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その67.解らないことが新鮮な私

 私の能力のお陰で変態達に会わずに済んでいるので、順調に一階に進んでいた。


 心の声がそこらじゅうでしていて大きいか小さいかでしか道は解らないのだけれど。

 声としては、雑音過ぎて最早殆ど聞き取れてはいない。

 今の私はノイズが頭に響きまくるだけで、人の心を読む力はもう無いに近い状態。


 水歩さんは素直に一々道を変える度、大丈夫かを私に聞いてくれるので助かる。

 何故その道が危険なのか、というのが解るのも聞かないでいてくれている。


 おかげで後は目の前の階段を降りたら一階に到着。

 といっても学校の中を変態達と会わない為にグニャグニャと歩き回っているからここまで来るのには大分かかっているけれど……。


 階段を目の前にして水歩さんが私に視線を送る。


「どう? こっちは大丈夫?」


 水歩さんの言葉に私は恐る恐る頷く。


「はい、こっちからは声……いえ多分大丈夫です」


「……ん、オッケー解った」

 慌てて言い直すも、水歩さんはそこまで気にする様子は無かった。

 そう、この下からは大量の声はしない。

 小さい声……だと思う。


 水歩さんが階段を降りようとした時、突然水歩さんのポケットが鳴り響いた。

 ……これは水歩さんのケータイ?

 降りようとした足を戻すと、水歩さんはケータイを取り出す。

 ケータイの表示部分を見た水歩さんは、何故かニヤッと嫌な笑みを浮かべた。

 声が聞こえ難い状態の私としては誰からの電話で何故そんな笑みを浮かべたのかは解らない。


「連絡がおっそいんじゃないの~?」

 そう零すと携帯を耳に当てた。

 私はポカンと水歩さんを見ているだけ。


「うん、うん……あいぁぃ~オッケェー?」



 何度かのやり取りの後、電話は切られた。


 水歩さんは踵を返すと階段に背を向けた。

 つまり私と向き合った形になる。


 軽く首を傾げる私に水歩さんはニコッと笑いかけてきた。


「あの子の居場所が解ったよん」

 先程の電話がどうやら水歩さんの後輩である事は微かに心の声で解った。

 変態達の中に忍ばせてへーじさんの行動を見張っていたらしい。

 こういう所はホント抜け目無いですね……。

 それにあの変態達の中に後輩を忍ばせるって結構酷いです。

 まァそこは水歩さんだから気にしない事にしとこう。 



「解ったんですか?」


「うん、今は校長室に立て篭もってるみたい、もう下におりる意味は無さ気ってね?」

 変態達に追われて一番苦労してるのはへーじさんらしい、男の人なのに可哀想に……まァあんな可愛い男の子いないけど。


「散々追われてるみたいですね……」

 そう言いつつ水歩さんをジトーっと見てしまう。

 そんな私の視線に水歩さんはごまかしたように笑う。


「ア、アッハハ? まァ無事だから良いじゃんかー?」

 水歩さんのせいなんですけどねー……。


「私達に全然会わなかった分、あっちに行っちゃってるのかもねェ?」

 う……そう言われると、能力を酷使して会わないようにしまくった私のせいでもあるのかな?

 ……いやいや元はといえば水歩さんが悪いのよ、うん私じゃない私じゃない。

 自分の微妙な罪悪感をブンブンと首を振ってかき消す


「そ、それよりどうするんですか? 立て篭もってるなら会いに行きようが無いですよね?」


「んー……多分、校長室にはあの駄目教師がいるだろうしー……」

 駄目教師とは、あの白衣で眼鏡の教師のことかな?

 いつかでへーじさんの心の声を聞いた時、白衣教師に対して駄目教師発言がされていた。

 多分、教師の事かな。

 色んな所で駄目教師発言をされる程に駄目なんですか、あの教師……。


 でもそれがなんなんだろう?

 その駄目教師が居るのなら何か良い事があるのかな。


 水歩さんはニヤッとまた嫌な笑みを浮かべる。


「どこにでも秘密の通路ってのはあるんだよん?」

 ……は?

 水歩さんの冗談っぽく言った言葉が嘘か本当かが解らない。

 心が聞こえ難いと色々と不便。

 少し新鮮ではあるけど。


 でも、いろんな人の心は聞いたけど、隠し通路とかそんなの始めて聞いたんですけど……

 

 

「あの駄目教師なら隠し通路のこと教えそうだし、待ち伏せしますかー?」


 そんなの知ってる水歩さんは一体何者……。

 いくら心の声が聞こえる私でも、そればっかりはわからないみたい。

 今日は色んな声が混じっていて水歩さんの声が聞き取りにくくて何を考えているか良く解らない。

 雑音が多いのは嫌だけど、人の心が読み難いって言うのも中々珍しくて良いものね。


「それでその隠し通路なんてのは何処にあるんですか?」

 私が質問をすると言うのも珍しい事だけど、水歩さんは何も気にせずニンマリと笑った。


「隠し通路はねェー」

 意味深にもったいぶりながら階段のすぐ前にある教室のドアの目の前に立った。

 この教室の中に隠し通路があるんだ……! なにやら気持ちがドキドキしてしまう。

 隠し通路だと言うのだから黒板が裏返ったり掃除ロッカーの中が通路になってたり……そんな漫画チックな展開を期待してしまう私はちょっぴりオタク。


 水歩さんがドアに手を掛けると横に引いた。

 一体、この学校にはどんな仕掛けが……!?


 ドアが開いた目前は、一見ただの教室でしかし大きな仕掛けがある……わけでは無く。


 ドアが開いた先にあったのは狭い通路であった。


 ……?


 水歩さんがバスガイドのように手を指し伸ばして見せる。


「はい、ここが隠し通路でーす」


「……隠れて無いですよね?」

 ドアを開いたらスグ通路。

 仕掛けもクソも無い、どストレート。 というかこのドアの意味はあるんですか?


「何言ってんのよ! この予想外すぎる所が逆に隠せてるんじゃない!」


「逆に逆に隠せてないですよ! 180度予想外を狙って360度まで帰って来てるじゃないですか!」

 考えすぎて失敗したパターンなんて見たくなかったですよ! もっとありがちな感じで良いんですよ! 意外性を狙い過ぎて普通に萎えましたよ! あ、萎えるとか使っちゃった、いっけなーいテヘ☆


「良いと思うんだけどなー……」とかブツブツ言っている水歩さんと共に取り合えず先に進むことにした。

 ……やっぱり変な期待するよりも心が見える方が驚かなくて良いかも。ハァ……。

某掲示板で小説の評価をしてくれるということで、これの原作暴力熱血と貧弱毒舌男を晒してみようと思いました。

毎日更新してたし実はちょっぴり自信があっての行動だったのですが……。


結果は惨敗……orz


見事なまでに指摘されまくり全部読まれる事無く飽きられる始末。

自分の実力不足に泣きそうになります。。。

こんな駄作を今まで読んで頂いていると解ると嬉し申し訳恥かしいです;;

が、頑張ろう。

今回を気に現在幾つかの執筆している小説をもっと本格的に書いていこうと思いました。

ですので、こちらの方の執筆が遅れるやもしれませんが、温かく見守って頂けると幸いです。

こんな駄作ですが最後まで書ききる事が書いている人間の責任だと思っています。

もう少しお付き合いして頂けると助かります!


いやもう一個の方はずっと更新停止していますけどね…(汗

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