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うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話  作者: 桜月りま
12月1日

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302/531

話し合い中デス(リズさん)(謎の配達人)

llllllllll

空を行く。

llllllllll

 






「もしかして俺を追って来てくれた? なら、さっき俺が居た廃れた建物の位置がわかるか?」

「くるっつ、くるっくぅ~」

 こんな会話? の後、ドリーシャの先導で空を飛んで行く。……本当に言葉が通じてる気がして来た。力学上、人間は鳥に乗っても飛べないハズなのに、信じられないデカい鳥に乗っているし、俺、末期かなと思う。

「頭いい、な。ドリーシャ」

 もし通じているなら、頭イイで片付けられるレベルじゃない気がする。でも白髪に青い目の少年は何の感慨もなく普通に返してきた。

「ん〜。こんなもんだっての。ま、悪くねぇ方だろ。なんたって郵便配達人(俺様達)の手足(モン)なワケだしな。何でお前を気に入ってんのか謎だけどなぁ」

「るっくぅ~」

「はぁ? 何だそりゃ?」

 ドリーシャが何といったか気になった。

 イヤ、気にしては駄目だ。とっても気になるが鳥の言葉なんて本当にわかったら世界がおかしくなる。とりあえず俺は、今片付けなければならない事を考えた。

 リズさんとレディフィルドは殆ど初見だ。彼女は汐ちゃんが攫われた日、手助けしてくれていた。ただ俺とレディフィルドは今のように鳥に乗って見下ろしただけだったから、その日に特に会話をする機会はなかったハズだ。意識の途切れている時に、何かあったなら知らないが。

 俺は前回倒した金剛の様子と、今回の繋がりや建物や相手の様子などレディフィルドにざっと現状を報告する。黙っているリズさんの耳にも入る様に、痛みを堪えて実に普通そうな声音を装う。

「……っと、言う感じだ。見たのはアンドロイド二体と、指揮者だけだ。でもたぶん中にはそれなりに居ると思う」

「窓から逃げんのはムリって事か。ま、ともかく。カガワの知り合い、アリスってのを助けりゃいーんだな」

 頼んでないけど乗り気でいてくれるのは助かる。現実問題、俺、真面に戦えるとは思えない。それでも行かないという選択肢はなかった。

「できれば……それだけじゃなくアリスの目を奪い返したい……再移植して見えるようになるかはわからないけれど」

「機械ん中でも生きてんなら、使える可能性のが高いんじゃね。けどアンドロイドに目ぇ移植って、エグイ事すんなぁ……ま、それについちゃ、頭を奪えばいい、か?」

「だけど頭には記憶やらのチップがあるんじゃないかと思う。遠隔でそれを操作で爆破されても困るからそれもどうにか……後、目は低温で持ち帰りたい」

「条っ件、多いじゃねぇかよ〜。一端目ぇ摘出して保管してたんなら、入れとく容器があったんじゃねーの?」

 目を取り置く容器……考えたら眩暈がしてきた。血を流して具合が悪いだけかも知れないけれど。

 誰が自分の仲間である者の目が、生きたまま取られると想像する? 攫った子供の臓器を違法に摘出する組織に立ち入った時の気持ち悪さを思い出し。ともかくそのままアリスが既にゴミ袋に入れられてない事だけを祈るしかない。俺が顔色悪くなったのに気付いたのか、

「そんな顔すんな」

 と、レディフィルドは俺の肩をばしと叩いた。

 リズさんはその間、話は聞いているモノの不機嫌そうに同乗していた。俺が行くのはやはり反対らしい。だが『どーせ賀川(コイツ)の事だから、うろなに引きずってった所で、ベッドにおとなしく、なぁんて寝ちゃいねぇだろ〜よ?』というレディフィルドの言葉で沈黙して、ずっとそれ以降口をきかなかった。

 しかし深くため息をつくと、

「賀川さんを早くうろなやお医者に連れて行くには、ここを早く片付ければいいんス」

 そう言って、心にケリを付けてくれたのだろう。やっと言葉を発してくれた。そしていつもの明るい表情を取り戻した彼女は、

「あのアリスってアンドロイド、自己修復能力を削ぐには熱を加えて水分を蒸発させればいいっス」

「自己修復機能付きってのに、簡単に言ってくれんなぁ〜。出来たとしてんな事すりゃあ、目まで煮えんぞ?」

「先に頭を捥いじゃえばいいんスよ」

「意外に……容赦ねぇな。ポニテ女」

「ポ二……さっきから酷いっス! 私の名前は緋辺・A・エリザベスっス! リズって皆には呼ばれてるっスよ! 私は悪いと思ったやつは全力でぶっ潰すっス! レディフィルド君」

 ニッコリと爽やかに笑った顔が悪魔に見えたのは気のせいだろう。それにしても君、か。小さく見えるから仕方ない。こいつが二十歳を過ぎているとは確かに思えない。小学生並み、良く言って中学生の身長だ。格闘センスは並ではなく、その素早さや武器とする針捌きは尋常ではないのだが。俺が心の中で笑っているのに気付いたのか、青い目で睨みながら、

「君、だぁ? フィルでいいっつーの、リズ」

「じゃ、……問題はその後っスよ、フィル。遠隔で爆破とかされないためにどうしたら良いんっスかね?」

「金剛は頭がなくても動いていたから、体の方にも最低一枚は予備チップがあると思う。かなり粉微塵にしたのに残っていたみたいだ。手だけで自立して動いたし、頭がどこかにすっ飛んだから、そこから回収したのかも……」

「うーん。ともかく体と頭、最低でも二人は人が要るって事っスか?」

 俺は頷く。チップを外してる間に体の方に襲われたり、目を傷つけたりすれば、奪い返す意味もない。

 腕組みし出したリズさんを見て、レディフィルドは軽く笑って、

「ま、どうにかなるんじゃねー?」

 そう言って話を切り、ドリーシャを呼び寄せる。たかだかそれだけの笛の音が辛い。遮断は出来ているはずだが、残音の様なモノがどこかで響いている気がする。

「ちょっとだけ休ませてくれ」

「か、賀川さん」

「大丈夫だ。今は体力を温存したい。それ、だけ……」

 だいたい伝えることは伝えた。

 後は少しでも体力を回復、温存させるのに目を瞑り、柔らかい羽毛に体を預ける。そのまま眠ったら本当に死ぬんじゃないかと思う。それほどにまで眠りが優しい。リズさんの目が痛い。それだけ心配させているのを感じる。俺の事は余り良く思っていないようなのに、ユキさんとの関係があるから気にかけてくれているのだろう。今はそれに甘えるしかない。

 先程から何度か電話をかけているが、圏外で繋がらない。応援は望めない。それにユキさんは大丈夫だろうか? この隙に彼女に何か起こっているのじゃないだろうかと心配になる。連れて来なくてよかったと思う半面、側に居ない彼女を思わずにはいられなかった。



 まさか俺の想像を遥かに斜め上行く行動力で、目下の敵であるアンドロイドと『お出かけ』してるなんて。考えもしなかった。

llllllllll

キラキラを探して〜うろな町散歩〜 (小藍様)

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

ドリーシャ(ラザ)、レディフィルド君、ルド君

11月4日の話題を

『悪魔で、天使ですから。inうろな町』(朝陽 真夜 様)

http://book1.adouzi.eu.org/n6199bt/

リズさん


『以下3名:悪役キャラ提供企画より』


『アリス』

『金剛』

『手塚』

話題で。全て弥塚泉様より


お借りいたしました。

問題があればお知らせください。



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