118話:魔剱―聖剱Collbrande―
Scene Arthur
私は、思考を巡らせていた。魔剱。セイジがそう言って、向こうも認めていたということは、あの剱が《グラム》であることは間違いがないはず。それで、こちらの手元にあるのは、《聖王の剱》《Excalibur》と《黄金の剱》《Collbrande》の二振りの剱だけ。あのグラムが龍滅と言うことはセイジが前に言っていたけれど、それ以外、何も分からない。とりあえずは、先手必勝、かな
「セイッ!」
私は、Excaliburを一閃、横に薙ぐ。
「ふむ、ハッ!」
それを、難なく受け止めたバライド。これは、とても苦戦する戦いになる、かも。そんなことを考えながら、さらに、足に力をいれCollbrandeを振るう。
――シュパッ
極小音の音と共に、避けたバライドが先ほどまでいた場所の壁が大きく切り裂かれた。
「何っ?!」
バライドが初めて見せた驚嘆の顔。
「その剣、《カリバーン》じゃないのか……?!」
そう、いまや、《黄金の剱》《Collbrande》は、その力、強度、輝き、全てにおいて《選定の剱》《Caliburne》を上回っているのだ。
「これは、残念ながらCaliburneでじゃない。Collbrandeだ!」
その言葉と共に、再び斬り抜く。転がるようにバライドが避ける。だが、
「ハッ!」
Excaliburをバライドの進行方向に投げる。
「ふん!当たらんぞ!」
それはそうだろう。だって、私の目的は、
「セイヤッ!」
Collbrandeを下から上に切り上げる。再び避けるが、その先には、Excaliburが。
「何ッ、これは、」
「これで終わりだ!」
私は、Collbrandeを突き出す。
「ハァアアア!」
バライドは、《グラム》を咄嗟に身を護る位置に持ってくる。そして、私のCollbrandeは、――《グラム》を貫いた。そのままの意味だ。そして、Collbrandeは、そのまま、バライドを貫こうと真っ直ぐ進んだ。




