ブルー・エデン》
世界も、己も、全てが「蒼」に塗り替えられる
さあ、はじめよう、最後の戦いを




