神と戦う羽目になるJK。
「倒せば神様になれて、全部解決だっていうんならそれが一番手っ取り早いんじゃない? 私神様になってダンジョン消したいんだよね」
いきなりゆゆが意外な事を言い出した。
ダンジョンを消したい……?
チラリとアーニャの方を見ると、動じてる気配は無い。
彼女はもうダンジョンに対する執着みたいなのは無くなったと思っていいのかな?
だったらダンジョンなんて無いに越したことはない。
「ふむ、もし本当にダンジョンをこの世から消し去りたいと望むのならそのチャンスをくれてやろう」
朱雀は楽しそうに笑う。
私達が勝てる訳ないと分かっているから余裕かましてる笑みだ。
「……ちょっと待ってもらおうか」
黙って聞いていたマスターが口を開く。
「なんだ? 響子は何か不満かね?」
えっ、マスターって響子っていう名前だったの? 知らなかった……。
「不満……? いや、その逆だよ」
「ほう? では儂らの余興に付き合ってくれるという事でいいんじゃな?」
「ああ、でも、じい様が今言ったように今のままじゃ本当にただの余興で終わっちゃうだろ?」
朱雀が生首のまま、その眼を光らせる。
「……まぁ、そうであろうな。確かに数名、かなり強いのが居るようだが儂らと戦えば結果は明白よな。ならばどうする?」
「そっち一人に対してこっちは複数で戦う事を了承してもらいたい」
マスターは何を考えてるの? 裏切りになるのを気にしてたくせに。
「それを許可して儂らになんのメリットがある?」
「愉しませてやれるぞ」
「くくくっ……カカカカカッ!! 言いよったな! よかろう。ならば儂らを楽しませてみよ!」
「その言葉が聞きたかった! そういう事なら私も参加させてもらうぞ。そして少しばかり日にちを貰おう」
マスターも参加って、もしかして……。
「ねぇ、マスターも一緒に戦うって事?」
「ああ、私も戦うし、本番までの間皆を得られたからね。本番まで私がみんなを徹底的に鍛えてやろう」
「響子が参加ともなればそれなりに楽しめそうだ。修行に何日くらい必要か教えてもらえるか?」
「出来るだけ長い方がいい。むしろどれだけ待てる?」
なんか勝手に私達が神の座を争って戦う事になってる。
マスターが乗り気になってしまった以上この結論は変えられないだろう。
私達は嫌がっても問答無用で戦わされることになる。
こんな筈じゃなかったんだけどなぁ。
カナとキャロはどうしたらいいか分からず困惑しっぱなしだし、アーニャはなんだかニヤニヤしててやる気だし、もちゃはゆゆがやるならやる、だし。
「二週間だけ待つ。それが限界じゃな」
「オーケー。たっぷり楽しませてやるから待ってな」
誰が誰と戦うの?
てか勝てるのか……?
神様は四人、一対一の戦いではないですが、正真正銘神VS人間という展開に。






