決意を固めるJK。
「でだ、なんで私まで呼び出される事になってるんだ……? どういう状況なのか教えてくれよ」
ハム子課長が軽く涙目で訴えかけてくるのをどうした物かと考えていると、ゆゆが単純明快に説明してくれた。
「あのね、神様ぶっ殺して私達が神様にならなきゃいけなくなっちゃったから手伝って」
「……え、今なんて?」
「だから、神様ぶっ殺すの手伝ってね。拒否権無いからよろしく」
ハム子がきょろきょろと周りを見渡す。
誰かに否定してほしいみたいだけど、そりゃ無理ってもんだ。だって本当なんだもんね。
「……え、マジなの? え、ちょっと待ってみんなそれでいいの?? 勝てる訳なくない?」
「君はハム子と言ったかな。初めまして。私はダンジョンマスターの響子と言う。残念だけど君と、あとそっちの男性、君らにも協力してもらうよ。もし恨むならダンジョンに関わってしまった事を恨むんだね」
「……マジなの? ちょっとイル、あんたはどうなんだこんな事に付き合うつもりなの?」
マスターによってここに強制的に連行されたのはダンジョンの外で待機していたハム子と、何故かどっかから連れてこられたイル君。
ハム子とイル君って戦えるのかなぁ。
戦力的にはちょっと不安なんだけど、居ないよりマシみたいな感じなのかな?
「俺は……愛菜の為なら何でもするからな。愛菜が神様をぶっ殺さなきゃいけないんだったら俺も手伝うさ」
「マジかこいつら頭がイカレてやがる……わかったわかった、やればいいんだろう? でもあまり期待されても困るぞ? 相手は神様なんだろう?」
「それについては心配しなくていい。ギリギリまで私が徹底的にしごいてやる。今より格段に強くしてやるよ」
ハム子が「うえぇ……」とうめき声を吐き出しながら肩を落とす。
それをイル君が「ま、頑張ろうぜ」と慰める謎の絵面。
「あっ、あの! 私も強くなれますか!? 先輩みたいに……!」
「君は……カナだったかな? 勿論さ、ゆゆと同等というのは時間が足りないが、今よりは何倍も強くしてあげようじゃないか。その代わり、それだけのやる気を見せてくれるんだろうね?」
「当然です! 私頑張ります!」
カナは最初神様と戦うってなってから思いつめたような顔をしていたけれど、何か吹っ切れたようにやる気を出している。
「わたくしもやれるだけやってやりますわっ!」
キャロちゃんはシュッシュッとシャドーボクシングみたいな動きをしながらパンチラしてる。かわいい。
「……ボクも、ゆゆの足手まといにはなりたくない」
今この場で一番強くなりたいという思いが強いのはこの子、もちゃなのかもしれない。
それだけ鬼気迫るオーラを放っていた。
「いいだろう。死ぬ気でやるなら強くしてやる」
「死んででも強くなる」
「いい返事だ」
そう言えばマスターってどんだけ強いんだろう?
彼女がまともに動いている姿すらあまり見た事がないから全然予想がつかないな。
なし崩しで全員参加になってしまいましたがイルとハム子がどこまでやれるのかも今後に期待という事で(笑)






