気のいいガメラとJK。
「貴方が玄武さんですわね。わたくし全力を尽くしますのでよろしくお願いしますわ♪」
「ほっほっほ。これはなかなか気持ちのいいお嬢さんだ。こちらこそ宜しく頼むよ。先ほどの試合を見ていたらとても期待値が上がってしまったよ。是非とも愉しませてもらいたいものだ」
「よ、よろしくです!」
キャロちゃんとガメラ……じゃなかった。玄武の会話を聞いてカナも一歩前へ出る。
「ふむ……このお嬢ちゃんからは初々しさが感じられるな。若さの力というのを見せてもらおうか」
なかなか人格者のようだ。亀のくせに。
「ではそろそろいいかのう? リングの修復も終わったようじゃし第二試合といこうか」
朱雀の合図で玄武、カナ、キャロちゃんがこの場から消えてリング上へ移動する。
「はいはーいお待たせしましたぁぁぁ! リングの修復なんて面倒な事どうして私にやらせるんでしょうね分かりませんけどとにかく第二試合の開始ですよーっ!」
ナビ子がぴょんぴょん飛び跳ねて試合開始の合図をした。
玄武はその場に仁王立ちしたまま動かない。
どうやら二人の実力を見極める為にしばらくは受け身に回るつもりのようだ。
「ではさっそくわたくしから行かせてもらいますわっ!」
キャロちゃんは勿論フル装備。
神風のスカートと韋駄天の下駄、そして頭には意味がなさそうだけどふわねこカチューシャを装着している。
魅了効果が玄武に効くとは思わないけど、可愛いからグッジョブ。
キャロちゃんは一度しゃがんで下駄の鼻緒を撫でると、鼻緒が赤くぺかぺかと発光し、禍々しいオーラを放ち始めた。
やっぱりあの下駄……能力の高さと同じくらいどうしようもないド変態だな……。
「さぁ、思う存分やってみるがいい」
「とりゃああっ!!」
キャロちゃんの姿が消える。
いや、正確には物凄い速さでリングを駆け回っているんだけど、私が知っているキャロちゃんの動きじゃ無かった。
確かあの下駄の力は素早さを+50%するという物だった筈。
きっと彼女は素早さの基本値がかなり上昇している。
神風のスカートでブーストされた素早さに50パーセント上乗せ。
本気を出したらそりゃもう目で追える範囲を超えてしまう。
私もスロウが無ければ分からないだろう。
と言っても、気が付いたら見失っちゃって、映像のどこに映ってるかを探すのが大変だったりする。
いくら玄武と言えどこのスピードを感知できるとは思えない。
「これは……甘く見ていると痛い目にあいそうだ」
玄武はそう言ってとても楽しそうにガハハと笑った。
第二試合が始まりましたが、鍵はカナがどこまでやれるか、でしょうか(;´∀`)






