その95.結局頑張る
志保ちゃんは帰った。
我に返ったように涙を拭いて、慌てて僕にひとしきり謝った。
その後、彼女は逃げるように帰って行った。
白い病室で一人取り残された僕の心は重い……。
正直に今の気持ちを表すと……。
め、めんどくさい。
何で僕なんだ!? 僕はこの通り貧弱この上無いですよ!?
誰よりも弱いですよ!? 誰よりも……。
あ。
志保ちゃんよりは強いか……。
めんどくさいけど、じゃぁ仕方ない。
仕方ないね……。
まずは。折角作ってたステージの土台を完膚無きまでに潰されたし。
仲間集めだ。
僕はベッドから降りるとドアに向かう。
腕はめちゃくちゃで、歩くたびに振動で痛みが走るけど。
いつも笑ってる何でも知ってる情報屋はいない。
不器用な正義感熱血バカもいない。
兄貴の方の毎日僕と一緒に居た超バカもいない。
そんな変人の後ろから、はにかんで付いてくる僕の癒しまで泣いちゃって。
なんだかんだで。
僕の……好きな空間だった。
取り敢えず。
僕の好きな空間を取り戻す!!
痛みに歯を食い縛り、勢いよくドアを開ける。
こんな事は毎回の事だ。
痛みにだけは強いよ僕は!! もう普段からやられっぱなしだからね僕は!
だからこそ戦える。
幾らでも、何度でも立ち上がる。
綺麗に戦う事なんて考えていない。
どうせ僕には出来ない事だ。
汚らしく足掻いてやるよ。
踏まれても踏まれても立ち上がる。
それが僕の唯一の力だ。
諦めない。
あの会長に後何回潰されようが。
反撃……開始だ!
見てろよクソ会長!!
あ、変態の事忘れてた。
短くてスマセン……
就活決まりそうです。もうすぐ学生も終わりかと思うと寂しいもんです。




