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その83.巡って

 授業終了の音が鳴った。

 よっし! 鳴ったな! 急ぐか!

 バカサクに頼ろうと思ってた僕がバカだった!!

 自分の力でも頑張らないと!

 チラッとバカサクの方を見てみる。

 燃え尽きとる。

 いや、萌え尽きてるのか?

 体は真っ白な灰なようだが表情は満面で満足げだ。

 ……無駄に楽しそうだなオイ。



 取り合えずダッシュで教室を出る。

 実は探し回って一つ見てなかった所がある。


 生徒会室だ。


 あそこには女装時に一度行ったがもう一回行きたいとは思う所じゃない。

 僕は襲われそうになったんだぞ!?(男に)

 だが見て居ない所はあそこだけ。

 逆に考えればあそこまで探して見つからなかったという事は。


 ミホと縁はあのクソ会長に捕まっている!

 そしてあんなことやこんなことになっているのかもしれない!!


「へーじよぅ、何処に行くか知らねーがよー何かお前に卑猥なイメージが見えるから一緒に行っていいか?」

 変態アズキが何かニヤニヤとした表情でコッチを見てきやがる。

 何だコイツ。

「何だ。お前変態に関してのアンテナ鋭すぎんか。何で人の頭ン中の事までアンテナビンビンになるんだよ。」


「おうよ、股間のアンテナもビンビンよ!」


「黙れ!」

 凄いドヤ顔で言われたのでつい思いっきり怒鳴ってしまう。 

 変態な事に関してはホント凄いなお前。


「って別に卑猥なトコなんか行かねーよ! 来ンな! 帰れ! お前は変態なメンツとワーワーやっとけ!」


「お、俺は別に覆面集団のリーダーなんかじゃ……」


 もういいやメンドクセーさっさと行こう。

 僕は慌てふためいているアズキをサッサとシカトして僕は廊下に出た。


 ……僕の友達。

 何で男も女も変なのしかいないの……。





 生徒会室前まで来たけど。

 さてどうしよう。

 覗きこんでクソ会長がいたら確実に僕は殺られる気がする。

 でも縁とミホがいるかもしれないし……うーん。

 誰かまともな生徒会役員が出てきたら話しかけてみるか?

 生徒会って雑務の人数結構多いしな。一人くらいまともなのに……て捕まってるとしたら、誰も言わないか。

 うんうん、と考え込んでいると目の前のドアが開いた。

 あ、ヤバ、と瞬間的に考えるも既に逃げ道は無い。


 開いた先にいたのは。


 クソ会長。


 予想外というわけでは無いが表情がひきつる。


 会長は分厚いメガネからジロリと僕を睨む。

 正に蛇に睨まれたカエル状態、僕は動けないでいた。


「どけ」


 会長はその一言で軽く肩をぶつけただけだった。

 腹が立つが、胸を撫で下ろす。

 よし。今のうちに中を調べてしまおう!


 会長が背を向けたのを確認する為、視線を会長に向ける。


 ……僕の視線は会長の背中より。

 会長の手に吸い寄せられた。

 会長の手からユラユラと揺れるものが見えた。


 赤いロザリオ。

 見間違えるはずが無い。


 彼女が肌身離さず持っていたソレだ。

 


「待てよ」


 僕は無意識に声が出た。

 僕の言葉に会長はピタッと止まった。

 振り返った会長が、何故か不敵な笑みを浮かべていた。

 何故かその時は何も感じなかった。

 頭よりも、怒りが込み上げていたから。

 何故をそれをお前が持っている。


 彼女に。


 縁に何をした!!!


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