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《覇》の古具使い  作者: 桃姫
美園編―間話―
112/159

111話:パーティー

パーティーにやってきた。

「招待状を拝見できますか?」

受付の人に尋ねられ、招待状を見せる。俺が見せたのは、天龍寺家から届いた方の招待状だ。

「天龍寺様(ゆかり)の方なのですね。凄いですね。それでは、お先へお進みください」

俺は、扉を通される。そこには、様々な人が居た。財界の有名人。政界の著名人。有名なアイドル。だが、そんな中で一際人だかりが出来ているところが二箇所。俺は、そのうちの一方へ歩み寄り、人波を掻き分け、中心に辿りつく。そこには、見知った方々。

「この度はご招待ありがとうございました」

俺は、一番近くに居た深紅さんに語りかけた。

「ん、来たのか。よく来てくれたな」

「ええ、ご無沙汰しております」

深紅さんは、自分の髪と同じ色の深い紅のドレスを着ている。その近くに居る会長も、鮮やかな赤いドレスが非常に似合っている。馬子にも衣装、か。

「あ、清二君、今、馬子にも衣装とか思ったでしょ」

と、目敏く、声をかけてくる。回りから、あの急に現れた男は誰だと声が上がっているのが分かる。それはそうだろう。有名人でもなんでもない俺が、天龍寺家の人と普通に話していたら何者だと疑われるに決まっている。

「あら、青葉君じゃないですか」

副会長が合流してきた。その後ろには舞子氏と宰蔵氏も居る。

「どうも、副会長。舞子氏もご無沙汰しておりますね」

俺の挨拶に会釈で返す二人。

「先輩、紅紗ちゃん、久しぶり」

「おう、舞子久しぶりだな」

「舞子ちゃん元気そうね」

どうやら舞子氏の先輩は深紅さんだったようだ。

「それにしても凄いな」

先ほどまで二つだった人だかりは、今や合わさってとても大きな人だかりとなっている。

「あの、天龍寺様、立原様、その少年は?」

「あら、花月さん。この少年は、歩く図書館ですわ」

冗談交じりに舞子氏が花月社長と思われる人に告げる。

「完全武装剣士とも言うな」

深紅さんの追言。

「俺の扱いって」

「大丈夫ですよ、清二さん!清二さんは、凄い方で優しい方って言うのは、私がわかっておりますから。不名誉な敬称など気にしないでください」

秋世が、声をかけてくれた。

「秋世、ありがとう」



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