興味が尽きないJK。
「なんかでっかい芋虫いるんだけど……」
崖を渡り終わってしばらく進むと、なんだかにゅむにゅむと妙な効果音を出しながら移動するでっかい芋虫に出会った。
「あ、あの芋虫魔法陣踏みやがったぞ」
アーニャの言う通り、芋虫の足元にチラっと魔法陣が見えた気がする。
かなり動きが鈍いので、少し待ってれば襲われる前にみんなで魔法陣に入れるだろうって事になったから待ってたんだけど……。
「……先輩、あいつ動きませんよ」
「うん、これ寝てるね?」
どう見ても寝てる。
目がどうなってるのかよく分からないけど鼻からぷくーっと漫画みたいな鼻提灯出てるからあれは寝てるだろ。
「ちょっと可愛いですわね」
「キャロちゃん、前から言おうと思ってたけどキャロちゃんの趣味ってちょっとアレだよね」
お嬢がキャロに呆れたような視線を送る。
実は私も少し可愛いと思っていたのに何も言えなくなってしまった。
体は……何メートルくらいだろ。小さ目のクジラくらい?
ぶよぶよの緑色で、よく見ると下にちっちゃい突起状の足がいっぱいついてる。
「なになに……? あー、これ結構面倒そうな相手だよ。名前はまんぷくあおむし。物理攻撃無効で炎も効かないし、中途半端な攻撃すると怒り狂って暴れ回った挙句に瞬間的に羽化しておいかりバタフライになって毒の鱗粉まき散らすってさ」
……はぁ?
「ちょっと待ってお嬢、それ何? 今すっごくふざけた説明が聞こえたんだけど」
「あれ? ゆゆって解説書の事知らない?」
解説書ってなんだよ……。
「この透明なカードを通して相手を見るとね、いろいろな情報が見えるようになるんだよ。敵の耐性とか弱点とか名前と特徴って感じかな。道具とか装備品の類もこれで詳細がわかるよ」
「そんな便利なものなんで今まで教えてくれなかったの……?」
「いや、こんな基本的な物当然持ってるだろうと思ってたんだが……」
アーニャが気まずそうに頭を掻いた。
もちゃやカナに聞いても二人も首を横に振る。
「ほら、私達三人誰もそんなもの知らないよ。お嬢達だけずるくない? 私だってそんな面白解説もっと見たかった」
私、自分でも少し驚くくらい変な物に興味を持つタイプだったらしい。めっちゃ気になる。
「そう? じゃあ……解説書ゆゆに渡しておこうか?」
「ほんと!? 嬉しい!」
私ってば今久しぶりに心の底から本気で喜んでる気がする。
それもどうよ。
二部に入ってから出番の無かった解説書が再び!(笑)
余談ですが、毎日更新していたとある魔王の日記帳という作品が連載丸一年を迎え、無事に完結致しました。
サクサクっと読める日記コメディです♪ よろしければ少しでいいので覗いて見て下さいね☆彡
完結ブーストがかかったのかこれを書いている現在コメディランキング5位まであがってます! やったね!ヾ(*´∀`*)ノ
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