第一試合を観戦するJKその二。
イル君の振り下ろしたドスを白虎は指二本だけで挟み込んで受け止めた。
「なにっ!?」
この声はイル君ではなくて白虎。
イル君は振り下ろしたドスが受け止められるのを分かっていて、白虎が受け止めた瞬間手を離し目の前に着地。
「くらいやがれぇぇぇぇっ!」
イル君は何故か自分がかけていたサングラスを取って、それを握りしめて白虎のお腹を殴りつけた。
その瞬間とても強い光が迸り……。
「……何がしたいのだ貴様はっ!」
白虎の回し蹴りでイル君が吹っ飛んだ。
さっきの光はなんだったんだろう?
白虎は全くと言っていいほどダメージを受けてないし。
「奇襲作戦はなかなか面白かったがその後がよくない。なんだあのへっぽこパンチは! あの一撃でこの腹筋をぶち抜くほどの攻撃をしてみせよ! さもなくばいくら攻撃を当てても勝つ事など出来んぞ!?」
イル君は今の一撃でかなりのダメージを受けているらしく、フラフラしながらやっと起き上がる。
「大丈夫ですか?」
「あ、あぁ……なんとか当てはしたが……」
「何、今ので十分さ。君らは良くやったよいい連携だった」
マスターは腕組みで仁王立ちしたままふんぞり返ってる。
あの光に何か秘密があったんだろうけど……。
「しばらくは様子を見てやろうと思ったが辞めだ。これ以上期待できそうにないなら早々に潰させてもらうぞ」
白虎が思い切り地面を踏みしめ高速でマスターたちへ向かう。
ハム子は慌てて飛びのこうとするが、彼女を追いかけるように白虎が軌道を変えて背中を蹴り飛ばし、反対側の場外まで吹き飛んだ。
「ハム子!」
「人の心配をしている場合ではないだろう」
今度はイル君の目の前まで移動するが、あまりに早くて反応出来てない。
そのまま白虎のボディブローを受けてしまってリングの周りに張り巡らせてある透明な障壁みたいな物に激突して血を噴き出しながら落下。
そんな状態でもマスターは動かない。
「こいつらでは話にならん。響子、そろそろお前が空いてしてくれるのだろう?」
「いいや、私はもう少ししてからかな」
ハム子がリングの上に這い上がり、再び銃撃を行なう。
その一発一発が大爆発を起こしているが、効果的なダメージは与えられていない。
それどころか銃弾の軌道を複雑に操っているにも関わらず段々と弾道を見切られ、銃弾に拳を合わせられ拳圧で弾丸が明後日の方角へ逸れてしまう。
だが、吹き飛ばされた銃弾がまるで意思を持っているかのように全て白虎の方へ吸い寄せられる。
白虎は爆発を受け止めるか、吹き飛ばしてまた返ってくる銃弾を再び吹き飛ばすという連鎖に入った。
「なんだこれは……! いくらなんでもおかしいだろう!」
白虎がほんのりと焦りの表情を浮かべた。
そして、その最中。
ハム子は無限リボルバーを変形させる。
質量が増えて巨大な砲台になった。
「くっ、一体何をするつもりだ……しかしこんな弾丸などっ!」
白虎は敢えてすべて自分の身体に着弾させる事で全てかき消し、ハム子の方へ向かおうとした。
「さて、やっと私の出番が来たね」
思いのほかいい勝負をしていますが、どんな決着を迎えるのか……(;´・ω・)
もうすぐ決着ですので見届けて下さいませ♪






