神との闘いに臨むJK。
「ほう、逃げずに来たか。しかしあの時の続きが出来るというのは心躍るのう」
「そんな楽しみにしてるのはおっさんだけじゃない?」
明らかに私の方を見て青龍のおっちゃんがにやにやしてるのが気持ち悪い。
「あの時みたいにはいかないから覚悟しといてね」
「今度は儂も本気を出せると思っていいのかな?」
「これこれ。お前らの出番はまだまだ先じゃぞ。まずは白虎。相手をしてやってくれ」
朱雀の言葉に、後ろで腕組みをしていた白い大きな虎の人が前に出る。
「ねぇねぇ、私ダンジョンの中ででっかくて白い虎と戦ったんだけど、あれが白虎だと思ってた……白い虎だから勝手に白虎って思ってたんだけど間違ってたんだね」
ゆゆが私の肩を叩いてそんな事を言いだした。
アレは白虎っていうかただの白い虎のモンスターだった。
それだけの事なんだけど、目の前にいる白虎は結構ご機嫌斜めになってしまった。
「白虎というのは我の事である。お前が何を見て何と戦い白虎と認識したかは知らぬがそんな物と一緒にされては困る。なんならそれと我の力の差を身をもって確かめてみるか?」
ああ、ただのモンスターと一緒にされたのが腹立ったみたい。
「イキってるところわりぃんだけどよう。あんたの相手は俺達なんだわ。白虎だか白子だかしらねぇけど目の前の相手倒してから騒げや」
ゆゆの前にすっとイル君が立ち、白虎にメンチ切ってる。
「ふふっ、随分威勢がいいではないか。お前など数のうちに入れておらぬが……響子とチームを組んでいるのなら多少は楽しめよう。いいだろう、朱雀よ。我等を舞台の上へ」
「まったく勝手に話を進めないでほしいんだけどね。まぁいいさ、ではこちら側からは白虎、そしてそちらから鬼太郎、公子、響子の三名を舞台へ」
「ちょっ、私を公子って呼ぶな!」
ハム子課長が朱雀に大して文句を言い終わる前に、三人はここから消えた。
「さあ、我等はここで観戦と行こうじゃないか」
今私達が要るのは神殿の中のホールっぽい場所で、広いには広いけど戦うにはちょっとなって思ってた。
でも戦う場所は別にあるみたいで、朱雀が手を翳すとホールの壁にスクリーンのように舞台が映し出された。
大きな円状の舞台があり、その上に白虎、そしてこちら側の三人が立っている。
「一応ルールを補足するとだ、リングがあるからと言って落ちても負けになったりはしない。……だが、自分の意思でリングから降りた場合はこの限りでなく、降参と見なす」
朱雀が私達に説明した声はスクリーンの向こう側にも聞こえているらしい。
マスターが軽く手を振って了解の合図を送り、ステージの中央にナビ子が現れた。
「さぁさぁ第一試合! 白虎様とマスターご一行の試合を始めますっ♪」
相変わらず緊張感の無い声だなぁ。
神との闘いに挑むJK……というサブタイを付けてから気付いたんですが、第一試合の面子にJKひとりもおらんかった……。






