第二試合に期待するJK。
「……すまん。完全に私のミスだ……責めるなら責めてくれて構わん」
なんだか珍しくマスターがしょんぼりしている。
「責めてほしい人を責めてもご褒美にしかならないしめんどくさいからやだ。それよりイル君とハム子は大丈夫なの?」
「……相変わらずだな君は……あの二人は今頃蘇生されているはずだよ。すぐにこちらに合流できるだろう」
「そっか。それだけ分かればいいよ。だって次はキャロちゃんだし。負ける気がしないっていうかさ」
嘘。神様と戦うなんてなったらキャロちゃんの超人化はかなりリスキーだ。
発動したらその勢いで倒し切らないと後が無い。
キャロちゃんと一緒に出るのは……カナか。
私はカナの強さや、修行でどうなったのかはよく分からないけれど……どこまでやれるだろう?
マスターがキャロちゃんと組ませたんだからそれなりの理由がある筈だけれど……。
「まずは我々の一勝だな。てっきり白虎の奴が負けたかと思ったが……」
「全くだ。肝が冷えるとはこの事だぞ」
朱雀が私達に話しかけてきた所で、どこからともなく白虎が現れ会話に混ざってきた。
「お嬢、すまねぇ……負けちまった」
「その……ごめんなさい」
イル君とハム子はがっくりと肩を落としていたが、二人の背中を白虎がバシバシと叩いて笑う。
「お主等はよくやったよ。非常に楽しかったし、一歩間違えば結果は変わっていただろう。誇っていいぞ。儂はお前らが気に入った」
白虎は戦闘中とは違いにこやかな笑顔で二人を褒め称える。
「儂としては神の座などお前らに譲ってしまってもいいと思っているが……これも決まり事よ。最後まで試合を楽しもうではないか」
私この白虎を誤解してた。もっとぶっきらぼうで頭の固い老害の類だと思ってたけど、自分が認めた相手にはとことん優しい。
「さて、第二試合の準備の方に取り掛かってもらおうか」
朱雀が仕切りなおすかのように話を進め、キャロちゃんとカナが前へ出る。
「キャロちゃん、一発かましたれっ!」
「勿論ですわ♪ わたくし、死なばもろともですわ!」
うーん、それちょっと使い方おかしいかもしれない。
「先輩! 私……頑張ってきます!」
「うん、期待してるから頑張ってね」
気合を入れるカナ。
ゆゆは心ここに有らずな感じで頭を撫でる。
「次の試合の結果はかなり重要だからね。つまらないミスをしない事、それと死んでも勝つ事。お願いね」
「先輩……! 私頑張ります!」
これだけプレッシャーを駆けられたら普通委縮するものだけれど、キャロちゃんもカナもそういう意味ではきちんと力が抜けていていい状態だ。
「ほっほっほ……儂の相手は嬢ちゃん達か……できるだけ長い時間楽しませてくれる事を祈ろう」
背中に大きな甲羅をつけた亀が前に出る。
見た感じはほんと亀。二足歩行だけど……。
どっちかって言うと人より少し大きいくらいのサイズのガメラ。
大きい亀なのか小さいガメラなのか……。






