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うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話  作者: 桜月りま
12月24日

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415/531

遊戯中?です(悪役企画)

llllll

目線が子供の為、ひらがな多し。

読みにくいですが、とりあえず一話だけなのでお許しください。

lllllll

 







「ねぇねぇ、たかちゃん。もうかえるの?」

 そう言ってふり返ったら、足元の小石でバランスをくずしかけちゃった。わたしはヘーキなのに、タカちゃんったらあわてて、せなかをささえてくれたよ。

「ほら、あぶねぇだろうが。寒いから風邪ひく前に帰んないとなぁ」

「しう、オヒメサマみたい~」

 タカちゃんは大きな手をつないで、ゆっくり歩いてくれる。手が、あったかい。

 このごろ。

 たいちょうくずしたって言って、なほ、おシゴトをズル休みしてたから、タカちゃんにあんまり会えなかったんだよね。休みのりゆう? だってタカちゃんに、『たかちゃんのトコのオトコをころそうとして、失敗へましちゃって、ケガしてうごけなかった~』なんて言えないよね?

 タカちゃんもそろそろアンナイしてあげよろうかなっておもっているの。

 だってあんなにはやくあいたいってかおしてたのに、『人間には果たさなきゃなんねぇ『業』ってモンがある』って。さらにタカちゃんは『コイツが迎えがこねぇって事は、まだやるべき事があんだよ』って言うの。

 コイツって、とってもわかいキレイな人。ううん、ホントウはタカちゃんといっしょくらいなんだって。もう死んじゃって、ずいぶんたつから。



『あんなに年がはなれるほど待ったのに、タカちゃんのコト、何でむかえに来ないの?』

 そう、かおるおねぇちゃんにきいたら、

『二月、バレンタインまでには殺しなさい』

 そう、しずかに言われて。

『迎えに来るのを忘れてるのかもね。紫雨、お手伝いしてあげるんでしょ?』

 ってとなりにいた、なほ、笑ってた。



 今日ね、くりすます・イヴ。

 バレンタインまでにはジカンがあるけど、きょうでもイイかなって。

 タカちゃんも言ってたもん『姉ちゃんの言う事を聞いてイイ子にな』って。だから、おねえちゃんの言いつけを守って、きげんまでにコロしてあげるの。えらいよね、しう。

 そうそう、そのときは、ながーく、いたくしてころすことにきめたの。

 だって、しう、ちょっとだけ。

 タカちゃんとしゃべれなくなるのが、もったいない、って思うの。ころしちゃったら、もうその大きな体によじのぼれなくってかんがえたら、なんでだろう? さみしいの。

 頭、なでてもらえなくなるってかんがえたら、くるしいのは……なんで?

 でもおねえちゃんの言うコトはぜったい。

 だから、ながーくいたくするの。っていっても、きっと、うん、じゅっぷんとか、そんなくらい。そしたら、しうを、わすれないよね。しうが、ママとパパをわすれられないように。

「どうした、しうちゃん」

「だっこ、して?」

「おう、公園で遊び疲れっちまったか?」

 今日は、なほのシゴトをまつあいだにって、公園にいったの。だれもいなかったけど、すべりだいも、ブランコも、おすなばも、タカちゃんとカシキリ。

 かんけり、おにごっこ、おままごと…………やったことなかった、こんなの。これは、まどの向こう。しあわせなかぞく、愛された子どもだけのアソビ。

 ナイフをにぎって、血をしたたらせるのとはまたちがった、たのしいアソビ。でも、そろそろ……おわり。

「ねぇ、タカちゃん。だっこ~」

「もうそこだけどな。よっしゃ、これで、どうだ!」

「きゃわっ! わーい。たっかいよ。タカちゃん、たかいっ」

 人目がすくないうちに、だっこしてもらったら、その首をきってあげよう。

 ながく、いたいように、血がこぼれて。でも治せないようにキズグチを重ねてあげようって、ねらったの。おねえちゃんにおそわった通りに。でもタカちゃんはだっこじゃなくて、肩にのせてくれた。

「怖いか? 肩車は」

「ううん、すごく……うれしい」

 うらやましかったんだ、おなじ年くらいの子がお父さんにこうしてもらってるの。そんなコトかんがえてたら、ナイフがにぎれなくって。

「ねぇちゃん達じゃ、なかなかしてもらえねぇか!」

「わー、木に手がとどくよぉ~お空までとどくかな?」

「はは。そりゃぁ、無理だな。でも、ほらよっ!」

「きゃ、たかい~っ」

 タカちゃん、ぴょんってとんだり、ゆらしたりしてくれるから。しう、よろこんでいる間に、タカちゃんがどんどん歩いちゃって。雪がちらつくなか、大きなトラックが走るみちをよこぎって、『商店街』に入っちゃった。

「きょうはむり、かなぁ」

「どうした、しうちゃん?」

「ううん」

「何か欲しいモンでもあったか?」

 そのとき、通りかかったのは『ホビー高原』と、かかれたオモチャ屋さんのまえ。タカちゃんが肩からおろしてくれて、

「何でも選べ、買ってやるから。今日はイイ子には、センタクロースが来る日なんだろうがよ」

「しう、イイ子~」

「お、太っ腹だね、タカのおやっさん。しかし、洗濯センタクロースってクリーニング屋の回し者ですか?」

「ええい、なンだっていいんだよ、通じらぁ~よ。それより玩具屋次男、月初めはユキが世話ぁなったな」

「いえいえ、渉兄さんに呼ばれたんで。そう言えば、こないだ金剛君が『充電させて下さいデス』ってきましたよ。それより、あの子は? 見ない顔だけど。孫とか居なかったですよねぇ?」

「しうちゃんだ。従業員バイトの妹ちゃんでな。早くに両親を交通事故で亡くして、姉妹三人なんだとよ」

「しう? この頃は珍しい名前が多いですね」

「紫の雨って書くらしいがよ。バイトに来ている姉ちゃんは奈保に、その上の姉ちゃんが確か薫……だったか。しうちゃんだけが年が離れてるからか、確かに今時、だな」

「紫の雨、で、紫雨?」

 タカちゃんとはなしていたオモチャ屋のお兄ちゃんがマジマジ見てるよ。でも、目のまえのおもちゃがキラキラで、気にしてなんかなかったの。

「紫雨ちゃんは、幾つなんですか。タカのおやっさん」

「ん? 来年小学校だって言ってたな。ランドセル買ってやりてぇからバイトしたいって話だったかんな。五つか?」

「それなら、六つ、ですかね」

 タカちゃんのことばにうなづきながら、しゃがんでお兄ちゃんがはなしかけてくる。

「こんにちわ、紫雨ちゃん。来年、小学校はうろな? 北に通うの? それとも……」

「ううん。しょうがっこう、かようまえに、おしごと、おわらせちゃうんだって」

「え? そうなの? 紫雨ちゃん……お名前、カワイイね。どうして紫の雨で、しう、なのかわかる?」

「ううん。でも、ホントウはおねえちゃんに、もっとフツウにしよー、って言われたんだけど。しうは、しうだから~かえなかったの」

 かわいいのおにんぎょうに、ぶれすれっと。子ネコや子イヌのぬいぐるみや、いろいろ……みいってて、タカちゃんたちが首をかしげてるのに、きづかなかった。

「この子のお姉さん、うろなで小学校に通わせる気はないみたいですよ? タカさん。その顔、聞いてなかったんですね」

「ああ、『来年度に学校に行き出せば迷惑かけなくなる』なんて面接で言ってたかンな。てっきり、来年も、ずっといてくれると思ってたんだがなぁ。金がなくて、うろなの安アパート見つけたっていうから、長く居付くと……」

「そうなんですか。何か事情が変わったのか、彼女の遠慮なのかも知れませんね。ただ……どこかで名前を見たような気が……」

 そう言ってオモチャ屋のお兄ちゃんが、わたしのおかっぱに切ったかみでふつうはかくれてる、首にある小さなホクロを見ていたのにもきづかなかったの。


llllllllllllllll

現在不定期更新(自転車操業)

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"うろな町の教育を考える会" 業務日誌 (YL様)

http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/

高原直澄さん『ホビー高原』

清水先生



『以下3名:悪役キャラ提供企画より』


『松葉 奈保』 ぱっせろ様より

(名義はこのままで大丈夫でしょうか?)


『松葉 薫』『松葉 紫雨』 とにあ様より


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