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うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話  作者: 桜月りま
12月1日

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343/531

捜索中デス9ユキ(悪役企画)

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助け手は清水先生に、鹿島さん。

三人称、二人寄り視点です。

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「金剛さん?! それ、どう見ても賀川君でしょ。鹿島、他人の空似って恐ろしいなぁ」

「……ああ」

 目の前の白髪の少女が、常時人攫いの危機に晒されている事を荒々で聞いた鹿島。大人として、何より大切な妹の萌を励ますために絵を描いてくれた少女の事が気になり、特に考えず車を出したのであるが。

 その現場に駆け込む車中で拳大の瓦礫が軽々と飛び、白髪の男が手にした木刀を折りながらも少女を守っている光景を目にしていた。暴力沙汰を知らない訳ではないが、通常一般人の感覚では『来なければよかった』と後悔する気持ちが横切り、緊張する鹿島。その態度が普通で常識的ある。

 そんな緊迫した場でも、通常営業で喋りまくる清水。その図太さにあきれを見せる鹿島だったが、更に緩い態度の白髪少女の対応を聞いて気が抜ける。おかげで震えず此処に立てている事に気付き、特に突っ込みを入れる事無く、清水に相槌を打った。

 そんな清水の態度に面喰らったのは鹿島だけでなく、相手も同じであった。

 その上、何故か白髪の青年の顔は昨日ピアノを弾いていた賀川しりあいのモノであるというのに、緊張感のない少女はそれを『賀川ではない』という。鹿島は金剛が何者なのか考えるよりも、自分の居るべき位置を素早く判断する。

「と、ともかく。よいの先生、こちらへ」

「えっと、ありがとうございます」

 鹿島は自分が討って出るより、出来る事として少女の盾になる事を決めた。すっと彼女に寄り添い、すぐには引っ張って連れて行けない、そして攻撃を彼女に向けられない立ち位置を取る。自分より戦闘に長けた清水と金剛と言う白髪男より後ろであり、しかし守るべき少女よりも前の位置。

 清水は鹿島の賢明な判断に内心で頷く。

 賀川に見える白髪の男、ユキに金剛と呼ばれた彼はどうやら味方だと判断する。だが微かに耳から白煙が上がっており、通常状態には見えなかった。だいたい人間から煙が上がるってどういう事だろうと首をかしげたかったが、今の問題はそこではない。

 目標は目の前の三人。

「さっき車の中から見えたけど、石をどうやってあんなに軽々投げるんだろう。雷みたいな光が降って落ちたのもこの辺だよねぇ」

 ずっと無駄口を叩きながら清水は視線を走らせ、その場の情報を出来るだけ素早く収集、評価する。そこで更にここで何かが起こっているのを、勘付く者達がいるだろう事を連想させるワードを振る。

 現れるのはタカ達かも知れないし、一般市民かも知れない。人攫いと言う無法な事をやっている意識がある彼らは、間違いなくこちら側の援軍は招きたくないし、人目に晒されたくもない。それを明らかにする事で焦りを誘発しようと清水は画策する。

 目の前の三名、一番後ろのスーツ姿の男は目線こそ鋭かったが、指揮官系で戦闘力は低そうだった。だが何かしらの武器を隠し持っていれば、素人でも舐めてはかかれない。

 後の二人のうち、筋肉隆々の半袖半ズボン男は目線も予断無い上、闘志も高く、軽口をたたく清水に対しても決して侮らず、清水の内に眠る力を肌で感じて、警戒を怠らない様子に戦闘力の高さを見る。

 残る一人は痩せて無表情、見るからにやる気なさげだったが、コンクリの塊を地面を剥がし、どうやってか砕いて、金剛に投げつけたのは見ていたから、油断ならない相手だ。

「出来れば穏便にすませたいけど……」

 自分側にいるのはユキ、側添いをする鹿島、横に並ぶは不調そうな金剛、それに自分を合わせて四人。人数こそ勝ってはいるが、全く戦闘要員にならないユキは数には入らないし、攻めるより守る者が居る方が力を必要とする。不利なのは間違いなくこちら側だった。

 だが、清水は余裕を醸し出して、ゆっくり笑う。

「……ココに来る前にいろいろ連絡したし。余裕だね」

 タカ達は遊園地を挟んだ逆側を捜索していた為、近場とはいえ、すぐに来れるわけではない。連絡が付かないと聞いていた賀川にも留守電は残したが来てくれるかはわからない。

 誰かが駆け付けるその前にユキを奪われない様に、余裕がない事を悟らせず、標的をユキから逸らし、膠着状態を保ちたい所だった。

「ライ! あの男の口を黙らせたまえ」

 手塚は清水の口調にイライラを募らせ、声を上げる。

 軽い口調を続けながら、清水は戦闘上級者と思えるライを気迫と目配せだけで絡め取り、押し止めていたが、戦う事に素人の手塚から見ればただの口から出まかせのハッタリ男にしか見えなかった。

「行け、ライ。君にその腕を与えたのは飾りじゃないぞ」

「……了解、マスター!」

 そこまで手塚マスターに言われては、ライも引けなかった。

 少し前の清水だったら、確かに『ハッタリ』だけだったかもしれない。だが、半年間の嫁との朝練で基礎を作り、うろなの達人達の間をねり歩き、一か月の武者修行で剣の達人と称される義父に一矢報いた清水。訓練を積んだとはいえ、あくまで対義父特化の特訓であり、自分がプロの殺し屋と同等に渡り合えるなどと過信は一切していなかったが、同時に全く相手にならないとも思ってはいなかった。

 だからこそ迷いもなく、その動きに淀みはなかった。

「賀……いや、金剛くん、まだ動けるかい」

 木の棒一本でコンクリ片を弾き飛ばしていた金剛に清水は言葉を投げた。動けるなら動いて貰った方が助かる。完全に撃退する事は難しくとも、時間稼ぎに手は一つでも多い方が良かった。

 金剛はチラッとユキの方を見て、

「貴方は、彼女を安全な位置に連れて行けマスか?」

「ああ、俺達はその為に来たんだ。俺は清水、しがない中学校教師、だけど『ソコソコの』修羅場はくぐってきているんだ♪ で、あっちの現在絶賛無愛想が鹿島。いつもは愛想笑いが上手いんだけどなぁ。ユキちゃんとは縁があってね」

「私は学習型アンドロイド、形式番号TD-017『金剛』デス。現マスターはあそこに居る手塚ですが、現在彼の指示を順守できず……」

「あんどろい? よく出来てるよ!」

 金剛の自己紹介を半ば冗談だと思い、笑う清水。背中を任すほど信頼がおけるとは思えなかったが、ユキの事を心配しているのは感じられた。

「あの男、三鶴見 ライは元傭兵。マスターによって開発された義手は特殊な合金で作られた武器デス。また電流や雷を扱うようデス、まともにその手で触れられて流されたら人間は即死デス」

「ははは。貴重なデータをありがとうっっと」

 清水はこれ以上口で引き延ばす事は難しいと判断し、立てかけられていた棒を掴み、ライと対峙した。


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多分清水先生、「」で書いた10倍くらい喋ってます。笑

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現在不定期更新となります。

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"うろな町の教育を考える会" 業務日誌 (YL様)

http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/

鹿島さん 清水 渉先生 萌ちゃん


『以下4名:悪役キャラ提供企画より』


『手塚』『金剛』弥塚泉様より


『ライ』『ルイス』小藍様より


問題あればお知らせください。

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