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素直じゃないデコレちゃん

「あれウールーじゃんどうしたのこんなところで」


「うわ! リングだ! なになにその格好可愛い!」


「今このお店でアルバイトさせてもらってるんだよ」


「へーいいねいいねフリフリのウェイトレス衣装、似合ってるじゃん!」


「私もこの服は可愛くて気に入ってるんだ」


「まあその衣装作ったの私なんだけどね」


「ええ!? そうなの」


「そうなんですよこのお店の衣装はウールーさんに作ってもらったんです」


「そうなんだ」


「リングさんとウールーさん知り合いだったんですね」


「デコレちゃんこそウールーと知り合いだったんだね」


「このお店の常連さんですよ」


「最初はこのお菓子の町をぶらぶらしててたまたまこのお店に入ったんだけどお菓子はおいしいしデコレちゃんのキャラが面白いからついついハマっちゃってさ」


「変なお店にハマったみたいに言わないでくださいよ、ウールーさんに関しては完全に私をからかうために通ってきてますよね?私としてはお菓子の味を気に入って常連さんになってほしいのですが…」


「ウールーの家お金持ちだからねデコレちゃんには悪いけどお高いお菓子とか食べまくってるから相当口が肥えてるんじゃない?」


「そうですよね……私のお菓子なんかじゃまだまだ本物のパティシエの味には届かないですよね……」


「いやいやデコレちゃんの作るお菓子普通に美味しいよ? 高いお菓子もそりゃ美味しいけどさ高いお菓子ってブランドを確立させるために常に斬新な味に挑戦してるから必ずしもどれもこれも高ければ美味しいってわけでもないんだよね、それに引き換えデコレちゃんのお菓子は食べる人のことをちゃんと考えて作られてる温かみがあるお菓子って感じで私好きだけどね」


「お世辞でも嬉しいです、私ウールーさんでも満足できるお菓子を作れるようにまだまだ頑張りますね」


「お世辞じゃないんだけどなデコレちゃんは今でも充分頑張ってるよよしよし」


 ウールーはやはりデコレのことをよほど気に入ってるのか嬉しそうにデコレの頭を撫でる。


「もーウールーさん子供扱いしないでください」


 しかしデコレちゃんは子供扱いされるのがあまり好きではないようだ。


 デコレちゃんがすごいのは分かるけどまだまだ小さな子供なんだから私たちにもっと素直に甘えてくれてもいいのにそれこそリボンやギフトちゃんみたいに私がもっとデコレちゃんと仲良くなってデコレちゃんが素直に甘えてくれるような存在になれたらいいな。リングはそんなことを考えていた。

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