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うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話  作者: 桜月りま
12月26日

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439/531

振り返り中です(雪姫)

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シャワーの音。ユキ目線です

llllllll

 





 ドライヤーで髪を乾かしながら、まだドキドキして。今まで二人で入っていたお風呂場の扉を見ます。彼のシルエットが見えた途端、何だか恥ずかしくて目を伏せます。

 さっきお風呂に入る前……目が覚めて、私は泣いていました。

 だって、酷い事が今、目の前であった事の様に見える、リアルな夢を見たの。小さい賀川さんが酷い目に合ったり、信じられないほど冷酷な事をする夢だったのです。その話を聞かせた途端、賀川さん、何かを思い出したみたいで、震えて、泣きそうな顔していたのですが。

 急にお風呂場に入ってきた彼……お湯を浴びながら話しましたが、すごく近かったのです。私、裸……だったんですけれども……た、立ち籠った湯気で見えませんよね? 見えてないったら見えてないですよね?

 私だって……ちょっとは焦っていたのですが、言葉はゆっくり紡いでいるけれど、辛そうな彼を追い出す事はできなくて。

 受け答えはしていたものの、恥ずかしくって。途中忘れかけていましたが、ペタペタと構わずキスされて、ハッとして、お風呂を飛び出してしまいました。

「……ちょっとびっくりしました」

 前は森の泉で水浴びなんかもしていたわけですが、それは人目がないから出来た事で、今日みたいに風呂場に入られる事とは違うのですよ?

 彼が脱いで、シャワーを浴びる音をドキドキして聞きながら、袋の中から取り出したタオルでもう一度額を拭きました。中には櫛も、ピンも全部入っていて何も困る事はなかったです。

 それも着替えに入っていたワンピースは、淡いピンクに小さな雪結晶と淡い色の花が散ったものです。下着も合わせて薄いピンク。お気に入りのワンピだったので、嬉しかったのです。着てから中に入っていた賀川さんの着替えの袋は置いて、お部屋に戻ります。

 合わせて入っていたリボンで前髪の一部を捻じって後頭部で止めて、残りは流して……

「か、可愛く出来たでしょうか? ベル姉様」

 カワイイ、って思って欲しいのです。送ってもらった人形に話しかけてみます。

「……胸、揉まれたんですけど。触りやすいんですかねぇ……」

 こないだ汐ちゃんとお風呂に入った時も。ベル姉様と入った時も。何かよく触られる気がします。あ、汐ちゃんがやった訳じゃなく、あの時は……

「どしたの?」

「え、あぁ、いつの間に……んんっ」

「可愛いよ、雪姫……昨日の浅い黄緑も良かったけど、ピンク、似合うよ」

 いつの間に服を着て、側にいたかわからないのです。彼の声で気付いて見上げるとそのまま唇を重ねて来て、意識が遠くなるくらい何回も、長い間そうしていて。やっと離してくれた彼に、

「だ、大丈夫なのですか?」

「……大丈夫か、は、こっちの台詞なんだけどな?」

「えっと……」

「見た、って言うなら。気持ち悪かったろう?」

「確かに痛そうだったし、なので……まともには見れなくて」

「だろうね。それでいいよ。今度から変な夢はなるべく凝視しないで……ごめんね、声が聞きたくて止められなくて。見て聞いたら触りたくなって、さ」

「か……かが……アキさん……き……」

「家に帰ったら出来ないからその分……本当はもっと先に進みたいけど、今は君、本調子じゃないから」

 賀川さん、長い事キスしてました。恥ずかしいのに……

 でもとてもとても近くなったような気がしました。今日の賀川さんの服はいつものポロシャツにジーパンではないせいだけではない気がします。

「俺が怖いのは、雪姫に置いて行かれる事だから。傍にいさせて」

 頷くと安心したように彼は笑ってくれました。






「いってらっしゃい、賀川さん」

「ああ、明日、帰って一休みしたらイルミネーションの飾りを見に行くんだから、体調、整えておいて」

「はい」

 家に送ってもらって、お昼を過ごし、夕方に差し掛からないうちにイソイソ仕事に出て行く賀川さん。夜勤だそうです。その背後からカトリーヌ様が詰め寄ってますけど。

「賀川君、イイ匂いだねぇ~」

「か、香取神父、それ以上近寄らないで下さい。何か目つきが……匂いは同じ石鹸を使ったからで……」

「ふーん……そう。ユキ君が色っぽくなったのに引っ張られて、色気が付いても男だからうれしくないなぁ~」

「ぃ……色気ってなんですか……今夜は俺、夜勤なので雪姫を。ユキさんをお願いします」

「……はいはい、僕は暫く庭にいるからね。電話してくるぅ」

「電話?」

「子馬君にねぇ……直通聞いとけばよかったんだけどさぁ。当主様は会議中で~って、言われて繋がらなくてね、何度目だっけ、コレ」

「子馬? じゃ、繋がったら、今度、刀を取り出す方法を知りたいって伝えておいて下さい」

「ふぅん」

「神父、何か……目が怖いんですが」

 お互いそれなりに身長があるのに、下から覗きこむ様にカトリーヌ様は賀川さんを見上げて、

「何でもないよ。何かあったら呼んでねぇ。ユキ君」

「は、はい」

「ほら、夜勤用のお弁当忘れないで。ユキさん渡して。いってらっしゃい、賀川君」

「じゃ、これを。気を付けて」

 葉子さんから渡されたお弁当を渡すと彼は玄関へ、カトリーヌ様は縁側から庭へ出て行きました。

「調子良さそうね、ユキさん」

「はい、昨夜は急に帰れなくなってすみませんでした」

「仕方ないわよ。体調の事だし、クリスマスだったもの。二人で過ごせてよかったんじゃないの? どこまで進んだかは知らないけどね」

「よ、葉子さん……」

「若いって良いわねぇ」

「葉子さんもタカおじ様と……じゃないですか?」

「だから。私達は、そう言う次元は越えてるのよ」

「そんなモノでしょうか? でも今、タカおじ様が急にいなくなったら、後悔はないですか?」

「そうねぇ……貴方達は明日をもどうかって仲だからそう考える事が出来るのかしら。ふふ、もし、明日自分が死ぬか、タカさんが居なくなるってわかったら、そうねぇ……キスぐらいしとけばよかったって思うかしらね?」

 葉子さんは冗談めいて笑いながら、そう言って台所に戻って行きます。私は変わった感じの携帯で子馬さんに電話をするカトリーヌ様を見ながら離れに戻ったのでした。



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キラキラを探して〜うろな町散歩〜 (小藍様)

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

汐ちゃん(ちらっと……wデート?回の女子側のお風呂ネタを。こちらでは余り書いてないので、小藍様の更新をお楽しみに)


『悪魔で、天使ですから。inうろな町』(朝陽 真夜 様)

http://book1.adouzi.eu.org/n6199bt/

ベル姉様


二人ともお名前のみ。

お借りいたしました。

問題があればお知らせください。



(本格的にストック無しに。更新は未定です。それでも二月に向けて動いていきますのでよろしくお願いいたします)


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