神に片足突っ込んだJK。
「こっちは私が見ておくから出来るだけ早めに帰って来てちょうだいね」
「課長、ありがとう」
皆でハム子課長にお礼を言いつつ、私のダンジョンへと繰り出した。
かなり大所帯だけど、これだけの人数が居ればモンスターが出ても安心だなー。
……のはずだったのに。
「どうしてこうなっちゃうの?」
「嘆いてもしょうがないでしょ? 私はこれはこれでアリだと思うけど。あっちにはアーニャとキャロが居るから心配は要らないしね」
私達はダンジョンを順調に進んでいた。
見た事あるフロアもあったし、見た事ないところもあった。
さっきまでいたフロアは見た事のない場所で、魔法陣がある場所まで辿り着いた……はいいんだけど。
アーニャ、キャロ、カナがその魔法陣に近付いた時、魔法陣が急に発光、クルクル回って近くにいた三人を吸い込んで消えてしまった。
「ボクはゆゆと一緒に居られるなら他は気にしない」
ほんとにもちゃはブレないなぁ。
そう、三人がどこかのフロアに行って、魔法陣は完全に消えてしまった。
「お嬢、あれって結局どういう事だったの?」
質の悪い仕掛けもあったもんだ。
でも正規の魔法陣もあったんだよね。
要するに最初のはダミー? それとも二か所あるのは前提で、あとはどこかで合流出来る?。
もしかすると二つとも正解で、アーニャ達はもう先へ行ってるかもしれない。
それならそれで問題無い。私達はただ進めばいいだけだから。
そもそもここが私の心を反映したダンジョンだって言うならどうしてそんな事するんだろう?
もともと私一人で進んでいたダンジョンだったんだからこんな罠意味ないのに……。
そうか、むしろ……。
孤立させたいのかもしれない。
群れるのが嫌だから、群れてる奴等が嫌いだから。
だから大勢でここに来る人達がいるのなら分断しようって考えたのかも。
私って相変わらず性格悪いね。
でも本当にそれをしたかったんだったらもちゃだけは私から引き離すべきだった。
もちゃは私を必要としてくれるし、私だってもちゃを必要としてるんだから。
もう一人になんてならない。
「おー、なんかごっついの来たねー」
お嬢が呑気な声でモンスターを発見した事を告げる。
そちらを見ると人の三倍くらい大きいサイズの熊と、大きな亀。
ガメラじゃんあんなの……。
「ゆゆ、ボクはどっちを倒せばいい? あともう片方はそこの人がどうにかするでしょ?」
そこの人ってのはお嬢の事だろうけど、当の本人はこっちを眺めながらニヤニヤしてる。
「ねぇ、久しぶりに暴れたいからあいつら私がやっちゃっていい?」
「え、一人で両方倒すって事?」
でも片方と戦ってるうちにもう片方がこっちに来るんじゃないかなぁ……。
「出来るんだったらそりゃ助かるけど……」
「おっしゃーっ♪ じゃあちょっくら行ってくるわ」
そう言って腕をぶんぶん回しながらゆっくりとモンスターに向かって歩いていく。
次の瞬間には大きな亀が甲羅をかち割られてぐっちゃぐちゃになってた。
今回の最期から次回にかけて久しぶりのお嬢の戦闘回です。
バールを持たない彼女は戦い方が少し変化しているのと、人間辞めちゃってるので恐ろしい事になっております(;'∀')






